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地方在住エンジニアのリモートワーク。「DeNA インフラ/SRE MEET UP #4」で語られた実態とは?

2022.09.20

今年の6月から遠方に居住する従業員に対して、通勤交通費の上限を変更したDeNA。

具体的には、部門承認がされれば、1日の交通費の上限をなくして、月15万円まで実費支給をするというもの。月の上限はあるが、飛行機、新幹線、船舶などの交通費をその範囲内で全額支給するという制度です。

制度導入前から首都圏外に住んでいる従業員もいましたが、今年の6月から正式に制度を改訂し、首都圏外に居住する方の採用も積極的に行なっています。

そこで今回、6月にONLINE開催された「DeNA インフラ/SRE MEET UP #4」から、DeNAの中でも柔軟な勤務形態をとっているインフラチーム(※)のリモートワークについての説明を抜粋。首都圏外に居住しながらの業務内容について聞いてみました。

※基本リモートでの勤務で、就業時間も希望時間で勤務が可能なチームです(健康管理の観点で遅くても12:30までの始業を推奨)。

サービスの成功を底で支える部署

▲IT本部IT基盤部 部長 鳥越 昇(とりごえ のぼる)
2000年DeNA中途入社。入社後から現在まで一貫してIT基盤部に所属。2008年からIT基盤部ネットワークグループのマネージャー、2020年からIT基盤部部長としてインフラ部門を統括。

ーーまず、DeNAのインフラチームについて教えていただけますか?

鳥越 昇(以下、鳥越):DeNAのインフラチームは、IT本部IT基盤部という組織に属しています。

IT基盤部のミッションは非常に明快で、「DeNAが運営するサービスについて、もっとも安定しもっとも安く運用し続けるために必要なことをすべて実施し、会社と事業の成功に貢献すること」となっています。

ーーつまり、サービスの成功を底で支える部署、ということですね。何名くらいでその役割を担っているのでしょうか?

鳥越:IT基盤部の中に全部で5グループあり、全体で40名程度在籍しています。1グループ、8名程度所属してます。

各グループは、たとえばゲームやライブストリーミング、ヘルスケアなど、事業別に分かれています。

ーー現在の働き方について教えていただけますか?

鳥越:実は私は東京在住で、ほぼ毎日出社しています。出社が必須というわけではないんですが・・。

ただ、IT基盤部は原則出社自由で、ミーティングについてはすべてリモートで実施しています。

DeNA自体も、全社リモートワーク中心の働き方になっていて、現在は、15%以下の出社率となっています。

ーーチーム内のコミュニケーションは?

鳥越:SlackとWeb会議 (Zoomなど) でほぼ完結していますね。なので、地方勤務が可能で、実際に首都圏外で働いてる人も複数います。

大阪、兵庫、愛知、北海道……。地方在住で働くと?

▲IT本部IT基盤部第二グループ 貴田 喬博(きだ たかひろ)
2013年DeNA新卒入社。カーシェアリングサービスや、ゲームのインフラ運用・立ち上げなどに従事。現在はゲームプラットフォームの運用を担当。

ーーここから、実際に首都圏外で働いてる方4名に、お話をお聞きしていきます。

貴田 喬博(以下、貴田):私は2013年の4月に新卒で入社し、その後7年間は東京で勤務していました。そしてコロナ禍になって半年ぐらいで大阪に移り住んだ感じです。

私は、第二グループに所属し、ゲーム事業やオートモーティブ事業、カーシェアリングのサービスなどのインフラを見ている部門で、そのあたりの保守管理を担当しています。

ーー続いて・・。

平田 智紀(以下、平田):2021年新卒入社の平田と申します。

私は第四グループに所属し、大規模ゲームタイトルおよびゲームプラットフォームのインフラ運用を担当しています。

ーー平田さんはどちらにお住まいなんでしょうか?

平田:居住地は愛知県の一宮市というところです。

実は私、新卒で入社してから一度も出社実績がなかったんですけど、先週末にとあるイベントに参加した際に初出社しまして、そこで初めて社内の人と顔合わせするという体験をしました。

ーー1年半、出社なしで勤務されていたということですね。続いて萩行さんお願いします。

萩行 庸顕(以下、萩行):2018年9月、中途入社の萩行と申します。

現在は大規模ゲームタイトルおよびゲームプラットフォームのインフラを担当しています。

私は、半年ほど前までは東京の方に住んでおりまして、半年前に札幌の方に移住しました。

ーーじゃあ最後、三嶋さんお願いします。

三嶋 哲也(以下、三嶋):私も21年新卒入社で平田さんと同期で、今、神戸市に住んでいます。

私は第一グループにいて、ライブコミュニケーションアプリの『Pococha』をはじめとしたエンタメ領域のインフラを担当しています。

地方に住むことになった理由とメリット

▲IT本部IT基盤部第四グループ 萩行 庸顕(はんぎょう のりあき)
2018年9月、DeNAに中途入社。大規模ゲームタイトルおよびゲームプラットフォームのインフラの運用を担当。

ーー皆さんはなぜ地方に住むことになったんでしょうか?平田さんからお聞きします。

平田:私は元々人混みがあまり好きではなく、そういう場にいると体調を崩しやすいという体質があったので、なるべく地元の実家で安心して仕事がしたいという思いがありました。そこで、地元で仕事をするという選択肢を選びました。

ーー出身大学も名古屋ですか?

平田:そうですね。なので、まだ1回も一人暮らしをしたことがなく、26歳になってそれが本当にいいのかって(笑)という気もしてるんですけど。

ーー実家で働けるのは、うらやましいですね。萩行さんが札幌で働くきっかけは?

萩行:私はずっと東京で働いていたんですが、コロナが流行りだし、外出も少なくなりました。東京って家賃が地方に比べて2倍以上するなど、結構高いので、出社もないのに東京に住む理由がないなと考えたときに、そのタイミングで結婚しまして、家族の意向もあり、札幌に移住したという感じになります。

ーー札幌を選んだ理由ってあるんですか?

萩行:ある程度栄えているけれど東京ほど人混みが多くなくて、あとはご飯がおいしいところがいいよねっていう話で札幌になりました。

ーー確かにご飯はおいしそう。じゃあ続いて貴田さん、お願いします。

貴田:元々生まれが大阪だったというのと、実家の両親が年を取ってきて、週末ぐらいは助けがいるな、みたいな感じになってきたんで、それで大阪に引っ越しました。

ーー親孝行ですね。

貴田:とか言いながら、最初はちゃんと実家に住んで慎ましくやってたんですが、さすがに24時間一緒にいるのはしんどくなってきて、ここ3カ月ほど、また一人暮らしを大阪で始めました。

大阪でも、東京の会社の近くに住むのと比べると家賃が3分の2から半額ぐらいかなって実感があるんで、めちゃめちゃ住みやすくなってます。

ーー私も実家は関西ですけど、全然家賃が違いますね。

貴田:大阪の人だったらわかると思うんですけど、心斎橋まで歩いて15分みたいなところに住んだとしても、さっき言ったように東京と比べたら、半額ぐらいで住めるんです。

ーーちなみに札幌ですと、どれぐらい家賃が違いますか?

萩行:場所によるんですけど、でも多分2倍ぐらい違うような気がします。

ーー三嶋さん、お願いしていいですか。

三嶋:僕は大学が神戸で実家は九州・福岡なんです。大学進学で神戸に出て、大学院まで通ったので、神戸に住んで8年ぐらいになります。

学生の頃から商店街や地元のコミュニティに入りびたっていたので、地域の繋がりがありました。そこで、社会人になっても、できれば週末に商店街のイベントをお手伝いするだとか、何かそういうことがしたいという気持ちがどうしてもあったので、もし遠隔で勤務できるのであればぜひ、ということで、東京には引っ越さずに、新卒入社したときからずっと大学のある神戸市に住んでいます。

ーー関西圏に住むメリットがあったら教えてください。

三嶋:関西が好きな理由の一つは、京都と大阪と神戸が横に並んでいて、とても移動がしやすいんですよ。阪急やJRなど鉄道が何本も走っていて。

なので、日帰りで京都観光できたり、ちょっと足を伸ばせば琵琶湖へ行けたり、大阪で買い物したり、神戸にもいろいろありますし、そういうお出かけする先は気軽にいろいろ選べるかなって。しかもそれぞれ、結構毛色の違う街なんですよね。

地方在住エンジニアの働き方の実情

▲IT本部IT基盤部第一グループ 三嶋 哲也(みしま てつや)
神戸大学大学院国際文化学研究科卒業。2021年DeNA新卒入社。通称 oden。『Pococha』をはじめとしたエンタメ領域サービスのインフラ運用/改善に従事。趣味は麻雀。

ーー次は、リモートワーク中の働き方について、皆さんにお聞きします。

貴田:私は、お昼前に起きることが多いですね。大体12時過ぎぐらいからミーティングとか入ることが多いので、その時間までに起きて、ミーティングやそれ以外の業務をしながら、夕方になったらジョギングをして、晩ご飯を食べ、その後しばらく業務をして寝る、みたいな生活をしてます。

ーー萩行さんもジョギングをしていると聞きましたが。

萩行:はい、私は寝坊しなければ大体8時ぐらいに起きて、1時間くらいジョギングをした後、仕事を開始します。お昼ご飯を食べに行って、ミーティングだったり普通の業務をして、19時から20時頃に仕事を終えるような働き方になっています。

平田:僕は、朝は大体10時半から11時に出勤して、仕事をして昼休憩1時間を挟んでまた仕事する。そして夕食休憩を1時間挟み、それからまた仕事をするというスタイルになってます。

僕もちょっと以前までは業務前にジョギングとかちょっと軽い運動をしてたんですが、最近はちょっとさぼり気味になってます。

ーー最後に、三嶋さん、お願いします。

三嶋:私はこの中で一番朝早起きですね。7時半ぐらいに起き、朝ご飯とか食べたりしてから8時過ぎにはもう業務を始めてます。

朝方の業務はいろいろメールを見たりとか改善業務などをやり、午後あたりから他のメンバーが起きてきたりするので1on1をやったりして、お昼にはちょっと休憩でランチを食べに行き、その後はまたいろいろミーティングやアラート対応とか済ませ、18〜19時ぐらいに退勤するという感じですね。

ーー皆さん、好きなタイミングでご飯食べに行ったり休憩とったりすると思うんですが、社内のミーティングなどがどの時間帯に入りやすいなど、あったりするんですか。

三嶋:午後が多いですね。ただ、僕の上長はお子さんの世話とかがあったりして、ちょうど夕方の16〜17時の時間帯とか、ちょっと手が離せないとかあったりするので、そういう場合は午前中にミーティング入れるなど、調整しながらメンバーに合わせて柔軟にやってますかね、うちのチームは。

貴田:なんとなく「13時から18時の間にミーティングを入れる」みたいな不文律みたいな感じのものはできあがっています。

とはいえ、マネージャーなどになるとそれだけではミーティングが収まりきらなくなるので、そういう人はもっと遅い時間だったり早い時間にもミーティングをしてます。

入社時からリモートワークで大丈夫?

▲IT本部IT基盤部第四グループ 平田 智紀(ひらた とものり)
2021年4月 DeNA に新卒入社。大規模ゲームタイトルおよびゲームプラットフォームのインフラの運用を担当。

ーーここでガラッと質問を変えます。入社時からリモートワークですと、立ち上がりのときなど、大変だったことってありますか。

平田:僕自身、ちょっと大変だなあって思ったのは、インフラエンジニアという仕事上、初めての作業は先輩方に立会いをお願いするケースがあります。

オフラインだとサクッと対面で話して対応できそうな気もするんですけど、オンラインならではのハードルの高さを感じて、最初はちょっと依頼しにくかったなっていうのを感じてました。

三嶋:メンターとは毎日のように1on1してたんですが、他のチームのメンバーとやっぱりどうしてもオフラインですと「おはようございます」みたいな会話から雑談につながったりすると思うんですが、それがまったくないので、「どういう方なんだろう」や「どの業務に詳しいのかな」、「こういうことを頼んでいいのかな」とか、そのあたりが最初はなかなかわからなくて、結構苦労しましたね。

ーーそれはクリアできたのでしょうか?

三嶋:「これだと仕事が進めづらいな」と思ったので、自分からいろんな方に1on1を申し込んで雑談ベースで話してみたり、あとは、IT基盤部の中でのレクリエーションで、僕は部長の鳥越さんなどとオンライン麻雀をやって、そこでいろいろとお話する中で自分のことを知ってもらったり、相手がどういう方なのか、どういうことが得意なのか、というのを知る努力をしました。それからは結構、Slackでも「こういうことをお願いしていいですか」「ここを教えていただいていいですか」みたいなことも聞きやすくなりましたね。

ーー過去出社して仕事していた貴田さんと萩行さんから、そのあたり、何か工夫することはあるんですか?

萩行:そうですね。コミュニケーションはやっぱり、対面と比べたら取る時間が少なくなったので、チームで雑談だったり、何かわからないことを質問するような会議を定期的に開いたりしたりしてます。

貴田:コロナ前までは週に1回しかチームメンバー全員で集まって話す機会はなかったのですが、雑談がしづらくなったということで、一時期はそのペースを週3に増やしたんですが、「さすがにやりすぎだよな」ってことで最近は週2でやってます。

そのミーティングですが、あえて時間は長くとり、業務と関係のない雑談をしたり、「自分で頑張ったら調べられるかも」とか「聞きづらいんだけど、でも聞けた方が楽だよな」みたいなことも気軽に聞ける機会にしています。

ーー平田さんや三嶋さんはそういうミーティングに参加してみて、どうでしたか?

平田:やっぱり、その人となりを知らない状態で話しかけるのって勇気がいりますよね。

三嶋:「先週末、どこで何してました」とか「最近のベストバイは?」みたいな話はしますね。家電とか欲しいものを皆さんが買ったりしてるので、すごく参考にしてます。

ーー仕事上のことだけじゃなく、プライベートも知れると、コミュニケーションも取りやすくなりますよね。

平田:最近は、違うグループ間で垣根を越えて話すランチ会も、施策として入れてます。

ーーそれもオンラインのランチですよね。

平田:はい。

ーー他にコミュニケーションで工夫されているところがあったら教えていただけますか?

平田:オンラインで仕事をする上でやっぱり大事だと思うのは「透明性」だと思っています。

その人が今何をやっていて何を悩んでいるかというのを、可能な限りオープンにするのが大事かなと、思ってます。

そのため、Slackのtimesと言われる分報用のチャンネルに、今、自分が何をやってるっていうことの共有や、「こういうことで悩んでいてわからない」とつぶやく、みたいなことを意識的にやっています。

貴田:リモートワークになってむしろやりやすくなったこととして、障害対応があります。今まで、職場にいるときに障害対応が入ると、隣の人と口頭で連携をしながら進めることが多かったんです。

ただ、もっと人手が必要だとか、キャッチアップが大変だったりだとか、あとはやはり口頭で進めてしまうと齟齬が生じてしまったりとか、いろいろ問題が生じました。

しかしリモートになり、隣の人と口頭で対応みたいなコミュニケーションができなくなったので、障害対応の記録を全部Slackのスレッドでまとめる試みをし始めました。

それを見ると現状どんな対応がされているかが一目瞭然ですし、シニアの人がどこを見て判断しているかとか、新人の対応を見て、シニアの人が「こうした方がいいんじゃないか」とアドバイスできたりとか。その辺、逆にすごくやりやすくなったと思っています。

三嶋:オンラインですと表情が伝わりにくいと思いますので、僕はリアクションなど、ちょっと大げさに見せることを意識してます。こまめに相槌を打つとか、表情はなるべくちゃんと見せるように意識してやってますね。

地方勤務を成功させるためには?

ーー地方にいることで感じるデメリットはありますか?

平田:地方というよりは、リモートワークの課題と感じるのは、やっぱりオンオフの切り替えが非常に難しいということです。

一応、プライベートのスペースと仕事場を明確に分けるようにはしてるんですけど、やっぱり物理的な距離が近いというところで、仕事のことが気になってちょっと仕事場に行ったりしがちなので、この辺の切り替えが難しいな、って思ってます。

ですので、「プライベートスペースにいるときはもう絶対に仕事のことを考えない」という強い意志を持つようになっちゃいます。

三嶋:デメリットというか、コロナが落ち着いてくると、関東にいるメンバーは「ちょっと集まりますか」みたいなことがあるみたいで、そこはちょっとうらやましいなって思います。

今回の制度改正で、我々地方在住のメンバーも東京に行きやすくなると思うので、その寂しさみたいなのが多少解消されるかなとは期待してます。

平田:地方うんぬんではないですけど、ちょっと小腹がすいたとかですぐ食べることができるので、ものすごく体重が増えましたね。

ーーリモートワークになってからでしょうか。睡眠や健康に関する意識の高まりを感じます。

貴田:僕が入社した頃、9年前くらいの時点では20代の割合が多くて、全然健康関連の話題なんて上がらなかったんですが、この間、社員の年齢層も上がってきていて、今30代も多いですよね。

ーー30代めちゃくちゃ多いですね。

貴田:健康に気を遣う年頃なんだろうなっていう感じで、雑談でも健康にまつわる話は出てきますね。

ーー萩行さんもジョギングを始めたのは、その理由からですか?

萩行:そうですね。リモートワークとなると歩くことも少なくなり、腰も痛めて体がボロボロになってきたので、そろそろ運動しないとやばいなっていうので、ジョギングを始めました。

ーー20代の若手お二人は、健康に関する考え方はいかがですか?

平田:僕も急激に体重が増えてきていて、もともと痩せ型であまり太らないタイプだったんですが、日々の不摂生でお腹周りがちょっと膨らんできて、結構やばいなという気になっていました。

なので、走らないといけないなと思いつつも、ちょっとさぼり気味になっているという形です。

三嶋:僕の場合、リモートワークになって通勤の時間がなくなったので、そこを散歩の時間に充てるようになりました。そういう意味では、自然と動きたいっていう気持ちはあるのかもしれない。

ーーリモートワークを成功させるためには、健康維持やコミュニケーションがポイントになりそうですね。

平田:単にリモートワークが"できる"だけではなく、"効率よくできる"環境や制度が整っているように感じます。

三嶋:多様なメンバーが集まっているので、それぞれに遠方在住の理由や背景がありますしね。

萩行:ぜひ現メンバーの工夫も参考にして、遠方在住でも今以上に成果を出せる工夫をし続けていきたいです。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

編集:フルスイング編集部

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