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CULTURE

21.06.10

新社長 岡村はDeNAをどこに導くのか。その針路と目指す将来像を聞く

2021年5月。世界に広がる、未来につながるDelightを届け続ける将来像を見据え、DeNAの長期の事業ポートフォリオが公開されました。

エンターテインメント領域と社会課題領域で事業を展開するDeNAの特徴を活かした収益基盤を構築しながら、新規事業などにも果敢に挑戦する。

コロナ禍がまだ収まる様子もない現在、そして収まった後に開ける未来。新社長 岡村はこのDeNAをどこに向けて率いるのか。新中期経営計画を中心に、短期的そして未来へ向けての構想を聞きました。

エンターテインメントと社会課題、DeNAの特性を最大化する

ーー岡村新体制のもと、新しいミッション・ビジョン・バリュー、新中期経営計画など、いくつもの「新」が走り出しています。まずは、これからの企業運営について教えてください。

岡村 信悟
▲株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟(おかむら しんご)
東京大学大学院(人文科学研究科)修了。1995年、郵政省(現総務省)入省。2015年、総務省情報流通行政局 郵政行政部企画課企画官に就任。2016年4月、株式会社ディー・エヌ・エーに入社、横浜スタジアム代表取締役社長等を務める。2016年10月、横浜DeNAベイスターズ代表取締役社長に就任。2017年7月、執行役員兼スポーツ事業本部長、2019年4月、常務執行役員兼COO、横浜スタジアム取締役会長(現任)、2019年6月、取締役兼COOを経て、2021年4月、代表取締役社長兼CEO(現任)。

DeNAは4月に新しいコーポレートミッション「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」を掲げました。このミッションには、社会の状況や我々のこれまでの取り組みを踏まえながら、より一人ひとりに、我々が大切にしているDelightを届けられる企業でありたいという思いを込めています(※1)。

※1……ミッションに込めた思いについては、2021年5月公開の「『一人ひとりに 想像を超えるDelightを』。新社長岡村が見つけるDeNAの未来」で語っています。

我々はずっと世の中がアッと驚くような楽しさや喜びを社会に届けようと、常に新しいことにチャレンジし続けてきました。その姿勢は変わらずしっかり継続していきたいと思っています。

具体的には、エンターテインメント領域と社会課題領域、この両軸の事業を展開する我々のユニークな特性を活かし、世の中や大切な人とつながったよりよい生き方、よりよい社会システムにするための役に立ちたい。インターネットやAIを駆使しながら、挑戦心豊かな社員それぞれの個性を余すことなく発揮し、世界に通用する新しいDelightを提供したいという展望を見据えています。

ーー「DeNAのユニークな特性」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

DeNAは創業以来、エンタメの領域で大きくなってきました。そこでの知見やメソッドを応用した社会課題領域での事業展開や、各分野のパートナーさまとの多様な座組みで生まれる新たな事業など、そのユニークな立ち位置はDeNAならではの特徴と言えるでしょう。

たとえば、今伸びているライブストリーミングサービス『Pococha(ポコチャ )』(以下、『Pococha』)は、運営のノウハウにしても保守のノウハウにしても、ゲーム事業でのこれまでの経験が非常に役に立っています。また、それらのノウハウはスポーツ事業やヘルスケア事業にも活かされています。ゲームの経験を活かしながらお客さまが使いたくなるような、楽しく続けられるサービスにつなげていくのは、我々ならではだと思っています。

 

永久ベンチャーとしての矜恃

ーーでは、「DeNAの強み」とは何でしょうか。

人材、組織、技術、モノづくり、そして「ホーム」です。「ホーム」と表現しているのは、神奈川県。我々はIT企業でありながら、横浜、神奈川とのつながりが非常に深い。横浜DeNAベイスターズ(以下、ベイスターズ)が基盤としている横浜をはじめ、バスケットボールの川崎ブレイブサンダース(以下、ブレイブサンダース)やサッカーのSC相模原もすべて拠点は神奈川です。

岡村 信悟

これまで地域との関係性を大切に、グローバルなネットサービスでバーチャルな世界に足を踏み入れながら、地域貢献の基礎をつくってきました。そうした強みを活かしながら、エンタメや社会課題領域で事業を展開し、シナジーも生み出したいと思っています。

たとえば、ゲームやネットサービスでの経験によって、ベイスターズはスポーツエンターテインメントとして成功を収めています。我々が扱う技術で、横浜スタジアムを起点としてスポーツで都市空間を活性化し、今後も地域を持続的に活力のある場にしていきたいですね。

ーー人材、組織、技術、モノづくりの観点ではいかがでしょうか。

「優秀」という言い方が適切ではないかもしれませんが、DeNAでは実力のあるメンバーが集まり、「我こそは!」という強い思いを持って組織を動かしてくれています。彼ら一人ひとりの個性を活かし存分に活躍できるように、各事業部メンバーと対話しながらDeNAを常に魅力的な「場」にするよう努めていきたいと思っています。

そして、「1→10」「10→100」と、しっかりと事業を伸ばしていくグロースの力。我々は高い技術力を持つモノづくり集団として、ゲーム事業で培ってきたさまざまなノウハウやメソッドを巧みに活用し、事業を成長させてきました。これからより成長するライブストリーミング事業、ヘルスケア事業など、新たな価値の創造・提供に向けてしっかり伸ばしていきます。

ーーこれまで培った資産を活かしていくということでしょうか。

強調したいのは、DeNAは「永久ベンチャー」として、新たなものを世に生み出していくことに挑戦し続けるということです。これまで社内に留まらず、優れたパートナーさまと一緒に新しい事業領域、新たな価値の創造に取り組んできました。そして、それはこれからも不変です。

長期的にはエンタメ・社会課題領域それぞれの収益基盤をしっかりと確保するとともに、シナジーを生み出しながら成長していくことに尽力したいと思っています。また、新規事業などにもしっかり挑戦していきたいですね。

これらの強みをさらに強固なものとするために、組織の基盤を整え、社会の公器にふさわしい企業として価値を高めていきたいと考えています。特にSDGsなども意識しながら世の中に必要とされ、その上で企業活動をしながら皆さまに新たなDelightを届ける。常に注目される企業でありたいと思っています。

 

3ヶ年の事業注力ポイント

岡村 信悟

ーー新中期経営計画の中身を具体的に教えてください。

まず3ヶ年として考えますと、本年度からミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)も刷新し、新しいフェーズに入りました。MVVの実現に向けて、安定的かつ持続的に成長する事業群の構築を目指したいと思っています。

DeNAは、ITのエンタメ領域で、社会に対して価値を届けることが得意です。素直に楽しい気持ちや夢中になれるものを届けられるという意味で言うと、我が社の主力は何と言ってもゲーム事業。

ゲームは市場も成熟し、一つの文化として確立しています。技術的にも発展し、ユーザーの利用状況を見ながらイベントを開催したり、コンテンツを増やしたりという工夫も含め、インターネットでのエンターテインメントサービスの粋が詰まっている事業だと思います。

日本・中国での開発・運用、IPホルダーとのパートナーシップの強みを活かして、グローバル市場に向けた大型IPを中心としたタイトルをリリースしていきたい。「DeNAだから面白いゲームが期待できる」という文化をつくり、それを持続的に多くのファンの皆さまに受け入れていただけるよう邁進します。

ーー『Pococha』に大きな期待が寄せられていると思います。ライブストリーミング事業についてはいかがでしょうか。

『Pococha』は非常に順調で、2021年3月末には累計255万以上ダウンロードを記録しました。国内でのさらなる成長強化はもちろん、グローバル展開(※2)をはじめ新たなジャンルに挑戦していかなければなりません。

重要なのは、何と言っても使っていただくファンの方々。ライバー(ライブ配信者)もリスナー(視聴者)も含めて、居場所としての『Pococha』、楽しむ場所としての『Pococha』を育てていくことです。ずっと使い続けていただけるように、不断の努力をしていかなければならないと思っています。

『Pococha』は固定的なコンテンツを見てもらう旧来の動画サービスではなく、リアルな時間を共有し、かつそれが共感消費というかたちでギフティングを生み、発信するライバーの価値をマネタイズする機会も創出できる。社会課題解決要素もあると思っています。

我々が今まで培ってきたコミュニティの運営やイベント実施ノウハウ、もちろん技術的要素もフルに活かすことにより、この分野での優位性は揺るがないはずです。今がまさにこのライブストリーミング文化が根付く瞬間ですので、安全性にも気をつけながら、しっかりと伸ばしていきたいですね。

※2……『Pococha』は、2021年5月26日より、米国でのサービスを開始しました(https://dena.com/jp/press/4747)。

ーースポーツ事業やヘルスケア事業にはどのような狙いがあるのでしょうか。

岡村 信悟

スポーツ事業については、コロナからの脱却はもちろんですが、横浜スタジアムの増席がしっかりと行われています。コロナが終息したあかつきには、今までにも増してたくさんのお客さまに満足していただける運営をしていきたいですね。

プロ野球のベイスターズ、プロバスケのブレイブサンダース、そして最近経営参画を始めましたがプロサッカーのSC相模原。エンタメの究極の姿であるプロスポーツを中心に都市空間を活性化したり、教育事業や健康事業にも広げて、文化づくりに貢献したいと思います。

また、現在進めている横浜市の現市庁舎街区の開発事業に取り組むことで、街そのものを活性化していきます。これが新しい事業領域として広がっていくことを期待しています。

そして、典型的な社会課題領域であるヘルスケア事業。健康増進・行動変容を促すサービス・プロダクトの提供は順調に成長しています。たとえば『kencom』。こちらは健康な行動への変容を促すサービスですが、サービス利用者が健康長寿を目指すと、結果的に医療費の削減にもつながり、持続的な社会をつくることに直結します。

またデータ等の利活用によって、社会課題解決に向けた産業利用、社会全体の基盤を支えるようなかたちで貢献できると思っています。

特に昨年度、資本提携したデータホライゾン社とは、データホライゾン社の自治体への強みやご高齢の方に対するアプローチのノウハウ、そして我々の健康保険組合、IT・エンゲージメントサイエンスの強み。この両社の特徴を活かしながら、データヘルス事業、データ利活用事業を推進していきます。

ーー複数の事業を跨いだ新たなコラボレーションにも期待できますね。

その通りです。つまり、我々の強みが活かせる領域がまだまだあるんです。単独事業ではなく、いろいろな事業に取り組むことによってDeNAのさらなる強みが現れ、それが各事業にも影響する。ソリューション事業についても複数のパートナーさまとタッグを組み、新たな価値創造につながる取り組みを継続していきます。

近年、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉でまとめられますが、ソリューション事業は社会システムを支えるさまざまな企業と提携することで、消費者に新しい価値を届ける事業です。これから非インターネット企業向けのサービスも積極的に立ち上げ、一つでも多くの成功事例を増やしていきたいと思っています。

各事業異なるフェーズにありますが、どの事業も大切です。3年を目途にしっかり投資も行い、それぞれの事業が確実に成長していく土台を築く。長期的には、前述のポートフォリオで述べたように成長を積み上げながら、新しいタイプのIT企業を目指します。

 

「CEOとしての3つの約束」

岡村 信悟

ーーCEOとして、今後どのような役割を担っていくのか教えてください。

CEOは、船にたとえるなら船長です。どこに向かって航海していくのか、旅をしていくのかということを常に自分なりに認識し、それをしっかり伝えていきたいと思います。

それを以下の「CEOとしての3つの約束」というメッセージにまとめました。

1. 世の中の動きを俯瞰的に捉え、DeNAの目指す姿に相応しい企業経営判断を行います

我々はさまざまな領域で事業を展開しています。各事業、短期的な業績を重要視するのは当然です。ただ私は、その短期的な業績だけにとらわれてはいけないと思っています。中長期的な視点で世の中の動きを俯瞰的に捉え、研鑽を積みながら、DeNAが一体どこに挑むことで世の中に新しい価値をお届けすることができるか。そこをしっかり考え、DeNAの企業としての経営判断を行っていきたいと思っています。

 

2. チームだから成し遂げられる、たゆまぬ努力と、大きな成果を追求します

DeNAの素晴らしさとは何か。それは社員一人ひとりです。私は社員の能力と思いを全面的に信頼しています。だからこそ、DeNAという「場」に集まった社員の力を結集したい。誰か一人の力に依存するのではなく、メンバー同士、互いを補完し合って大きなことを成し遂げてほしい。人の、仲間の成功も喜びながら、チームとしての大きな喜びと価値創造の成果につなげていきたいと考えています。

 

3. 一層の透明性と誠実さをもって傾聴し発信することで、DeNAのみんなをつないでいきます

社会活動は、孤立ではなく、人と人がつながることでより大きな力を生み出します。最大の効果が期待できる現代的な姿が企業でありたいと思っているので、そういう意味でみんなをつなげるような努力をしたい。会社の状況、事業の状況、そして世の中の状況……と、できる限り自分の言葉でしっかり社員に伝えていく。そういった透明性と誠実さを持ちたいと思います。また、「一人ひとりと」というくらいの気概を持って、社員の思いや考え、意見にしっかりと耳を傾けていきます。

 

そうして、地域や社会とDeNAをつないでいきたい。DeNAがどんな企業であり、どんなDelightを届けようとしているのかをしっかり伝え、つないでいきたいと思います。

 

「DeNAだから」得られる経験

岡村 信悟

ーーDeNAで働く魅力を教えてください。

私自身もDeNAに5年前に参画しました。外側から見たDeNAは、危うさを感じたこともありましたが、とてつもない魅力も同時に感じました。それは何かというと、そこで働く人が個としてしっかり自立し、誠実で思いが強く、「ことに向き合う」という独特の文化が形成されていたからです。

DeNAは、ピラミッド型のしっかり決まった組織で事業が成り立っている会社ではなく、「場」として動的なんですね。これだけの大規模な企業でありながら、新しい挑戦に年次関係なく若いうちからしっかりと取り組むことができる。「思いがあればその思いが報われる」という場がある会社です。だから成功する失敗するということを、肌身に感じることができます。

これは、21世紀型の動的なスタイルとして、非常に貴重で誇れることだと思っています。これからますます働き方もオフィスのあり方も変わっていく時代になりますが、こういった場としての価値をどれだけ多くつくっていけるか、どのようにコミットできるかが私の役割だと思っています。

 

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

 

執筆・編集:フルスイング編集部 撮影:石津 大助

 

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