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未経験者からDeNAのインフラチームへ挑戦するとどうなる!? 入社者3名に直撃インタビュー!

2022.12.27

DeNAのインフラチームでは、新卒・中途採用問わず未経験者が入社し、活躍しています。

「未経験から入社して、大変なことは何?」
「どんな業務を任せてもらえるの?」
「未経験からDeNAのインフラエンジニアって大変じゃないの?」

といった疑問を解決するために、経験がない中で入社し、DeNAのインフラ組織に加入した3名を招集!

・DeNAに入社前はどういう経験があったのか
・入社者目線でのオンボーディングの実態
・現在の業務内容や技術的な取り組み

などを、未経験から入社し、IT基盤部に加入したエンジニア(新卒1名・中途2名)に聞いてみました。

未経験からインフラエンジニアへ

▲IT本部IT基盤部第二グループ 増田 英孝(ますだ ひでたか)
2021年に新卒としてDeNAに入社。Mobageや社内向けSaaSのインフラ運用を担当。

ーーまず、今回お集まりいただいた皆さんについて教えてください。

増田 英孝(以下、増田):DeNAのIT本部IT基盤部の第二グループに所属しています。2021年に新卒入社し、社会人2年目です。私は現在、Mobageや社内向けSaaSのインフラ運用を見ています。

林 優香(以下、林):IT本部IT基盤部ネットワークグループに所属している林です。私は2021年の8月に中途入社しました。DeNAに来て1年ちょっとで、社会人としては3年目です。現在はDeNAのネットワーク構築運用やチーム内で利用するツールの開発などを担当しています。

伊沢 公盛(以下、伊沢):伊沢です。DeNAのIT本部 IT基盤部第四グループに所属し、大規模ゲームタイトルのインフラの運用を担当しています。

ーー林さんと伊沢さんは中途採用ですね。前職はどんなお仕事をされていたのでしょうか?

林:大学生の頃は、研究室内のサーバを触ったりOSを入れたりくらいはしていましたが、そんなに凝ったことはしたことがありませんでした。

前職ではインフラ部内のツール開発チームで、主にフロントエンドの開発を行ってました。社内で使う管理ツールがいろいろあったので、それらの運用開発をしていて、具体的には、Vue.js、Nuxt.js、PHPなどを使っていました。

▲IT本部IT基盤部ネットワークグループ 林 優香(はやし ゆか)
2021年8月入社。前職ではWebフロント開発を経験し、現在はDeNAのネットワークの構築・運用、チーム内で利用するツールの開発などを担当。

ーーフロントからインフラへの転職だったんですね?

林:はい。この話をすると「フロントからよく転職したね」と言っていただくことがあるのですが、私としては元々インフラ志望だったので、「やったこともないフロントを(新卒時に)よく書いていたな」と思っています。ただ、DeNAに入社するまではインフラやネットワークの実務経験はなく、未経験からの転職になっています。

ーー伊沢さんはいかがでしょうか?

伊沢:Slerに新卒入社し、Webアプリケーションのバックエンドの開発をしていました。言語で言うとJavaとかMySQLを使ったり。あとはPythonを使って、ビッグデータの基盤の分散処理やバックエンドのアプリケーション周りの開発をやっていました。

▲IT本部IT基盤部第四グループ 伊沢 公盛(いざわ こうせい)
2022年5月入社。前職では主にバックエンドの開発を経験し、現在は大規模ゲームサービスのインフラ運用を担当。

伊沢:その時に携わったプロジェクトで、一部インフラ構築の業務を担当する機会があり、そこでAWSに初めて実際に触って、「すごいおもしろいな」って感じたんです。そこで、転職する際はSRE的な業務でスキルを伸ばしていきたいなと思っていました。そういう経緯もあり、IT基盤部にジョインしました。

ーー増田さんはどうしてIT基盤部を志望されたんでしょうか?

増田:僕は情報系の学部大学院でネットワーク系の研究室にいたんですが、そこで研究室のサーバー管理をしていました。

ーーもともとサーバー管理に興味があったんですね?

増田:はい。汎用的な知識と技術をもっと得たいと思い、IT基盤部を志望しました。

考え抜かれた研修課題で、自然と業務に馴染んでいく

ーー未経験からの挑戦ということですが、入社後どのように業務に馴染んでいったのでしょうか?

増田:私は新卒でしたので、まずビジネス職を含めて新卒全体で研修をして、その後エンジニアだけの研修がありました。そしてさらにIT基盤部に配属後、部署での研修がありました。

部署に配属されてすぐ、研修課題を与えられます。僕の部署はMobageを運用する部署なので、「MobageのWebサーバーの仕組みを調査する」という課題が出されました。それを一カ月ぐらいした後に、開発環境の運用改善をしばらくし、本番環境に入る権限を獲得しました。

本番に入る権限を獲得したら、本番での基本的な作業に慣れるために、サーバの構築作業であったり、監視の整理をしました。

で、その後アラート当番に入りました。日中はなるべく一人で、夜間はシニアメンバーと二人一組で対応しました。ほとんどのアラートを一人で対応できるようになったのは、部署に配属されてから1年ぐらい後でした。アラート対応はインフラエンジニアの主要業務の一つですので、「独り立ちできたな」と思えたのはこの頃ですね。

ーー林さんは中途入社ですが、研修の時間は十分に取ってもらえたのでしょうか?

林:はい、勉強の時間をしっかり取っていただけました。最初にやったのは、DeNAのオフィスから内部/外部にどのように通信しているのかを調査する課題でした。

内部通信の場合は、無線からオフィスのコアスイッチを通って、データセンタを経由して、クラウド上のサーバに到達するという経路になるのですが、その間にどのような機器を経由するのかとか、どういった処理が行われているのかとか、そもそも無線にどうやって繋がるのかといった細かい部分まで調査し、まとめた内容をチーム内で発表してコメントをもらって、という内容でした。

最初のこの研修で全体の概要を掴むことができ、その後のタスクに入りやすくなったと思います。

ーー伊沢さんはいかがでしたか?

伊沢:まず前提として、DeNAは世界中で使われているサービスだったりとか大規模なサービスを複数運営していて、さまざまなミドルウェアだったり、各種クラウドベンダーのサービスだったり、自社で開発してるツールだったりとか、さまざまなものを使いこなす必要があります。そして、それぞれに対してかなり深く理解して使いこなす必要があります。

自分自身、前職でちょっとインフラ触ったことあるくらいのレベル感で入社したしたというのもあって、最初はちょっと不安を持ちつつの入社でした。

ーーなるほど。では、どんなオンボーディングで不安が解消されたのでしょうか?

伊沢:まず一つ目ですが、自分が所属してるグループではミドルウェアの知識習得用の宿題が出されます。MySQLやRedisだったり、いろんなアーキテクチャで採用されているメジャーなものから、「DeNAに入って初めて見た!」みたいな、他社ではあまり見ないマイナーなものまで、いろんな設問が用意されています。

ーー具体的にはどんな内容でしたか?

伊沢:Redisに関する設問でこういう設問がありました。

Redisは自分が前職でバックエンドエンジニアをやっていた時に触ったことはあったんですけど、「Amazonのマネージドのサービスをなんとなく使っていた」というレベルでした。つまり、「やったことはあるけど、まあ使いこなせてるとは言えない」というレベルだったので、こういうふうにしっかりと一つ一つの知識に向き合えるその環境があることで、「スキルアップしていけるな」と感じました。

そしてもう一つやっていたことが通信経路の調査です。

DeNAが運用しているシステムは、それぞれが大量のサーバーから一つのシステムとして成り立ってますが、それぞれのコンポーネントの通信経路、クライアントから通信が入って、何か動いて何が動いているかということを調査しました。

すごく簡略化したんですけど、一つ一つの通信経路に対して、そのミドルウェアの設定ファイルを見てみたり、アプリケーションの設定ファイルを見てみたりして、「そのサーバーからどういうふうに通信してるのかな」とか、「どのように名前解決しているのかな」と、このような図をつくりながら調査していきました。

ーーこの取り組みでどんなことを学べたんでしょうか?

伊沢:一通り通信経路を洗ったことで、障害が発生したときに、原因箇所の切り分けで、「どこまで通信が通っていて、ここからここがボトルネックになっているな」という瞬時の判断だったりとか。あとは改修、「ここを直したい」となった時に、「ここの設定ファイルはどこにある」とか、「このミドルウェアに関する設定はここを直せばいい」とか、一つ一つに関する知識が深まったので、改修の際にどこを修正すべきかの判断もすごくスムーズに行えるようになりました。そこもスキル的には成長できたなと思います。

入社後は必ずメンターが付き、疑問はその都度フォロー

ーーDeNAはメンターシステムが充実しているそうですが。

増田:そうですね。入社した人に必ず一人メンターがつきます。僕の場合は週2回の面談だったんですけども、人によっては毎日1on1をする人もいます。そこは人によって違うみたいです。

林:私は毎日1on1の時間を取っていただいていました。

伊沢:私も毎日30分程度の1on1をやっていました。

ーーメンターは必要でしたか?

増田:最初は本当にわからないことだらけだったので、やっぱりメンターがいたのはとても助かりました。同じ部署とはいえ、誰彼構わずリモートで質問するというのはハードルが高く、「メンターにだったらなんでも聞ける」みたいなシステムがあると、質問するハードルがぐんと下がって、そこはすごいサポートになったなって感じています。

伊沢:私の場合も同じですね。最初はシステムのことも技術的なこともわからないことだらけで、そういうところの疑問点を聞いたりとか、あとは仕事の進め方も戸惑うことが多かったので、「DeNAならどうやって進めていくのかな」ってところも、相談しながら進められたのは本当に助かりました。

林:研修期間は日報を書くことになっていまして、その日報を通じて、疑問点をチーム内だけではなく、部内のいろんな方から教えていただいていました。「画面のキャプチャに何のツールを使っているか」とか、「ちょっとしたドキュメントの場所」とか、小さなことまで教えてもらえてありがたかったです。

増田:日報は、部署外の人からもコメントがもらえましたね。「ここがわからない」と書くと、「ここをもうちょっと調べてみたら」など、いろいろコメントがもらえます。

林:あとはオンラインのランチ会があります。普段業務で関わりのない方ともお話しできて、気軽に参加できるので、意外といい機会だったなぁと思います。

増田:そして、勉強会ですね。論理的思考勉強会は、IT基盤部的な思考法に慣れるという意味で非常に助けになりました。そこでは、論理的であるためには何に注意すれば良いのかを学びます。

なぜこれがすごく大事なのかと言いますと、IT基盤部はすごく「なぜ」っていうのを大事にするんですね。その「なぜ」って質問に答えられるようにするには論理的思考力が必要で、だからこういう考え方を身につけるとコミュニケーションがかなりスムーズになります。

林:最初のタスクは研修を兼ねて、移転直後のデータセンターのドキュメントの作成に取り組みました。すでに稼働していたので、実際の設定やルーティングテーブルなどを確認しながら、冗長構成やFailoverの条件などを調べて、構成図・通信経路図も作成しました。

この時も、適宜メンターに質問できる環境だったのでうまくできたかなと思います。このように、研修後もフォローしていただきながら独り立ちしました。

コミュニケーション不足は雑談タイムでクリア

ーーIT基盤部で仕事を始めてみて、大変だったことを教えていただけますか?

増田:対面でのコミュニケーションが不足していたところですね。やはりリモートワークですと最初は同じ部署の人でも顔も分からないし、顔がちょっとわかったとしても人となりがわからなくて、文章だけでのコミュニケーションに結構ドキドキしていました。ですが、部署のミーティングの後に雑談タイムを30分から1時間ぐらい取ってもらって、そこで気軽に話すことで同僚の人となりが分かり、安心感を持った覚えがあります。

伊沢:私がIT基盤部に入って大変だったことは、「仕事の進め方が前職と結構違うな」って感じたところです。

ーーどんなところでしょうか?

伊沢:DeNAのIT基盤部では、まず品質が第一。「とりあえず動くものをつくる」ではなくて、「なんでそうなったのか」というところを、しっかりと自分たちで使いこなしながらやることを一番大事にしてます。

前職では「常に納期との戦い」があって、まず納期に間に合わせることが命で、「まあとりあえず」みたいなところで間に合わせつつ、「不十分なところは次の開発でやろう」という感じ。自転車操業と言うか、あんまりその一つ一つ、深みに行く余裕がない状態の働き方で、そういうことに慣れていました。

ですので、入社直後は自分も無意識的に、「自分のタスクの進みが遅いな」ということを結構気にしていて、勝手に焦って「早くやろう早く早くやろう」となっていました。

ーーそこはどう改善されましたか?

伊沢:メンターに、「今は一つ一つ深く触って、ちゃんと理解して、自分の力をつけていくことが重要」とアドバイスをいただき、徐々に慣れていきました。今ではその「一つ一つを深くまで調べながら進めていく」というスタイルが、結果的に見たらすごくスキルが伸ばしやすいというところを実感しています。

スピードより品質を優先。技術が深掘りできる部署

ーーそこは逆にIT基盤部のいいところでもありますね。

増田:確かに技術を深掘りできるのは、IT基盤部のいいところですね。

「スピードより品質を優先する」、「動くものではなく動き続けるのが大事」というIT基盤部のポリシーは、技術が好きな人にはとても向いているんじゃないかなと思います。

あと、若いうちから挑戦できるところがいいかなと感じています。「その人がギリギリできるぐらいのレベルのタスクを割り当てる」というのが、IT基盤部に限らず全社的にこの傾向がある気がするんですけど、そういうところも僕は結構好きです。

また、大規模なWebシステムを運用するためのノウハウがわかるっていうところもいいですね。安価なスポットインスタンスを利用するために独自のオートスケーリングの仕組みがあったりとか、また多数のサーバーがあると、それをどう管理するかみたいなところがポイントになってくると思うんですけど、「DeNAではこういう感じの管理をしてるんだ」っていうのがわかるのもおもしろいかなと思います。

ーー伊沢さんはどうですか?

伊沢:IT基盤部のいいところはまず、「インフラの低レイヤーの知識からしっかりと学べる環境がある」というところです。

自分の場合、前職では先ほどお話しした通り、「クラウドベンダーが用意したマネージドサービス中心でなんとなくつくって、動いた」みたいな感じで、一つ一つの技術を深く理解して使いこなすというレベルまでやったことがなく、そもそもそういう世界があるのも知リませんでした。

今では、そういったインフラの低レイヤーの、どういう仕組みで動いているのかとか、一つ一つをどう使いこなすのか、というところまで理解できるようになりました。着実にスキルアップできる環境があるところが、とても良かったなと思ってます。

あともう一つ、コードを書く機会が多くあるというのも自分にとってはいいところですね。もともとバックエンドの開発をやってたのもあり、コードを書くこと自体がすごく好きでした。DeNAのインフラエンジニアは、自分たちのインフラ運用をより良くしていくためや運用を楽にしていくため、自動化だったり効率化のためにさまざまなツールを自分たちで開発します。そういったところでコードを書く機会が多くあるのが、とても自分にとってはよかったなと思いました。

林:私も最近、ACLのチェックをするツールをPythonで開発したりもしてます。

ーー林さんは最近どんな業務を?

林:子会社のオフィスが移転になったので、オフィスのネットワークの構築を担当しました。

先輩のサポートありきですが、私がメインで担当しましたので、一通りの流れをすべて実施できて面白かったです。

ーー具体的にどんな業務だったんでしょうか?

林:オフィスの無線/有線ネットワークの配線の手配、機器の購入から設定まで全て行います。

ーーこの辺り、一通り経験できるのもIT基盤部のいいところですね。

林:はい、今お話ししたオフィス構築ですが、この業務は意外といつもあるので、これから入社しても多分経験できると思います。他にも、AWSやGCPのネットワークの設定対応も行っているので、クラウドについても関わることができます。

DeNAのネットワークグループは、数人で全社のほとんどネットワークを管理しているので、異動しなくてもいろいろな業務を経験できるのもいいところかなと思います。

ーー増田さんはIT基盤部に入って、どんなところが成長したと感じますか?

増田:やはり、Web/DB/Cacheなどの一般的なミドルウェアに関する知識が増えたと思います。またLinuxに関する知識は、手前味噌ですけどブログにも書いたのでよかったら読んでみてください。

https://engineering.dena.com/blog/2022/07/investigation-of-increased-memory-usage/

あと、論理的思考力も成長しました。それは、未知の障害の対応やアラート対応で、問題の切り分け調査方針の決定に生きている気がしています。

伊沢:私の場合、インフラ関連のさまざまな知識はもちろんですが、「動き続けるシステム」をつくるための保守性や運用しやすさを考えながら構築や改修をする力が身についてきていると感じています。

林:ネットワークやクラウドインフラの知識や経験が増えたと思います。また、社外の方やベンダーのサポートの方ともやり取りする機会があるので、機器の購入や保守、実際の価格などについても理解が深まり、より現実的な実現方法を考えることができるようになると感じています。

ーー最後になりますが、IT基盤部に向いている人ってどんな人だと思いますか?

増田:技術を深堀りたい人や論理的思考が得意な人が向いていると思います。

伊沢:事象の原因を納得いくまで追求するのが好きな人、あとはコード書くのが好きな人だと思います。

林:インフラのどんなことにも興味がある方に向いていると思います。

最後にDeNA的な話を言うと、たまに野球観戦に行けたりもします。私も1回行ったことがあって、DeNAっぽいこともできます(笑)。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

編集:フルスイング編集部 撮影:小堀 将生

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