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21.04.20

ソーシャルライブ市場全体をデザインする。「Pococha」が仕掛ける“LMPS”とは何か

DeNAの次世代の主力事業の1つが『Pococha(ポコチャ)』(以下、『Pococha』)です。

『Pococha』は、「Live Link Life 〜今この瞬間をいつまでも〜」をコンセプトに、ライブ配信者(以下、ライバー)と視聴者(以下、リスナー)が一緒にライブ配信を盛り上げるライブコミュニケーションアプリ。熱く応援してくれるファンに出会い、ファンとのつながりを大切にしたアットホームなコミュニティ・プラットフォームとして、一般の方からモデル、歌手まで、さまざまな個性あふれるライバーたちが毎日配信しています。

2017年1月にサービスを開始以降、成長が加速しており、昨年の巣ごもり需要もあって、2020年末時点では累計220万ダウンロード以上。

このムーブメントをさらに押し上げるべく、2021年1月に「LMPS(Liver Management Production Studio)」と呼ばれる事業開発チームをローンチ。ソーシャルライブの周辺ドメインを開拓することで、ソーシャルライブドメインそのものを健全に・急速に発展させることをビジョンに掲げ、ライブ配信のトッププラットフォーマーへの道を踏み出し始めています。

この市場をどう盛り上げていくのか、『Pococha』の勝ち筋とは、そして急拡大するためにどのような人材を求めているのか――。LMPSチームに所属する2人に話を聞きました。

ゼロベースで市場をつくる、それにより世の中を変えるスケーラブルな仕事がしたい方、必見です。

ソーシャルライブのエコシステムを完成させたい

――「LMPS(Liver Management Production Studio)」の役割とは何か、そこからうかがえますか?

蛭田 龍之介(以下、蛭田):ひと言で言えば、『Pococha』を中心とした、ソーシャルライブ市場全体を成長させるための事業創造・発展の役割を担っています。

たとえばYouTubeも動画配信という大きなプラットフォームであり、そこで活躍するクリエイターがいて、そのクリエイターをマネジメントする事務所がある。そして企業が広告を出せる仕組みがあり、さまざまな周辺ビジネスを取り巻くエコシステムがありますよね。

いま急激に伸びているソーシャルライブドメインにおいても、こうしたエコシステムをつくり、1つの産業として確立させていきたい。言わば「マーケットをデザインしていきたい」。そんなビジョンを持っています。

――裏返すと、ソーシャルライブでは、まだそこまでエコシステムが完成されていないのでしょうか?

佐藤 直樹(以下、佐藤):そうですね。ソーシャルライブはスマホ1つあれば誰でも始められることから参入ハードルがかなり低く、多くの方が市場に参入してくれていますが、まだまだいろんな可能性が残っている領域だと思います。

そういった方のためにも、また、まだ未参入の方に興味を持ってもらうためにも、もっとよい市場環境にしたいと思っていますし、よりよくできる余地も多いと考えています。

佐藤 直樹
▲ライブストリーミング事業本部Pococha事業部企画部 佐藤 直樹(さとう なおき)
2016年新卒入社。Mobage、AndApp等ゲームPF事業におけるパートナー営業に従事。その後渉外統轄本部に異動、AI関連事業やeスポーツ事業などに関わった後、Pocochaにジョイン。ゲームプラットフォーム部と兼務し活動の幅を広げている。サッカーと旅行が好き。最近犬を飼いました。

――具体的にはどのようにつくり上げようと?

蛭田:大きな存在になるのがライバーマネジメントを行う事務所だと思うので、まずはそこに力を入れています。多様な個性を持つよいライバーがいるほどリスナーも集まるし、リスナーがたくさんいればライバーも集まります。そして、よいライバーを生み出すのが事務所の役割だとすると、そのような事務所を生み出すことや仕組みを整備することが我々の役割です。

ご存知のように、今はソーシャルライブアプリは群雄割拠。ただ目を凝らすとアプリ・サービスによって設計思想が違うんですよね。

たとえば海外企業のアプリは、ライブ配信プラットフォームにとどまらず、事務所のマネジメント機能まで保有していることも多いんです。

――ライバーまでプラットフォーム側がマネジメントしていることがある、ということですか?

蛭田 龍之介
▲ライブストリーミング事業本部Pococha事業部企画部 蛭田 龍之介(ひるた りゅうのすけ)
2018年DeNAに新卒入社。マンガアプリ『マンガボックス』において2年間サービス企画・プロダクト開発等に従事し、2020年4月に『Pococha』にジョイン。趣味は旅行とサッカー。

蛭田:はい。ケースバイケースではありますが、ライバーは配信したいアプリの直属ライバーになった方が有利になったりするんです。反面、他のアプリでの配信はできません。ライバーを囲い込みに行くクローズドな戦略だとみています。

一方で、『Pococha』はライバーをマネジメントする事務所機能を持っていません。さまざまな事務所やライバーの総力を結集し、市場そのものを一緒につくり上げて拡大していく思想のオープンなプラットフォームなんです。

佐藤:それが我々のエコシステムの設計思想です。オープンプラットフォームにすることで、さまざまな特徴を持つ事務所同士がプラットフォームの中で切磋琢磨していただいています。

事務所毎に色があることで、結果多様なライバーが生まれ、プラットフォームそのものが活性化する。こうしたプラットフォームづくりに関するあらゆることを見ているのがLMPSチームです。

また個性を活かして活躍できるライバーを生み出すことも、事務所任せにするのではなく『Pococha』も一緒に考え取り組んでいます。

――なるほど。ただ、ライバーという生身の人間となると、いろいろな難しさがありそうですね。

佐藤:その通りです。

『Pococha』は人間関係が軸となるサービスですから、ライバーの色や特性を活かし、それをさらに伸ばしていくコミュニケーションが必要です。ただ、これが非常に難しい。偏差値のような分かりやすい能力基準もありません。効率的に育成できる土壌も仕組みも模索している状況です。そのあたりを整えるべく、さまざまな特色を持つ事務所と連携して一緒に取り組んでいます。

蛭田:制度設計という論理的な部分だけではなく、人を中心としたビジネスがゆえの感情的な部分に触れられるのも、難しいけれど面白いですね。やるべき仕事の領域は多岐に渡り、やりがいも大きいです。

 

0から100にするための、3つの戦略

――具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか?

佐藤 直樹

佐藤:大きく分けると3つです。

1つは「ロングテールなライバーマネジメントプラットフォームの構築」です。『Pococha』には、毎日配信を確認して、フィードバックを小まめにして……と目の前のライバーに対して泥臭く真摯に向き合い育成に取り組んでくれている事務所が多くいます。『Pococha』のリリース当時から長きにわたり取り組んでくれている事務所もいます。

そういった事務所に対して『Pococha』で継続して取り組んでもらえるように、たとえば「継続愛顧キャンペーン」のような取り組みの長い事務所に何かしらの還元をできるような施策を実施したりしています。他にも、さまざまな競合プラットフォームがある中で、事務所に『Pococha』を選んでもらうための施策を日々検討・トライアルを重ねています。

蛭田:それから、新規ライバーの獲得専門の事務所向けに、コネクションプラットフォームという取り組みも進めています。

佐藤:「育成は得意だけど、新規ライバーの発掘は苦手」という事務所がいる反面、「育成のリソースはないけれど、新規ライバーの発掘は得意」という事務所もいます。それらの事務所をつなぎ、相互補完しあえる仕組みをつくることで、日本中のライバーも事務所もより活躍できる土壌がつくれると考えています。

――それぞれの事務所の強みを活かせる環境を用意しているのですね。これが多様性のある面白い市場づくりにつながると同時に、ライバーファーストにもつながると。

佐藤:はい、そう考えています。

大小さまざまな事務所が個性を活かし『Pococha』での取り組みを継続してくれるよう、ロングテールなライバーマネジメントプラットフォームを構築したい、と思っています。

――2つ目は?

蛭田 龍之介

蛭田:「スタートアップのライバーマネジメントプロダクションの開発」です。簡単に言えば「スタートアップ企業の参入を促進し、いいライバーを数多く創出できる事務所を増やす」ことです。

『Pococha』自体が成長を志しているので、「フェアにライバーと向き合って事業展開を行う」「スケールできる」「イノベーションを起こせる」という3要件を満たすライバーマネジメント事務所を生み出すことも重要だと考えているのですが、そういったライバーマネジメント事務所を生み出していくための1つの鍵が「スタートアップ企業の参入」なのではないかと考えています。

まず、私たちが一番大切に思っているのは、「ライバー一人ひとりとフェアに向き合いながらライバーマネジメント事業と向き合う」ということです。あくまでその上でですが、そこにスケーラビリティがあることで、より多くのライバーの方々に価値提供ができるようになります。

また、ライブ配信自体がまだまだ新しい市場であるため、もっともっとライバーへの提供価値を高めていけると考えていて、そのためにはイノベーションを起こすプレイヤーの存在が不可欠です。この先に「収益の多くはトップライバーに支えられているが、トップに上り詰めたライバーが事務所に手数料を払う価値を感じられなくなり離脱してしまう」という事業構造上の大きな課題の克服もあるのではないかと考えています。

我々が「スタジオ」を名乗っているのは、ハリウッドの映画スタジオのイメージからなんですね。ハリウッドでは新しい才能、新しいコンテンツを生み出すために、スタジオを支援して、どんどん起ち上げさせて、年間数百本の作品を生み出している。

ハリウッドのスタジオと同じように、自分たちもフェアにライバーと向き合いながらこのドメインと向き合っていく、さまざまな個性を持ったライバーマネジメント事務所を支えていけるようになりたいと考えています。

佐藤:そのためには、しっかりと現場のことを理解する必要があるため、事務所と一緒にライバーインタビューなども行っています。そして、育成するためにはいつ何が必要なのか、仮説を立てながら育成に必要なプログラムをつくり、共有、提供しています。

――オープンプラットフォームならではの取り組みとして、『Pococha』が蓄積しているさまざまなデータを、事務所に活用いただけるように開放しているとも聞きました。

佐藤 直樹

佐藤:そうです。学習塾でたとえるなら、生徒の成績や強み・弱点が分からないまま授業をしても非効率ですよね。事務所は配信を見るだけではなく、きちんと数字データを見ることで、より具体的に指導ができるはずです。

蛭田:そのために一定の技術レベルを満たした事務所にはAPIを提供しているんです。

もちろんリスナーの方々の行動、多くの支持を集めたアクションをデータとして提供して、活用できるようになっています。

さらに、たとえばAPIを利用して、ライバーに対してリアルタイムでカンペが出せる機能を開発した事務所もあります。この機能によって、「常連のリスナーさんが入ってきたよ」とか、「あの人にはこんな話題を話しかけて」など、リアルタイムでアドバイスができるようになりました。その結果、伸び悩んでいたライバーが、短期間で『Pococha』内でファンが増えたり、ライバーの応援ランクが上がるなど、嬉しい結果につながっています。

――すごい効果ですね。

蛭田 龍之介

蛭田:我々が描いている理想は、市場をオープンにすることで、クオリティの高い事務所にライバーが集まり、事務所の健全な競争が起き、市場は活性化していく……。言うは易しで、現実は険しくて長い道のりですが(笑)。

――3つ目の戦略はどのようなものでしょうか?

佐藤:『バリューチェーンの拡張』にチャレンジをしています。ライバーにとって、やはりライブ配信による収入も重要です。基本的にはリスナーからの応援が収入につながる仕組みですが、個人からの応援だけでは、収入が不安定になる可能性もあります。

そこで、今取り組もうとしているのが企業タイアップなどの広告案件です。安定的な収入確保や、それこそ企業案件を受けることができる職業像として、今のYouTuberのように注目される可能性を秘めています。また、企業が参入することによりソーシャルライブ市場の規模拡大にもつながります。このように、周辺ドメインを開拓する取り組みが3つ目の『バリューチェーン拡張』の施策です。

――YouTuberなどのインフルエンサーがPRや広告だけではなく、自らD2Cブランドを立ち上げる動きも盛ん。ソーシャルライブを超えた大きな経済圏を形づくっていく、と。どの取り組みも有機的につながっていますね。

佐藤:そうですね。ただし、ソーシャルライブ市場が活性化しても、最終的に『Pococha』自身が事務所に選ばれる存在でなければなりません。

そのためには我々が事務所に真摯に向き合うこと、大切に思っているし、その思いをカタチにし続けることが大事だと思っています。

 

無限大の打ち手を駆使して、“ラストムーバー”を目指す

――この仕事の面白さはどのような部分でしょうか。

蛭田:新しい道を切り開いているからこそ、打ち手は無限大です。

ソーシャルライブは、市場も製品も新しく、ゼロベースでつくり上げている段階です。ありとあらゆる打ち手を実行することができるし、売上を大きく上げることもできる。これだけの成長市場でそれができるのは唯一無二だと思います。

佐藤:あと、我々はプラットフォーマーですが、単にコンテンツを流通させているのではありません。「Live Link Life」という私たちのコンセプトにもつながりますが、そこに存在しているのはライバーであり、リスナーであり、人が中心のビジネスで、個人の顔がリアルに見える世界です。さまざまな人間関係が交錯していて、表の顔も裏の顔も見えてしまう。そんな人間の本質に触れられるのも新鮮で面白いですね。

蛭田:我々の打ち手1つで市場の未来を左右する。大きな仕事であることの裏には、それだけの責任が伴います。『Pococha』には、『Pococha』を居場所だと思ってくれている方、『Pococha』で生計を立てている方々がたくさんいらっしゃって、我々の仕事一つひとつが影響を及ぼしうる、ということを感じています。

――大きなやりがいもあるし、重い責任もあるということですね。

蛭田:はい、それがこの仕事の最大の醍醐味だと思います。

佐藤:血の通った感性を持ちながら、冷静にビジネスジャッジをしていく。この両輪をLMPSチームは大切にしています。新規事業開発というゼロからの市場創造をしたい上に、このバランス感覚を楽しめるような方には、最高の仕事だと思います。

――最後にLMPSチームの今後の意気込みを教えてください。

佐藤・蛭田:『Pococha』で何万人ものライバーが生計を立てていて、『Pococha』を軸に数百企業がビジネスを展開しています。その方たちのためにも、このソーシャルライブ市場を『Pococha』が席巻していきたいですね。

Pococha(ポコチャ)の最新情報は公式Twitterアカウント(@pococha_jp)でお届けしています。ぜひご覧ください!

 

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

 

聞き手:箱田 高樹 執筆:日下部 沙織 編集:川越 ゆき 撮影:小堀 将生

 

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