2018/02/16

メンバーには、あえて自分の恥をさらす。次世代のDeNAを担う事業リーダー・安江亮太のマネジメント論

近年多くの企業で、早期からの次世代リーダー育成が実施されています。DeNAでも、次世代幹部育成制度である「ネクストボード(※1)」を導入し、人材の発掘・育成を積極的に行っています。

 

そのネクストボードの選抜メンバーのひとりが、IPプラットフォーム事業部(※2) 事業部長 / マンガボックス編集部 編集長を務める安江亮太(やすえ りょうた)。

 

彼は2017年1月11日(木)に渋谷マークシティウエストで開催された「経営幹部育成には何が必要なのか?〜DeNA×サイバーエージェントの事例で考える〜」にも登壇し、サイバーエージェントで取締役人事統括を務める曽山哲人氏と経営幹部育成に取り組んだ事例などについて語り合いました。

 

今回は安江に、「早期にリーダー・マネージャーになるために必要なこと」「リーダー・マネージャーになってから意識すべきこと」という2つの軸でインタビューを実施。彼が考える、責任あるポジションで“フルスイング”するための秘訣について聞きました。

 

※1…DeNAの次世代を担う経営陣の発掘・育成を目的に2017年に発足した組織。11名で構成され、選出されたメンバーは複数のチームに分かれて経営課題の解決にあたる。任期は1年を想定しており、通常業務と平行してプロジェクトが進行する。
※2…エブリスタ、マンガボックス、My Anime Listといった3サービスからなる事業部。次世代のIPを自分たちの手で作るチャレンジをしている。

 

早期にリーダー・マネージャーになるために必要なこと

①常に向上心を持ち、仕事から逃げない

——先日開催されたイベントで、安江さんは「岐阜の山間部で育ったことがコンプレックスだった」と話されていましたね。

 

安江:そうですね。僕は中学まで岐阜の山間部で育ったんですが、「もっと外に出て違う世界を見てみたい」とずっと考えていました。それで自分の家から1時間くらい離れた高校に入学したんですが、「きっとこの場所なら色んな世界があるだろう」と思ったら満足できるレベルのものはなかったんです。

 

だから、「もっと都会に(東京に)行けば何か見つかるかもしれない」と考えて、必死に勉強して東京大学に入ったんですが、そこでも自分が求めていたものは見つからなかった。「それなら海外に行こう」と考えて、いち早く世界の舞台で働ける会社を探してDeNAに入社しました。ずっと、「もっと広い世界を見てみたい」と思い続けていたんです。

 

DeNA IPプラットフォーム事業部事業部長 / マンガボックス編集部 編集長 安江 亮太
2011年DeNAに新卒入社。入社1年目の冬に韓国でのマーケティング組織の立ち上げを手がける。2年目に米国でのマーケティング業務。その後全社戦略の立案などの仕事を経て、現在はおもにマンガボックス、エブリスタ、My Anime Listといった三事業を管掌する。次世代経営層ネクストボードの1人。

 

——向上心と行動力がすごいですね。

 

安江: 入社するときには、社長(当時)の南場さんに「早く海外で活躍したい」という気持ちを伝えたんです。そしたら、「海外に行きたいなら仕事で結果を残せばいい」と言われて。だから最初はとにかく結果を出すために必死でした。

 

――安江さんは入社1年目から経営幹部に近いところでお仕事をしていたそうですが、早い段階から「経営に近いポジションで活躍したい」という思いは持っていましたか?

 

安江:いえ、正直に言うとそんなに思っていませんでした(笑)。経営に興味があったわけではなく、あくまで海外で働くための手段だったんです。けれど、それを実現するには実績を残す必要があります。

 

だから、「どんな仕事や環境でも成果を出す」という意識は最初の頃からありました。その結果、特に仕事を選ばなかったので、そういったストレッチアサインがされたのだと思います。

 

――「どんな仕事でも」ということは、ときには苦しい仕事や、他の人がやりたがらないような仕事も?

 

安江:ありました。詳しくは言えないですが、かなりきつい仕事もやりましたよ。でも、どんな仕事も逃げなかったですね。

 

②積極的に情報を取りにいく

——安江さんは次世代幹部育成制度である「ネクストボード」のメンバーにも選出されましたが、選出前と後とで意識の変化はありましたか?

 

安江:はい。全社経営課題について真剣に考えるようになりました。昔は、「自分はIPプラットフォーム事業部の責任者だから、その中で実績を残していけば良い」と思っていたんですけど、それではいけないというか。

 

もっと全社経営課題を見つめ、自分なりに分析したうえで、「会社をプラスの方向に動かすには、IPプラットフォームの運営をどう変えなければいけないのか」というふうに明確に意識が変わりました。

 

――目線が上がったわけですね。その理由って、なぜだと思いますか?

 

安江:「情報量」が増えたことが大きいです。ネクストボードに入ってからは経営会議に参加する機会もあったので、より情報量が増えました。

 

だから、目線を挙げるには結局、積極的に情報を取りに行くことが大事なんだと思っています。それも、経営に近いポジションにいる人たちの持つ情報を。

 

実は先日登壇したイベントの主催コミュニティであるHLC(Human Resource Learning Community)」のメンバーになっているのも、その「情報を取りに行くための行動」の一環です。

 

今の僕は、まだまだ成長過程。社内にも社外にも積極的に情報を取りに行って、より視座を上げることが必要だと思っています。

 

▲「経営幹部育成には何が必要なのか?〜DeNA×サイバーエージェントの事例で考える〜」登壇時の様子(撮影:本山隼人)。

 

③自分の意見を外部に発信する

——ネクストボードに選出されたメンバーの共通点として、DeNAが掲げている「DeNA Quality(※)が高い」とイベントでお話しされていました。リーダー・マネージャーの資質があるメンバーは、仕事のどんな部分にDeNA Qualityが表れると思いますか?

 

DeNA Qualityとは

 

安江:基本的には、仕事の全てに表れます。目の前の仕事から逃げないとか、クオリティにこだわるとか。あと「発言責任」に関係する話として、事業を良くするためならば、相手が誰であっても正直に自分の意見を言えることも重要だな、と考えています。

 

例えば、僕があるソリューションを導入して現場を良くしようとしたときに、直下配属のマネージャーから「安江さんは事業を成功させるために本当にそれが最適だと思いますか?」と言われたことがありました。

 

——相手が誰であろうと真実を伝えるというか。

 

安江:そうですね。もちろん、なんでもかんでも好き放題言う文化がいいとは限りません。目線が低いまま自分の意見を言うだけでは、単なるわがままになってしまいます。だから、先ほども話したように、日常的に自分自身の視座を高める努力をすることも重要です。

 

だから僕は新卒・中途に関わらず、自分の意見をしっかり発信したうえで、ひたむきに仕事をして結果を出しているメンバーはどんどん引き上げたいです。先日のイベントで曽山さんも「リーダー選抜で大事にするのは”言うことは壮大、やることは愚直”な社員である」って言っていましたけど、本当にその通りだと思います。

 

リーダー・マネージャーになってから意識すべきこと

①メンバーを信じ、現場の判断に委ねる

——イベントの中で、「自分のマネジメントスタイルは共創型」というお話をされていましたが、これはどういう意味合いでしょうか?

 

安江:「決めるのはほぼ現場」というのが僕のマネジメント方針です。僕の役割は基本的に、承認して責任を取ること。だから、自発的に舵取りをして、自分から大きな方向性を示すことは多くはありません。現場の集合知を判断基準にしています。

 

——なぜ集合知を大事にする方法を選んでいるのでしょうか?

 

安江:高度経済成長期の日本だったら、時代の方向が見えていたからトップダウンのマネジメントでよかったと思うんです。人口が増えて国力が上がることがわかりきっていたので、ターゲットにすべきマーケットも明確でしたから。

 

でも今は未来のことはわからない。日本も、世界も、マーケットがどうなるか読めない中で、トップの意見だけで事業を進めていくといつか見誤ることも増えてきていると思います。だからヒエラルキー型のトップマネジメントではなく、共創型のマネジメントが大切。時代の流れは現場が一番よくわかっているからこそ、僕は現場の判断を大切にしています。

 

 

②1on1でメンバーとの信頼関係を築く。その際には、まず自分の恥を晒すことから

——メンバーのWillを上手に引き出すコツってありますか?

 

安江:仕事に限らず人間関係全般においてそうですが、まずは相手との信頼関係を築くことが大事だと思います。

 

——そのために、マネージャーとしてどんなことをしていますか?

 

安江:信頼関係ができるまでは、メンバーとなるべく毎週1on1をしています。「この人には何でも相談して大丈夫だ」となるくらいまで。その際のポイントは、まず自分の抱えるコンプレックスや恥を晒すこと。そのうえで、メンバーの抱えるコンプレックスや生きる原動力を掘り当てるまで、丁寧にヒアリングしていくことです。

 

——自分のネガティブな部分を晒すことも大事なんですね。

 

安江:大事だと思います。人間って、格好いい部分だけじゃないですから。自分からコンプレックスや恥を晒すことで、相手も心を開いてくれると思います。

 

メンバーが成長してくれる瞬間が、何より嬉しい

——最後に聞きたいのですが、安江さんがマネジメントをしていて最近嬉しかったことって何ですか?

 

安江:ずっと一緒に仕事してきた、直下配属のマネージャーがすごく成長してくれたことですね。彼は新卒1年目でMVPを取って、今はマンガボックスのサービスを全部管理している、めちゃくちゃ仕事のできるやつです。

 

実は、さっき話した「安江さん、本当にそれでいいんですか?」って言ってきたのは彼で。「自分もどんどん成長しないと追い抜かれるな」ってヒリヒリします。でも、そんな彼が成長する瞬間に立ち会えるのがすごく楽しいんですよね。

 

——その人は入社当時から突き上げてくるタイプだったんですか?

 

安江:全然そんなタイプじゃありませんでした。「世界変えてやりますよ」とか、大きなことを言うわりに行動が伴っていなかった。だから、「まずは目の前のことをやれよ」って言ってビシバシ鍛えたんです。その結果、意識や行動が変わっていきました。

 

僕、事業の成功はもちろん嬉しいんですけど、人が成長することの方がずっと嬉しかったりします。人が好きなんですよ、とにかく。だから、マネジメント業務に一生懸命になれるのかもしれないですね。

 

 

まとめ

早期にリーダー・マネージャーになるために必要なこと

①常に向上心を持ち、仕事から逃げない

②積極的に情報を取りにいく

③自分の意見を外部に発信する

 

リーダー・マネージャーになってから意識すべきこと

①メンバーを信じ、現場の判断に委ねる

②1on1でメンバーとの信頼関係を築く。その際には、まず自分の恥を晒すことから

 

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執筆:田尻亨太・中薗昴 編集:下島夏蓮 撮影:岩切卓士