『フルスイング』がリニューアル!よりフレンドリーな雰囲気で、DeNAの「人」と「働き方」の“今“を、今後もお届けしていきます。
今回は、復活編「#モノづくり対談 vol.12」として、この『フルスイング』のリニューアルプロジェクトで活躍したデザイン本部の2人が登場。
リードデザイナーの久我 ななみ(くが ななみ)とテクニカルディレクター兼プロジェクトディレクターのレ ハーが、それぞれの立場でプロジェクトを振り返りながら、DeNAのモノづくりにおける“Delight(デライト)”を、語り合いました。
目次 [隠す]
DeNAのブランディングを高め、『フルスイング』をフルリニューアル
久我 ななみ(以下、久我):『フルスイング』のリニューアルにリードデザイナーとして携わることができて、すごく嬉しかったです。良い経験ができましたし、デザイナーとして自社の企業ブランディングにも携われるのは、すごくやりがいがあると思っていたので。
レ ハー(以下、ハー):マーケティングデザイン部で、私の仕事はWebサイトの実装です。昨年のコーポレートサイトのリニューアルや、オウンドメディア『Story』の立ち上げに関わったことが、今回のアサインにつながったと思います。
久我:前職の制作会社でWebサイトリニューアルの経験があったのと、一度オウンドメディアのデザインをやってみたかったこともあり、上長から『フルスイング』のリニューアルをやってみないかと話をもらったときは、ぜひと即答でした。
ハー:私はDeNAに入社してから、さまざまなスキルや才能を持つ方々と一緒に働ける、恵まれた環境で仕事ができています。なので、こうした方たちの働き方や考え方を広く伝えるメディア、『フルスイング』のサイトリニューアルに携われて、私も嬉しかったです。
久我:今回のクライアントはHRの人材企画部。企業ブランディングの一環として、コーポレートサイトのデザインを踏襲する、という命題がありましたね。
ハー:旧フルスイングサイトの階層や仕様そのものをスリム化する、という目的もありました。
最初の依頼内容は、バックエンドのシステムインフラのリニューアルのみでしたが、私が“フロントエンドもリニューアルして、より魅力的なデザインをつくりたい”と思っていたところに、人材企画部から同じ依頼があり、完全にリニューアルする形でプロジェクトを開始しました。
久我:ハーさんがこの案件のテクニカルディレクター兼プロジェクトディレクターで、制作進行しつつ、ワイヤーフレームも書いてくれて。私の直属の上長がアートディレクションを担当していたので、デザインの部分でいろいろ相談できたのもよかったなと。
ハー:実装は、まるでDeNA自社のチームのように連携をとっている、ベトナムオフショアチームに依頼しました。
オフショアチームのメンバーは7人。翻訳・通訳を兼ねたコントローラーと、バックエンジニア、フロントエンジニアの3つのパートで構成されています。今回の実装メンバーは、各パートを1人ずつ担当してもらい、私は人材企画部からの要望を受けて、要件定義などを行ってから、ベトナム開発チームへ発注したり、デザイン側の久我さんと協力してWeb制作を進めたり。
久我:ハーさんとは、横浜DeNAベイスターズのイベント『BALLPARK FANTASIA 2022』のサイトも一緒につくりましたし、そのときに、すごく仕事が正確なことに感心していたんです。
今回もオフショアチームとの連携がスムーズになるように、ハーさんが細かいところまで気を配ってくれたおかげで、クオリティの高い制作物をキープできたように思っています。Webサイトは実装が大事なので、今日はエンジニアとの架け橋になってくれている、ハーさんの仕事の進め方を知りたいです。
ハー:私は、久我さんのモノづくりそのものがすごく印象に残っています。私がつくった無機質なワイヤーフレームから、久我さんがDeNAを象徴する開放的な素晴らしいデザインをつくってくれて、すごく感謝しています。
だから、久我さんに、デザインによるモノづくりを聞いてみたいですね。
自由に発散、可視化で収束。「デザイン コンセプト」の立て方
久我:『フルスイング』のリニューアル・プロジェクトは、週1回、プロジェクトメンバー全員でのミーティングで、かなり自由に意見交換ができましたよね。
前職は受託案件が主だったので、もっと事業側と密に話し合いながら、まだ決まっていないことに対しても、“デザインとして、何ができるか”を、考えたいと思っていました。DeNAではそれが叶って、今回はまさに「できる・できない。できないけれど、代わりにこういうことができる」など、質の高いコミュニケーションを取りながら、楽しくデザインを提案することができたと思います。
ハー:私が所属するデザインエンジニアリング部は、デザイン本部のエンジニアたちで構成されていますが、私は非エンジニアです。オフショアチームの稼働と工数管理は普段からの私の業務で、各セクションのつながりを円滑に進められるように心がけています。
ディレクターの役割として、デザイナー・企画・エンジニアの立場から、企画が何を要望していて、デザイナーは何をしたくて、エンジニアはそれを実現するために何が必要なのかを考えています。だから、“人(メンバー)を知ること”がすごく大事。
久我:私は、“デザインは目的を見失わないこと”が大事だと思っているんです。
「何でこうしたいか」という目的が絶対にあるので、そこを聞き出せたら、やりたいことに対しての手段を選んでいくのみ。デザイナーとしてアウトプットしないといけないので、言葉だけではなく、参考デザインを提示したり自分でデザインをつくったりして、ビジュアル化し、目的に沿った答えを目に見える形できちんと確認してもらいながら、進めていくことを意識しています。
ハー:私はディレクターの観点から、より魅力的なサイトにすることはもちろんですが、今回はより効果的に安定した運用を実現することを目指しました。
データベース管理ツールを、どうやって操作性よく、簡単に使えるようにするかが難しくてかなり悩みましたが、リニューアルしたサイトは非エンジニアでも、直感的に操作できる仕様に。フルスイングチームからも「使いやすくなった!」と言ってもらえて、安心しました。
“らしさ”の継承と新しさの探求
ハー:リニューアル前の『フルスイング』は、継続的に運営するにはたくさんの懸念点がありました。リニューアル後はセキュリティを強化し、安定した環境で、DeNAのミッションである「世の中にDelightを届ける」ことを、より多くの人にわかりやすく伝えられるオウンドメディアサイトを目指しました。デザインはどうですか?
久我:ブランディングの観点からも、企業イメージを統一していきたいという話もありました。DeNAコーポレートサイトとのデザインの連動感はもちろんですが、“『フルスイング』らしさ”は出したい。どういうスパイスを入れるのかがチャレンジというか、デザインのポイントだったかなと思います。
ハー:すごく『フルスイング』らしさが出ていると感じます。例えば、サムネイルの画像にある「ラベル」は、記事のアイキャッチにもなりますよね。
久我:「ラベル」には、DeNAの「ミッション・ビジョン・バリュー」のワードを英語で入れています。DeNAのみんなが、DeNAのミッション・ビジョン・バリューを軸として、社会に多くの「Delight」を届けるために働いていることをサイトで体現しました。
私自身が入社してすごくわかったのが、メンバーのみなさんに、それが浸透していること。その部分をサイトのデザインとしても伝えられればいいなと思ったので、背景にも「Delight」の文字を入れて、これを『フルスイング』のサイトデザインの特徴としました。
ハーさんも、何か特別な工夫はありますか?
ハー:DeNAのコーポレートサイト、メディアサイト、関連サイト、いろいろなWebサイトの制作に参画しましたが、『フルスイング』に初めて実装したエディタがあります。これまでのエディタはすごく簡単なテンプレートでできていましたが、利便性を高めるためのリッチなエディタを埋め込んでいます。
デザインで難しかったことはありますか?
久我:メディアサイトなので、記事をきちんと読んでもらうには、デザインをどれくらい入れるかが、すごく悩みました。デザインが過剰だと、写真や文章に目が行かないので。
デザインからもコンテンツの雰囲気が感じられつつ、記事を読みたくなる塩梅(あんばい)を、デザインをつくっては検証して……と、一つひとつ確認しながら丁寧に進めたことが『フルスイング』らしさにつながっていると思います。ハーさんが難しかったことは?
ハー:リリースの際に大きな問題はなかったのですが、全くないわけではなくて。いくつかのページで画像が非表示になるなどの不具合が発生しました。これは既存のデータベースの不統一、またはデータベースの変化が原因なので、慎重に修正対応しました。今のところは安定的に運用されていますね。
Delightに満ちている。DeNAメンバーとのモノづくり
久我:『フルスイング』のリニューアルは、すごく評判がよかったと聞きました!
HRでも、「すごく見やすくなったし、スマホでよく見るようになった」とか、「ポップな雰囲気で若返った」と、社内から感想をもらえているようです。今回私たちと一緒に仕事をして楽しかったと言ってくれたことも、すごく嬉しいですよね。
ハー:喜んでもらえて、ミッションを達成しましたね!
久我:ですね。私はデザイナーをしていて、一番のやりがいはたくさんの人に喜んでいただけて、いい反応がもらえること。一人で何かをつくるよりも、チームでつくることにやりがいを持っています。それに、今回のように“人とのつながりをデザインでつくり上げる”ことに、デザイナーとしてすごくデライトを感じます。
今回は「実は、本当はこうしたいんです」みたいな“本音”を聞けたことが、私にとっては一番のやりがいになったように思っていて。今後もデザイナーとして、「本当はこうしたいけれど、できていない」というところを、デザインの力で解決していきたいですね。
ハー:私にとってのデライトも、他者にデライトを届けられることです。そのために今の仕事をしています。今回、みんなが感じているDeNAのイメージが同じだから、うまくいったのかもしれませんね。リニューアル後の『フルスイング』は、前よりも明るくて動きがあるし、温度感が生まれています。
久我:確かに。そこはデザインをする上で、とても大事にしました。それこそ、DeNAで働く“人の温度感”を感じられて、どういう人が働いているのかを知りたくなる。そういう目に見えない部分を、デザインで表現できたらいいなと思っていたんです。
多くの議論とコミュニケーションから生まれるモノ
ハー:久我さんは、どんな人と働きたいと思いますか?
久我:私はアイデアとか、思い付いたことをたくさん議論できる人と働きたいです。一人でつくっていると視野が狭くなることがありますが、例えば事業部の方やハーさんとアイデアベースで話をすると、自分では思いつかないものが出てきて「こうしたらいいかも」という正解に近いものが見えてくる時がよくあります。
そういう議論をたくさんできて、柔軟にコミュ二ケーションを取りながら、楽しく働ける人がいいですね。ハーさんはどうですか?
ハー:DeNAはさまざまなバックグラウンドと経験を持った方が多くいます。だからこそ、さまざまなアイデアが生まれると思います。中でも新しいことに積極的に挑戦して、変化することを楽しめる方と一緒にモノづくりをしたいです。
久我:本当にいろいろなバックグラウンドを持っている方が、事業部にもデザイナーにもたくさんいますものね。デザイン本部にもデザインだけでなく、コピーライトができたり、絵が描けたりする人もいるし、事業部には私がまだ知らない人がたくさんいます。
そういった人たちと毎回顔を合わせて、企画の段階から参加して一緒にモノづくりをしていくことを、DeNAで経験できるのは貴重ですね。
ハー:私の今の役割はディレクターですが、上司から新しい業務、例えばデータ分析とか、デザイナーとか、エンジニアとかで、自分の力をできるだけ発揮させることを推奨されています。
DeNAでは希望したら、新しいことをプロジェクト経由で、いろいろと学ぶことができます。今回のフルスイング・リニューアルプロジェクトで学んだことを活かして、世の中により多くのデライトを届けられるように、広い視野を持って、ディレクターの仕事を続けていきたいです。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。
執筆:さとう ともこ 編集:若林 あや 撮影:内田 麻美