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【ナカノヒトTalk #002:サウンドディレクター山室圭司&渡邉愉香】DeNAならではのクオリティを目指す――新設チームのいまとこれから

2019.04.26

DeNAのゲーム開発の現場には、どんな人が働いていて、どのような思いを持って仕事に取り組んでいるのかーー「ナカノヒトTalk」は、社内のさまざまな職種の人へのインタビューを通して「人となり」をお伝えする特集です。

今回の「ナカノヒトTalk」は、3月26日に開催された「GDM(Game Developer’s Meeting)サウンドディレクター座談会Vol.1」のイベント登壇直前、サウンドディレクターの山室圭司と渡邉愉香に、イベントに対する意気込みと、新設されたサウンドチームの魅力などを聞いてきました。

――まずはじめに、お二人の経歴を教えてください。

山室圭司(以下、山室):自分は、2006年にサウンド制作会社に就職し、コンシューマゲーム・モバイルゲーム・遊技機・映像作品などの楽曲・効果音制作に従事していました。その業務の中で「ゲームサウンド開発の現場を良くするには、メーカー(クライアント)の現場に入らなければいけない」と思うようになり、2018年4月よりDeNAに入社しました。現在はサウンドディレクターとして活動しつつ、サウンドリテラシーの向上に努めています。

渡邉愉香(以下、渡邉):私は、2003年にコナミTYO(現:コナミデジタルエンタテインメント)に入社し、サウンドプログラマーとしてコンシューマゲームの開発に携わりました。2011年頃からスマートフォンゲームの開発にも携わり、BGM制作やサウンドディレクションなど、サウンド全般を広くカバーするようになりました。その後、2016年にDeNA入社、現在はサウンドディレクターとして活動しています。

――今回「GDMサウンド座談会」に登壇しようと思ったのはなぜですか?

山室:DeNAのサウンドチームは新設されたばかりで、規模がまだまだ小さいので、社内だけでなく外部への情報発信をもっと強めていこう!と考えていたタイミングでイベント実施の話を聞き、参加することを決めました。

渡邉:ちょうど山室と「ゲーム業界の他社のサウンドディレクターって、どんな仕事してるか気になるよね?」みたいな話をしていたタイミングでもあったんです。

――現在のDeNAのサウンドチームの魅力を教えてください。

山室:ゲームサウンドに関して、依頼していただければ、どんなことでも相談に乗れるところですね。

渡邉:私たち2人は、ひとつの分野に特化しているわけではなく、サウンド関連全体をカバーするような幅広い知識を持つタイプなので、ジャンルを問わず、サウンドに関するお問い合わせにも対応できるのが強みかもしれません。

また、基本的に自分たちは内部でアーティストとして作曲をしているわけではなく、案件ごとに最適な社外のサウンド制作会社・クリエイターをアサインする役目を担っています。

――開発タイトルにどのようなサウンドが必要かをキャッチアップして、適切な対応をする橋渡し役ができるということですね。

山室:はい、そうですね。ただチームとして立ち上がったのが1年前くらいですし、メンバーもエンジニア(サウンドプログラマー)含めて3人しかいないので、すべての案件をカバーできないのが現状であり、課題と考えています。

渡邉:そうですね。まだまだ人数が少ないので、同時に担当できるタイトル数、対応できる作業量に限りがあることは、今後の改善点だと考えています。

また、チーム体制の構築も完全に終わっていないため、社内で「サウンドに関して、どの部署に相談すればいいかわからない!」といった声も挙がっており、その依頼フローも整備していかなければいけないと思っています。社内でサウンドチームが存在することすら、知らない人もまだまだ多いですので(笑)。

――――モバイル対応ゲーム開発業界全体に関して、サウンドチームとして感じる問題点・課題感はありますか?

渡邉:やはり(モバイルは)コンシューマタイトルの開発に比べて、サウンドまわりがどうしても後回しになる傾向があると感じています。「この曲を導入すれば、絶対に売上が伸びる」といった導入後の効果や数字がハッキリとわかりにくく、提示できないことも要因ですね。

特に運営に対するKPIを重要視するモバイルゲーム開発では、サウンドの重要性やコスト面を理解してもらうことに、結構時間がかかります。そうするとどうしても後回しになってしまうんですね。この問題は、モバイルゲーム開発現場の、サウンドに関わる人がいま抱えている悩みかもしれません。

――最近ではマルチプレイを極力排除し、シングルプレイに没頭できるモバイルゲームも増えてきましたよね。

山室:そうですね。そのおかげでサウンドの必要性は確実に上がってきたと感じています。最新スマートフォンは世界で一番普及しているゲーム機とも言えますし、マシンスペックだけで判断すると、過去に発売された家庭用ゲーム機に匹敵するので、それに合わせた開発手法も進化していますね。

渡邉:最近ではモバイルゲームも、オーケストラを使った豪華なBGMや効果音、声優によるボイスなど「音に関する要素」のほぼすべてが実装されていることが「当たり前」になってきていますしね。

――コンシューマとモバイルゲームのサウンドのつくり方の違いや難しいところを教えてください。

渡邉:そんなに変わりはないと思いますが、容量制限の問題は未だにあると思います。ただ、昨今のコンシューマタイトルでもアップデートパッチや、ダウンロードコンテンツなども当たり前になっているので、更新の手法やフローなどはモバイルゲームとあまり差がなくなってきていると思います。

――それでは最後に、サウンドディレクターとして、自分たちのこれからのミッションは何ですか?

渡邉:DeNAのサウンドディレクターとして、自社が運用しているタイトルについては、すべてサウンドチームで責任を持って、ハイクオリティなものを提供したいと思っています。

山室:それぞれのタイトルに関して「DeNAならではのサウンドのクオリティ」と誇れるようなサウンドつくりとそれを担うチームつくり、体制つくりを目指したいと思っています。

――ありがとうございました。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※ゲーム事業部で運営されていたオウンドメディア『GeNOM』で掲載した内容を転載しています。
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