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「リモートワークの継続は?」「副業は?」DeNAに入社したらどうなるかを、採用担当者に直撃!

2022.02.28

新型コロナウイルスの影響で、働き方は大きく変わりました。DeNAでも多くの社員がリモートワークにシフトし、新しい働き方が根付いています。

「でも最近、本社をWeWork 渋谷スクランブルスクエアに移転し、横浜のオフィスもきれいに改装したし、本当は出社してほしいのでは?」

「アフターコロナには、出社に戻そうとしているのでは?」

そんな疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、DeNAが考えるアフターコロナの働き方や福利厚生、副業の可否など、採用希望者からよく聞かれる質問を用意。採用の最前線に立つヒューマンリソース本部 本部長の菅原啓太(すがわら けいた)と、同じくヒューマンリソース本部の人材企画部キャリアグループに籍を置く橋本佳那(はしもと かな)にズバリぶつけてみました。

現在、約8割がリモートワーク中

▲執行役員 ヒューマンリソース本部 本部長 菅原 啓太(すがわら けいた)
IT系ベンチャー企業での勤務を経て、2009年にエンジニアとしてDeNAに入社。Mobageの事業責任者や新規事業の立ち上げを経験した後、2015年から人事領域へ。2017年からゲーム・エンターテインメント事業本部の組織開発部 部長 兼 HRBPを経て、2020年4月より現職。

ーーさっそくですが、DeNAは今どれくらいの社員がリモートワークでしょうか?

菅原 啓太(以下、菅原):緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の出ていない時期の出社率は15~20%です。言いかえると約8割の社員がリモートワークをしています。

ーー正直なところ、リモートワークが多いこの状況を、人事部門としてはどう感じていますか?

菅原:とてもポジティブにとらえていますよ。社員アンケートをとると「リモートワークで生産性が上がった」との回答がもっとも多いのです。とくにデザイナーやエンジニアは、その声が大きいですね。

むしろ「これまでのオフィスが必ずしも集中できる環境ではなかったんじゃないかな」と反省したほどです。話しかけられれば集中力も切れるし、周囲の状況に左右されますので。

ただ、家であれば誰しもが仕事しやすいわけでもないのが難しいところでもあります。

ーー人によってはオフィスのほうが仕事しやすい?

菅原:コロナ禍でお子さんの学校が学級閉鎖になったり、保育園が休園になって自宅保育をしながら仕事を同時にこなさなければならなかったりと、家族の状況に左右される一面もありますからね。

また、約2年経って見えてきたリモートワークの第一の課題は、チームビルディングの難しさです。もともと関係性を築けている仲間であればあまり問題はないですが、新しく人間関係をつくる段階では、リモートのみではハードルが高くなります。

たとえば、新メンバーが加わったとき、皆が出社していた時代は、自分の席に座れば、周りの人の顔ぶれも自然とわかりました。聞こえてくる会話からそれぞれの関係性や仕事内容もなんとなく理解できました。

ーー自然と輪に入りやすかった面はありますね。

菅原:そうなんです。リモートではやはり、最初のハードルがありますよね。オンボーディング(新しく組織に入ったメンバーを教育・育成するプログラム)だったり、チームでのコミュニケーションに関しては、少し課題があるなと感じています。

ーーハードルを下げるために、取り組んでいることはありますか?

菅原:やっぱり出社ですね。半分冗談で、半分本気です。コロナ禍での安全面を考えるといたずらに出社するのは得策ではないですし、アフターコロナの時代においては100%出社に戻るのはもちろんナンセンスです。

しかし、再考すべきポイントだと思っています。個人での生産性が高いリモートワークはもちろん継続しつつも、チームとしての成果を最大化するためには出社を織り交ぜるのも1つの手段かなと。

橋本 佳那(以下、橋本):そのためWeWork 渋谷スクランブルスクエアと横浜の2つに分けた本社オフィスは、チームでのコミュニケーションを促す仕組みを設備面でもソフト面でも多く取り入れました。会議スペースに遊び心を取り入れたり、カフェスペースを強化したのはその最たるもの。いわば出社だからこそのメリットを最大限に活かすための設備です。

▲ヒューマンリソース本部人材企画部キャリアグループ 橋本 佳那(はしもと かな)
人材企業での勤務を経て、2018年にDeNA入社。入社後はエンジニアや専門職の中途採用を担当。その後事業部門に異動し、アライアンスや事業開発を担当。2021年から人事部門に戻り、エンジニア採用と並行し、全社横断の採用施策を担当。

ーー実際に今、戦略的に出社している部署もあるのですか?

菅原:ありますね。たとえば、毎週火曜日は出社と決めている部署もあれば、新メンバーが加わったときだけ集中的に出社するなど、各部署で判断して対応しています。

橋本:とはいえ、出社することだけが正解でもなさそうです。たとえば一部のエンジニアチームでは、Zoomをつないだままで開発を行うなど、リモートでも出社時と変わらない感覚で一緒に仕事ができる環境をつくっています。隣の人に話しかける感覚ですぐに会話ができたり、画面を見せ合えたりできる工夫です。

ーーむしろ、出社していた時代よりもコミュニケーションが取りやすくなった場合もありそうですね。

橋本:そうですね。閉じられた空間なので、周りの人や状況をうかがう必要もなく、安心して会話できるかもしれないですね。Slackでのコミュニケーションも活発ですし。

ーー部署それぞれ違うとなると、自分が参加する部署はどうなのかが気になりますね。

菅原:よく聞かれます。全社としては「リモートワークと出社を織り交ぜています」と言えるんですが、部署ごとにさまざまです。面接のときに「あの部署はどうか」と聞いていただければ、ありのままをお答えします。

裏を返すと、各部署や各事業の特性もありますし、その状況に応じた最適解は違うと思うのです。そもそもDeNAは各事業部に多くの権限を委譲しているので、判断はチームに委ねています。

橋本:それがDeNAらしさでもありますよね。

「明確な全社ルールは必要最低限しかなく、“「こと」に向かう”ため一番いいやり方をそれぞれが責任を持って考える」というDeNAを貫く姿勢が、働き方に関しても同様にあります。だからこそ、一人ひとりの事情や、各部署の事情に応じてフレキシブルにリモートワークとオフィスワークを選択できるようにしたり、多様な働き方を実現しています。

菅原:先ほど申しましたように新オフィスは渋谷と横浜の2拠点あり、部署ごとに主たる勤務地が決められています。でも、どちらも好きに選んで出社して構いません。ちなみに、ヒューマンリソース部門の主たる勤務地は横浜ですが、今日、メンバーの多くは渋谷に出社しているようです。

ーー働く場所の自由度はかなり高いようですが、時間はいかがでしょうか?

橋本:勤務形態が3パターンあってそれぞれ異なるのですが、裁量労働制を導入している組織では、勤務開始時間も柔軟です。

だいたい9時半~10時半くらいに勤務開始する人が多くて、Slackで「おはようございます」などつぶやくと、勤怠管理システムに自動で連携されます。ちなみにDeNAはコミュニケーションの多くがSlackです。

勤務時間に関しては、リモートワークが導入されたこともあり、一定のルールはありますが「子どもの送迎」や「通院」など個人の時間との共存が成り立ちやすく、柔軟な働き方が実現しています。

ーーやるべきことをきちんとやっていればいいと。

菅原:そうです。そのためにどう働くかは、各自の責任で判断する感じです。このコロナ禍において働き方の選択肢が広がり、家族と過ごす時間が増え、ワークライフバランスが向上したとの声が多いです。

ある社員の言葉は印象的で「リモートワークなど働き方の変化が起きていなかったら、家庭と仕事の両立は難しくて退職していた」と。

フルタイム勤務していたら、お子さんが小学校から帰ってくる時間には家にいるのは簡単ではありません。「子どもを家で迎えてあげたいと思うとパートなど短時間勤務にせざるを得なかった」などという声を聞くと、この新しい働き方には大きな価値があると感じています。

副業の解禁で「退職率が下がった」

ーー副業が可能かを気にしている方も多いと思います。

菅原:DeNAは副業OKです。

2017年に副業解禁し、今は社員の約14%が実際に副業をしています。この割合は少しずつ増加しています。

橋本:ただし条件を設けていて「本業に支障をきたさない」「会社に迷惑をかけない」「健康時間の管理を厳守する」の3原則があります。これを守れば、まったく問題ありません。

ーー会社としては、副業は積極的にしてほしいのか、してほしくないのか、正直なところどうですか?

菅原:導入時は「本業がおろそかになるのでは?」と、ネガティブな意見もありました。しかし、いざフタをあけると、副業をしている社員の上長から「パフォーマンスがあがった」という意見がとても多かったんです。

ーー上長からそういう声があがるとは驚きですね。

菅原:さらに副業を解禁してよかったと思うのは、「退職率が下がった」ことです。

かつては「DeNA以外の場でも挑戦してみたい」との理由で転職するケースが多々ありました。しかし副業で外の世界を見たことで、逆にDeNAの良さを再認識することにもつながっているようです。

最近はデライト・ベンチャーズが出資しているベンチャー企業を紹介して、副業として参画してもらう取り組みもしています。ベンチャー企業としてもニーズに合わせた人材を獲得できるのでWin-Winです。

ーー逆にDeNAが副業人材の受け入れはしているんですか?

橋本:徐々に増えています。DeNAを中心にさまざまな企業がつながり合い、デライト(Delight)の総和の最大化を目指す「DeNAギャラクシー」という考え方があります。社員や元社員がつながり、そこからスピンアウトして生まれた企業もあります。すべてが大きな宇宙のようにつながって、創造的な事業を展開、社会に提供していきたいと思っています。

「DeNAで働く意義」は、事業内容と働く仲間

ーーDeNAは働き方も社風もルールも柔軟ですよね。

菅原:優秀かつ自律した人材に、DeNAで活躍してほしい思いが強いからでしょうね。

橋本:だから社員のニーズをきちんと拾って、できる限りそれを実現したい。実際、副業制度も含め、ボトムアップで出てきた施策がほとんどです。

菅原:いま社会全体として“キャリア自律”が求められていますよね。自宅で仕事をするようになり、より自分のキャリアや人生を考えるきっかけになったのではと感じています。

人事部門としては、社員の帰属意識が下がってしまう不安は多少なりともあれど、会社にぶら下がるのではなく、自律的にキャリアを考えるようになってほしいと切に願っています。

一人ひとりが自己実現をするためにチャレンジしていく、それを実現するためにDeNAで働くことが1つの選択肢となるよう、会社として後押ししたいと思っています。

ーーあらためて「DeNAで働く意義」ってなんでしょうか?

菅原:事業内容と働く仲間、この2つに尽きるのではないでしょうか。

事業内容でいえば、事業のポートフォリオが、スポーツ×テクノロジーだったり、ゲーム×ヘルスケアだったり独特なところはとても大きな魅力だと感じます。幅も広いので、さまざまなチャレンジができるのは、他では得られないおもしろさを約束できます。

もう1つは、共通価値観である「DeNA Quality(DQ)」(※)に満ちあふれた仲間がいること。この意識がDeNAは本当に浸透していて、異常なほどで(笑)。

DeNA Quality(DQ)

ーーDQは“「こと」に向かう”、“全力コミット”、“発言責任、傾聴責任”といった、DeNAで働く誰しもが持つ共通の価値観ですよね。

菅原:はい。その共通の価値観のある安心感や快適さは、仕事をする上ですごく幸せなことだなと僕自身実感しています。たまに地域活動など別のコミュニティで何かしらの運営をすると、「めちゃくちゃ動きづらい」と感じてしまう。ふと気づくと「ああ、そうか。このチームはDQがないからだ」ともどかしく感じるほどですから(笑)。

橋本:“発言責任、傾聴責任”も、役職者が体現しているのが大きいですよね。対等に話を聞いてくれるし、一方的に意見の押し付けをするような人がいないんです。だから、言いたいことを素直に言えるし聞き入れもする、そんな風土が根付いているのは貴重だなと感じます。

ーー組織がリモートワークでもうまく機能しているのは、それだけDQという共通の価値観が根付いているからこそ、という側面もあるのかもしれないですね。

菅原:そうですね。この環境下でも成果を出し続けられているのは、物理的に離れていても、組織として一体感を持って同じ方向を見ることができているからだと思います。

ーー求職者の方から、DeNAが誤解されているなと思う点は何かありますか?

菅原:良くも悪くも「大企業」と思っている方が増えている気がしますが、違います。DeNAは確かに規模は大きくなりましたが、非常にフットワークの軽い永久ベンチャーです。

たとえばコロナが感染拡大し始めたとき「週明けから全員リモートに移行します」と木曜日に通達したんです。正味1日しか準備期間がないなんて、かなりの荒業じゃないですか。でも、ほぼトラブルなくスムーズに移行できました。裏で精力的に支えてくれた人たちがいるわけですが、一人ひとりが自走し、やるべきことを考え、迅速に動いた結果だと思います。

こうした変化に対する適応力やスピード感は、この会社規模で実現するのはもはや奇跡だと思います。だからこそ、もっと大きな組織になっても、この組織力を維持し続けたい。私にとってチャレンジし続けたいことでもあります。

橋本:DeNAは今後も働き方をアップデートし続けるチャレンジをしていきます。そんな環境で、自分自身のポテンシャルも最大限に生かしてチャレンジしたいと思える人にも、どんどん仲間に加わっていただきたいですね。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

聞き手:箱田 高樹 執筆:日下部 沙織 編集:フルスイング編集部 撮影:小堀 将生

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