「モノづくりの会社」を自認するDeNAにおいて、その基盤を支えるエンジニアという職業は、すべての事業で欠かせない存在です。男性と比較するとまだ割合は少ないものの、女性エンジニアも多くの部署で活躍しています。
『Mobage(モバゲー)』と『モバフェス』の運用開発を担当する古屋 姫美愛(ふるや きみえ)は、2021年4月に育休から復職、新たな目標に向かって歩みを進めているサーバーサイドエンジニア。新サービス立ち上げを含む複数のプロジェクトで活躍してきた古屋に、今までのキャリア、そして今後の展望を語ってもらいました。
『Mobage』と『モバフェス』の運用開発を担当
――復職されて10ヶ月が経過しました。仕事をしながらの育児はもう慣れましたか?
日中は保育園に預けているので自由度の高い働き方ができていますが、どんなに体調に気をつけていても風邪をひいたり熱を出したり……。突発的なことはたくさんありますが、なんとか両立しています(笑)。仕事がほぼリモートワークに移行したこともあり、仕事も子育てもしやすい環境だと感じています。
――チームの中に同じように子育て中のメンバーはいたりしますか?また、育児中の方はどのような働き方をしているのでしょうか?
私と同じように未就学児をもつメンバーや、小学校高学年のお子さんのいる方など、子育て中のメンバーも複数います。コロナ禍で保育園や小学校がお休みになったときは、フルリモートの勤務に速やかに移行し、それぞれオンラインミーティングやSlack等で連携しながら業務を進めていました。
現在は「リモート+出社」のハイブリッドワークになりましたが、仕事や家庭の状況に合わせて働き方も働く場所も選ぶことができますし、世の中の動きに合わせて「子の看護休暇」などの取得要件が拡充されたり、会社が働きやすい体制づくりを常に改善し続けてくれているのは心強いです。
――現在は『Mobage』と『モバフェス』の運用開発を担当されていますね。所属しているチームの体制とその活動について教えてください。
チームメンバーは業務委託の方も含めて全部で16名います。そのほとんどがサーバーサイドエンジニアで、フロントエンドエンジニアが1名、プロジェクトマネージャーが1名という体制です。
今は『Mobage』のレガシーな部分を改善するための作業を進めています。クラウドのプラットフォームにAWSを導入しており、AWSのサービスをより効果的に利用するための施策などを検討しています。
――古屋さん個人としては、現在の業務のどんなところに魅力を感じていますか?
『Mobage』はAWS、『モバフェス』はGCPで動いており、導入しているプラットフォームが異なります。サービス立ち上げ時の経緯に因り2つのクラウドサービスを使用しているという状況です。チームの技術スタックを考えるとどちらかに寄せた方が効率はいいのですが、両方の運用状況を見ることができるのは、とても興味深いですね。
「いろんな会社を見てみたい」と思った
――DeNAに入社されたのは2016年、前職ではどのようなお仕事をされていたのですか?
新卒で動画共有サイトの運営会社に入社して、在籍時はそのサイトのファミリーサービスとして提供していたブラウザゲームサイトの運用開発もしていました。
当時、動画共有サイトで使用していた基盤の移行案件があったのですが、扱う動画の数が多く種類も多彩だったことから、「どのように切り替えていけばいいか」「移行期間はどのくらい必要か」「どのチームで問題が発生しそうか」など、動画を配信する各種デバイスのエンジニアと協力体制を築きながら切り替え部分の開発を行っていました。なかなか骨の折れるプロジェクトでしたが、学ぶことの多い時間でした。
――なぜDeNAに転職を?
「いろんな会社を見てみたいな」とぼんやり思っていた時、たまたま転職エージェントから声がかかったんです。携わる業務が当時の会社と全く異なること、英語メインのサービスの開発メンバーとしてのオファーであることを聞き、英語に自信はなかったけれど新しいことに挑戦できるワクワク感を覚えて、素直に「やってみたいな」と。それがDeNAとのご縁でした。
――DeNAについて、当時はどんなイメージをお持ちでしたか?
あの頃はモバイルゲームのイメージが強かったですね。話を聞いていくうちにゲームだけでなくさまざまな事業に取り組んでいることを知り、そんな環境の中で自分を磨いてみたいと思いDeNAへの入社を決めたんです。
自由闊達な議論が成長の糧に
――転職したことで業務内容や開発環境含め大きな変化があったと思います。入社後、驚いたことや大変さを感じたことなどはありますか?
ビジネス職のメンバーとの距離がとても近いことに驚きました。プロジェクトが走ると、その関係者みんなで職域を超えてさまざまな意見を交わしながら推進していきます。
コミットする範囲も広く、意見を求められる機会も多いですね。入社当時は大変だなと感じることもありましたが、自分の意見に対して必ずリアクションをもらえますし、それらによって気づきも得られます。そのおかげもあって、仕事に対する意識の幅はものすごく広がりましたね。
――DeNAで働く人についてはどう感じましたか?企業によって人のカラーも違いますよね。
まず、物事をはっきり言う人が多いなと感じました。これは「発言責任、傾聴責任」というVALUEに定められている共有の価値観に因るものですね。「思ったこと、感じたことは恐れずに発言する」というのを大切にしているのだなと。よくわからないことについて「詳しく教えて欲しい」と言いやすい雰囲気があるのだなとも感じました。
あとDeNA社員はロジックで詰めてくる人が多い、という話を聞いたことがあったので最初は少し構えていたところもありました(笑)。ロジカルな人は確かに多いとは思いますが、だからといって感情を出さない、冷たいということはなくて。直感や感情をベースにした理屈だけでは割り切れない会話も普通にしますし、素直ないい人が多いと思います。
チームの成果につながる支援活動に注力していきたい
――入社後から現在まで、新サービス立ち上げを含む複数のプロジェクトに参画、グループリーダーを任された経験もお持ちです。ご自身の成長を実感した出来事などはありますか?
前職でも数多くのステークホルダーと仕事をしていたのである程度の自信はあったんです。ただ、DeNA入社後に接した社外のステークホルダーは英語を流暢に話す方ばかりで。でも臆せず、スキルの高い方々とコミュニケーションをとりながら機能を実装していくことで、大きな達成感を得ることができました。
また、プロジェクトの立ち上げからリーダーを任されてチーム全体をマネジメントし、リリースまでもっていった経験は、自分の視野を広げ、視座を高めないとできなかったと思います。
――多面的な思考を得た今、目指すビジネスパーソン像などがあれば教えてください。
私の持ち味はコミュニケーション力だと思っています。エンジニアとしての技術を磨きながら、さまざまな職種のメンバーとの連携がスムーズに運ぶようサポートする仕事をしていきたいと考えています。
エンジニア同士はもちろん、企画職とエンジニア、法務や人事などのバックオフィス系とエンジニア、カスタマーサポートとエンジニアなど、各職種間との密な連携を必要とされる場面が多く、そこに寄与していきたいです。
――なるほど。どんな取り組みをしようとか具体的なビジョンはありますか?
実は、既にチームメンバーと定期的に話をしながらそれぞれが大事にしたいことや今後チャレンジしていきたいことをヒアリングして、個々の力を発揮できるようなサポートを考え始めているところです。
また、社内に各種研修制度が設けられていて、コーチング講座、プロジェクトマネジメント研修、ステークホルダー研修などを受講しました。これまではなんとなく自己流で学んできたので、確認や補強ができたと思います。今後は実際に学んだことをもとに、チームを支援していきたいです。
――新たなチャレンジがもうスタートしているのですね。
DeNAは優れた人材が多く、私も今までたくさんの人からサポートを受けてきました。このチャレンジできる環境は本当に貴重なので、さらなる自分自身の成長につなげていきたいと思っています。
DeNAエンジニアの発信・登壇内容・Blogなど、最新情報は公式Twitterアカウント(@DeNAxTech)で発信しています。ぜひご確認ください!
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。
執筆:片岡 靖代 編集:川越 ゆき 撮影:石津 大助