多種多様なパーソナリティがひしめくDeNAエンジニア陣に、今年4月、ひときわ光る個性の持ち主が加わりました。
iOSアプリエンジニアの川口 真央(かわぐち まお)がその人。自作のキャラクタースタンプを社内に広めるなど、入社半年にしてすでに際立つ存在となり、ハンドルネームである「uhooi(ウホーイ)さん」と呼ばれ、親しまれています。
今回はそのuhooiにインタビューを敢行。人物像、個人活動などを探りつつ、入社の経緯や担当業務、半年を経過した現在の想いなどを聞きました。
「@uhooi」で広がる輪
――「uhooi(ウホーイ)」という響きにとても陽気なニュアンスを感じます。このハンドルネームの由来は?
TVゲームで自分が使用するキャラクターに名前をつけられるのがあるじゃないですか。小学生の時、それをuhooiにしていたんです。20年以上も前のことなのでなぜこの名前にしたのかは覚えていませんが、以来ハンドルネームとしてずっと使っていまして。DeNAに入社して「uhooiさん」と呼ばれるようになるとは、思ってもみませんでした(笑)。
――uhooiさん作のモンスター達はDeNA社内でも大人気と聞きました。スタンプ化してSlackに実装したとか。
40種類近くあって、全てSlack絵文字スタンプとして追加しました。社内でいろんな人に使っていただけているようでうれしいです。小学生のときにいろんな自作モンスターを自由帳に落書きしていて、その自由帳をいまだに持っていまして。趣味も兼ねてアウトプットしてみたんです。
ぬいぐるみは非売品ですが、実はモンスター達をプリントしたTシャツや缶バッジ、LINEスタンプなどもつくって細々と販売もしています。「ウホーイ図鑑」というこれらのモンスターを図鑑にしたiOSアプリもリリースしています。
――すごい。本格的ですね。
趣味ではありますが、図鑑アプリは実務レベルで開発しました。
誰かの参考なればいいな、気になるところがあれば指摘してもらいたいなという想いがあって、ソースは全てGitHubというソースコード共有サービス上で公開しているんです。
――このような活動を積極的にされている、原動力はなんでしょう?
あえて、というわけではないのですが“人のためになりたい”という気持ちがあります。あと、コミュニケーションツールとして自作キャラクターを提供することで、エンジニア以外のDeNAメンバーにも自分を知ってもらえるといいな、という考えもあります。
というのも、DeNAはエンジニアだけで業務が進行することはほとんどありません。ビジネス職やデザイナーなど、多職種のメンバーと協働してプロジェクトをつくり上げるスタイルです。また、通常業務外のちょっとした関係性から突発的に生まれるプロジェクトもあります。
――活動を通じてつながりの輪が広がると、コミュニケーションが取りやすくなって業務にもいい影響がありそうです。
そう思います。最近では社内のエンジニア界隈でポケモンカードを使って遊ぶ人が増えているのですが、これにもハマっていて(笑)。月1〜2度の出社時や退勤後にみんなでプレイしているのですが、そこで知り合った同士で仕事ができたらいいなとも思います。
ほかには、私は社内部活動にも参加していて、たとえば最近ではスマートクッキング部に所属し、オンオフ問わず参加しています。いろんな職種のメンバーと話すことができて、とても楽しいですね。
入社のきっかけはTwitter経由のリファラル採用
――uhooiさんはリファラル採用での入社なのだとか。
まず転職を決意したときに、いくつかの企業をリストアップして何社か並行して受けていました。その最中、Twitter経由で知り合ったDeNA所属のとあるエンジニアさんにお声がけいただけたのです。すぐにタイミングよくカジュアル面談となり、現在私の上長である技術統括部統括部長のnekokakさん(※)とお話しすることになりました。
お話ししていて自分のことを必要としてくれているなとビシビシ感じましたし、すぐに採用の連絡をいただけて、今に至ります。
※……小林 篤(nekokak)に関するフルスイングの主な過去記事はこちら(1/2)
――個人的なコミュニケーション活動が入社のきっかけになった、ということでしょうか。
Twitter上でのやり取りはもちろん、プログラミング言語に関する勉強会に参加したり、自分でも勉強会を主催したりなどの活動をしていたこともあり、そういったネットワークが功を奏したという感じですね。
――入社前、DeNAに対してどんなイメージをお持ちでしたか?
技術力の高いエンジニアがたくさんいる、しっかりしたメガベンチャーというイメージでした。DeNA主催の勉強会に参加したこともあり、現場の方を知っていたこともあって、当初のイメージは入社後も全く崩れていません。
転職を決意したのは、SwiftというiOSアプリの開発言語を追求したいという想いが強くなったことが発端でした。前職では社内にそういったプロジェクトがあまりなく、Swift案件が多いところで働きたいな、と。それがDeNAにあることも知っていました。
nekokakさんとの面談で、アプリ開発の業務ラインを具体的に提示していただき、「これなら自分の希望が叶うかも……」と、とてもわくわくしたのを覚えています。
――DeNAに入社してよかったと感じるポイントは?
特に未経験のことでも、いろいろと任せてもらえるところでしょうか。入社後すぐに学生向けのサマーインターンや中途採用の面接官をやることになったときは「社歴の浅い自分が……?」と驚いてしまいました(笑)。
通常業務においても裁量をもつ範囲が広く、めちゃめちゃ自由にやらせてもらえます。人によって慣れないうちは不安を感じることもあるかもしれませんが、そういう場合は徹底的に壁打ちをしてくれます。サポート体制が厚いですね。あと、Slackや社内勉強会などで活発に議論がされているのがとても刺激になっています。こういう環境を社内で築けているのはすばらしいと思います。
優秀なエンジニアがたくさんいて、その中で切磋琢磨して自分も揉まれているのを実感できています。
DeNAはやりたいことができる環境
――uhooiさんはDeNAに入社して約半年が経過しました。現在どのような業務を担当されていますか。
今は技術開発室に所属しながらプロダクト開発部と兼務していて、社内全体のさまざまなプロジェクトを横断的にかかわっています。配属されてからは既存のサービスである『kencom』や『Pococha』の開発支援を行っていました。
iOSの新規アプリ開発プロジェクトが夏から動き始めたこともあり、そこにも携わっています。
――抱えているプロジェクトが多そうですね。
案件が増えるとともに会議の回数も増えるので、手を動かす業務とのバランスが難しく感じることもありますが、やりたいと思っていたことはほぼできていますし、充実しているなと。忙しくはあるのですが、定時で上がれることがほとんどです。
――何人くらいの組織なのでしょう?
技術統括部技術開発室に関してはnekokakさんを中心に各分野のスペシャリストが10人ほど集まっている組織で、横断的にいろいろなプロジェクトの支援をする部隊ですね。
プロダクト開発部は30人くらいです。自分が入社した当初は10人程度でしたが、現在月3〜4人くらいのペースで増えていて、半年で随分と大きくなりました。私のように中途で入社した人もいれば、他部署から異動してきた人もいます。DeNAは他社と比較してもiOSアプリエンジニアが多い方ではありますが、それでも慢性的に足りていないのが現状です。
目の前のことに向き合い、Swiftを極める
――日本はiPhoneユーザーが多いのでiOSアプリエンジニアの需要もかなり高いと思うのですが、足りていないのはなぜなのでしょうか。
そもそも一般的に少ないですね。iOSアプリ開発はMacがないとできない、というのは原因のひとつかもしれません。私は未経験の新卒からエンジニアになりましたが、入社後約1年を経て、当時の会社でiPadアプリを開発することになり、MacBookを支給されて、そこで初めてiOSアプリ開発に触れました。それからこの仕事にハマってしまったんです。これで人生が変わった感じがしています(笑)。
――Swiftのどこに魅力を?
SwiftはApple社が2014年に初めてリリースした比較的新しいプログラミング言語です。C言語とかJavaの既存言語のいいとこ取りをしていて、その仕様が好きだし、美しさも感じています。洗練されたAPIになっていて、Androidアプリ開発も好きだけれど、今はSwiftを使ったiOSアプリ開発がとても楽しいです。
Swiftを使えるエンジニアは貴重なので、今ものすごくチャンスだと思います。DeNAもモバイルアプリエンジニアをはじめ、もっと人を必要としています。技術そのものが好きで、きちんとコミュニケーションとりながら共創したいという想いのある人には、ぜひ仲間になってほしいですね。
――DeNAに入社してから仕事への姿勢や考え方などで成長や変化を感じることはありますか。
エンジニアとして成長できる場を求めて転職したので、そういった環境に身を置けている実感はあります。自分よりもはるかに優秀なエンジニアに囲まれて日々過ごしているので、そういった人たちをどう支えていくか、どう気持ちよく働いてもらえるか。自分がどうこうより、そういった視点を持てるようになった、という点でも進歩したように感じています。
――今考えているキャリアプランなどあれば教えてください。
私はキャリアプランってほとんど考えないんです。IT業界はその流れも変化のスピードも速い。まずは、今目の前にある仕事に真摯に向き合っていく、という姿勢をキープし続けることが重要かなと。
今はただSwiftを極めていくことが目標です。極めた状態を100として、自分はのレベルはまだ30くらいだと感じているので。
――30ですか、とても控えめに感じられます。どのように100を目指しますか?
Swiftの進化スピードは本当に速くて、どんどん難しくなっています。なので、社内勉強会を運営したり参加したり、技術を取得するための活動を積極的にしています。DeNAにはそういった活動を支援してくれる制度があるのがいいですね。外部の勉強会に参加するための休みも取りやすいです。エンジニアが勉強する姿勢を認めてくれる環境に感謝しています。
それに「獲得した知見を共有してみんなでやっていこう!」という気持ちが強いんです。個人で戦っていくことって限界がありますから。知識や技術を共有することで、同じことができるエンジニアが増えていく。その方が世の中にいいものを提供できると考えています。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。
執筆:片岡 靖代 編集:若林 あや 撮影:内田 麻美