ゲームやスポーツ、ヘルスケアやライブストリーミングまで、幅広くサービスを展開するDeNA。サービスがあるところには必ずデザインも存在します。
DeNAのデザインを司る部署がデザイン本部。各事業を横断して、デザインの力を届ける組織です。
この部署に新卒で入社した3名に、具体的な仕事内容や日々の働き方、なぜDeNAでデザイナーとして働く決意をしたのかなど、聞いてみました。
目次 [隠す]
デザインで事業成果を高めるのが役割
ーーみなさんが籍を置くデザイン本部について教えてください。
横山みのり(以下、横山):デザイン本部は、ヘルスケア領域やエンターテイメント領域などの各事業を横断して、デザインの力を届ける組織です。DeNAでは基本的に、各事業部の中にデザイナーが所属するのではなく、デザイン本部所属のデザイナーが各事業部や案件に配置されます。デザイナーならではの強みを活かして、事業の成果をより高めることが求められる役割です。
ーー具体的な仕事内容について、それぞれ教えてください。
大橋 愛子(以下、大橋):主にカーシェアサービス『Anyca』のプロダクトデザインを担当しています。具体的には、現在カーシェアの成立率を上げるためのUIデザイン改修を行なっています。その他にも、バナー作成やLPの作成などを行なっています。
横山:現在は『Pococha』のプロダクトデザインを担当しています。ビジネス職やエンジニア職の方と議論しながら、適切なUIやUXの検討や検証をする業務です。
成塚 雅樹(以下、成塚):エネルギーソリューション事業とヘルスケア事業の二つの案件を担当しています。一つ目は、エネルギーソリューション事業(現在ALGO ARTIS社としてスピンオフ)で業務向けWebツールのUIデザインを担当。二つ目はヘルスケア事業部のToB向けサービスのUIデザインを担当しています。
ーーどのような流れで業務を受けるのでしょうか?
大橋:『Anyca』には3人のデザイナーが所属しています。年齢も職歴もさまざまですが、全員がその時持っている案件の量に応じて平等に案件が割り振られます。細かな案件は挙手制です。
横山:『Pococha』の場合、デザインの必要な案件が発生すると、企画のオーナーから概要説明が行われます。案件ごとに考えるべき観点が異なるので、デザイナー、エンジニアを含めたメンバーでまず観点の洗い出しをして、そこで上がってきた必要なものをアウトプット(主にUI)として出します。
成塚:新規案件の場合、ほとんどはプロダクトマネージャーやエンジニアとつくりたい機能や解決したい課題を一緒に擦り合わせて、プロダクトのラフ案を制作します。ラフをもとに認識のズレがないかメンバーと確認し、フィードバックをもらいます。方向性が固まったら、UIをブラッシュアップして完成に近づけていきます。
ーー実際に作成したものを見せていただけますか?
大橋:安心で質の高いシェアを多く行なってきた『Anyca』ユーザーを“スーパーユーザー”として認定する「スーパーユーザー認定制度」の紹介LPと、プロダクト設計を行いました。
「スーパーユーザー認定制度」
https://anyca.net/p/super_users/
LPに関しては、“スーパーユーザー”とはどのような証なのか、認定されるためにはどのような基準を達成しないといけないかを、イラストを用いてわかりやすくまとめています。
プロダクトに関しては、画面の設計とデザインを一から行いました。思わず確認したくなるような画面を目指し、基準の達成状況がわかるステータス表示を入れたり、認定の証のバッジをデザインしました。大規模なプロジェクトでしたが、さまざまな方々の協力が得られ、無事11月15 日にリリースされました。
成塚:2021年度にオンライン開催された「日比谷音楽祭」のイベントアプリのデザインを担当しました。
チケット抽選、混雑度マップ、楽器演奏などのゲーム要素など機能が多く、短期間で画面の情報設計をするのはとても苦労しました。
また、アプリ利用者のペルソナや、このアプリを起動するタイミングやシチュエーション、どのように使ってもらうかなどのカスタマージャーニーマップの制作など体験設計にも力を入れました。
横山:『Pococha』コミュニティハンドブックサイトのイラストを、もうひとりのデザイナーとアイデアを出し合い制作しました。『Pococha』を楽しむためのルールやマナーをまとめた内容が多いため、優しさや温かみのあるイラストを制作し、『Pococha』が目指している世界を表現することで、押しつけ感なく、見ていて楽しく感じていただけるように調整しました。
Pococha - コミュニティハンドブックサイト
https://community-handbook.pococha.com/
最も働きたいと思える会社がDeNAだった
ーー入社前の話をお聞かせください。なぜDeNAを受けようと思ったんですか?
成塚:大学3年次にUIデザインに興味を持ち、IT企業4社のインターンシップや選考に応募をしました。 複数の会社で短期インターンシップをした結果、社風や社員の人柄や雰囲気、プロダクト開発におけるデザイナーの関わり方、採用の価値観の3つを比較して、一番自分に合っていて最も働きたいと思う会社がDeNAでした。
大橋:就活の軸として、インターネットのサービスを扱う事業会社であること、主な勤務地が東京であることを置いており、そこに合致していたこと、さらにDeNAはデザイナー就活の中でもレベルが高いと言われていたことから、半ば挑戦する気持ちで受けてみたいと思いました。
横山:自分の持つスキルや感覚が活かせそうな領域の会社だと感じたからです。また、会社のカルチャーが自分に合っていそうで、働く上でのストレスが少なさそうだったからです。
ーー就職活動前、活動中のDeNAの印象について教えてください。
大橋:デザイナー系のワークショップ内でも、DeNAはポートフォリオ選考からトップレベルと聞いており、生半可な気持ちではエントリーできないな、と思っていました。
横山:人の良さが印象的でした。単に「いい人材が欲しいな〜」という感じではなく、学生の将来にきちんと向き合い、そこにDeNAが応えられるかを真剣にジャッジしてくれた印象があります。
成塚:プロダクトとユーザーのみなさんに真摯に向き合い、誠実な人が多い印象でした。インターンシップや選考を受けて、その時に出会ったメンターやデザイナーがユーザードリブン、プロダクトドリブンなマインドが強かったです。
ーー就職活動中で印象に残ったエピソードがありましたら教えてください。
大橋:そもそも選考がどの企業と比べても比にならないくらいに多く、長く、厳しく、そしてとても楽しかったです。ここまで学生の能力に期待し、見てくれるのかと感動したことを覚えています。他にも、最終面接前に電話で人事の方が私のキャリアについて相談に乗ってくれたことが印象に残っています。
横山:選考を受けていく中で、自分の弱い部分が見えてきた時に、採用担当の方から「その部分と向き合うのが辛いなら、うちはやめたほうがいいよ」と言われたことです。自分の逃げの精神に気づいた言葉でしたし、そういう考えって人に伝わってしまうものなんだなあと、気持ちがピリッとしました。
成塚:最終面接前に、一次選考から担当していただいていた人事の方が、「入社してからどんな風に成長していきたいか」、「3年後、5年後にはどうなっていたいか」など深掘ってくれたのが印象に残っています。内定後も、DeNAでアルバイトをさせてもらったり、ハッカソンに参加させてもらったり、入社までに手厚くサポートしていただいたおかげで入社後も不安なく業務をこなすことができました。
ーーDeNAはデザイン会社ではありませんが、そのあたりの懸念は?
大橋:むしろデザイン会社は見ていなかったので、問題ありませんでした。
横山:よくイメージされる華やかなデザイン業界を期待して入社したわけではないので、インハウスであることに不安はありませんでした。それよりは、UIデザインのスキルを持ち合わせていないことに対する不安の方が大きかったです。
成塚:クライアントワークでしか得られない楽しさや学びもありますが、自分の属する組織でゼロからサービスをつくったり、スケールさせていくことに興味があったので制作会社ではなく、事業会社であることに特に懸念点はありませんでした。
ーー「DeNAに入社する」と決意したのはどんな理由からでしょうか?
大橋:やはり選考が大きく影響しています。実際入社してみて、「あの選考課題は無茶だったな」と思いましたが(笑)、それでも課題は楽しかったですし、私の拙い発表に対しても社員さんたちが真剣にフィードバックしてくださったので、是非この環境に飛び込んで鍛えられたいと思いました。
横山:基本的に働くと思った会社しか受けていないので、最初からそう思っていましたが、面接や選考を重ねるにつれてそう思う気持ちも増えていきました。
成塚:プロダクト開発におけるデザイナーの関わり方です。 DeNAのデザイナーは企画、戦略などプロダクト開発の上流から関わることができるので、他社では経験できないことや学べることが多いと感じ、DeNAのデザイナーとして働く決意をしました。
ーー入社後についてお聞きします。実際入社してみてどうでしたか。入社前の印象と同じだった点や違っていた点などを含め教えてください。
大橋:入社してみて、思っていたよりもみなさん優しく、やりやすい環境だなと思いました。入社前の先輩の記事を読んだりすると、「新卒入社したてで戦場に放り出されるのでは?」と震えていましたが(笑)、大きな案件を任せてもらえるのは逆にうれしいですし、しっかりとサポートもしてくださっていたので、苦しいと思うことはそんなになかったです。
横山:1年間あっという間でした。期待通りだった点は、働く環境と人の良さです。違った点は、思った以上に裁量が大きいことです。これは学生時代とのギャップかもしれませんが、自分の力で業務を推進・判断していく力が当たり前のように求められます。
成塚: 「若手でも裁量の大きな仕事を任せてもらえる」という印象が入社前からありましたが、1年半働いてみて、想像していた以上に大きな仕事をたくさん任せてもらいました。この経験でスキルもかなり向上したと思います。
実家からリモートワーク中
ーー働き方について教えてください。現在の出社頻度はどのくらいでしょうか?
成塚:月に一度出社するかしないかぐらいの頻度です。ほとんどリモートで、自宅作業をしています。
横山:年に4、5回くらいの頻度ですが、このところは用事が多く、ここひと月で4回くらい出社しています。
大橋:実は私、入社初日から現在まで、実家からリモートワークをしています。
ーー遠距離勤務ですね?
大橋:そうなんです。コロナ禍で外に出られないような時期に、実家で過ごせてよかったと思っています。話し相手がいるのは精神的にも支えになりました。
ーーリモートワークならではのメリットですね。横山さんは?
横山:自分の性格によるところが多いのですが、周りの音と、人が周囲にいることが苦手なので、リモートワークによってそういったストレスが解消されています。とても快適に業務ができています。
成塚:モニターや机、椅子など作業環境を自由に変えることができますしね。1人で静かに集中して作業ができます。あと、通勤時間を削減できるのもメリットです。
横山:オフィスにはたまに出勤するのですが、偶然同期と出会って話したりできるので、良い刺激になります。
同僚には感覚がフレッシュな人ばかり
ーー同僚、先輩、上司…一緒に働く人はどんなタイプの人が多いのでしょうか?
大橋:同僚はそれぞれ得意分野は違うにせよ、何かに秀でている優秀な人ばかりだなと思います。先輩や上司は中途の方が多く、制作会社などでの経験も豊富です。博識で優しく、学びたいと思うような方ばかりだなと思います。
横山:普段一緒に働くのは『Pococha』チームのメンバーなのですが、感覚がフレッシュで仕事熱心な人が多いですね。サービスやユーザーのみなさんと真摯に向き合い、常に思考を働かせているような人たちで、見習うべきことが多いです。
成塚:常に冷静で落ち着いている人が多いですね。ですが、静かで口数が少ないタイプというわけでもなく、自分の軸がしっかりあって、それと異なる意見に対してはしっかり主張するようなタイプが多い気がします。
ーーDeNAで働くにあたり、気をつけていること、心がけていること、改めて勉強したことなどがありましたら教えてください。
大橋:とにかくなんでも挑戦し、わからないことは何でも聞くことを心がけていました。リモートですと、よりどんな業務をしているのか、どこで困っているのかが伝わりづらいので、そこの共有は密にしていました。また、わからないことを聞けるのは新卒の特権だと思うので、わかるふりをせず積極的に質問したり、デザインのフィードバックを求めるようにしていました。
横山:サービス内の造語や、ビジネス用語が飛び交ったり、構造が複雑な話が多かったりで毎度理解に苦しむので、素直に聞いたり調べたりするようにしています。自分は座学だとまったく頭に入らないので、わからないことがあれば勉強しながら進めています。
成塚:「できない時は頼る、わからないことは聞く」というのを気をつけています。「できないな」と思った時、わからないなりにまずやってみるということはもちろん大切ですが、得意な人に聞いた方が何倍も早く、高い精度の答えに辿り着けます。 デザイン本部のクリエイターは、尖った得意分野や専門領域を持っている方が多いので、UXに迷ったらこの人、Webデザインに迷ったらこの人に聞くといいみたいな専門家がたくさんいるので、考えてみてわからなかったらすぐに話を聞きに行くようにしています。
いずれはデザインと経営の両軸を考えたい
ーー今後どんなキャリアビジョンを描いていますか?
大橋:『Anyca』内で一通りのデザイン制作の進め方をマスターしたいです。現状まだ制作したことのないもの(印刷物など)があるので、そこを網羅して、どんな案件でも安心して打ち返せるまでになりたいなと思います。
そして、サービスのブランディングを一から作ることができるようになりたいです。ロゴ制作から、UIのトンマナ、プロモーションまで、すべてのクリエイティブを総括できるようになりたいです。
横山:まずは自分でサービスに対して成果を出すことです。まだよちよち歩きな感じなので、一刻も早く自立して業務を回せるようになりたいと思っています。また、本業に加えて、副業にも挑戦したいと考えています。
成塚:「入社3年目以内にデザイナーとして一人前の実力をつける」というのが入社時から自分が掲げている目標です。そのためにDeNAの日々の業務で経験や実績を積みつつ、新しい技術や知識を貪欲に学んで専門領域を磨いていく努力をしています。
ーーその先は?
大橋:デザイナーとしてサービス立ち上げの段階から関わり、新しいサービスを世に出したいですね。
横山:先の目標から今を考えるタイプではないので、正直特にビジョンがないですが、自分に納得のいく形で生きていたらいいなと思っています。
成塚:いずれはデザインと経営の両軸を考えることができ、デザインを上手く事業の中に組み込むことができるデザイナーになりたいと思っています。
ーーDeNAのデザイナーとして活躍できそうな人は、どんなタイプだと思いますか?
大橋:サービスをデザインすることに興味があり、目に見えるものだけではなく、目には見えない仕組みまでも整理することが好きな人が向いているかと思います。
横山:事業を良くするために真っ直ぐ進んでいけるような人だと思います。働いていると感情が邪魔をするようなことは多々ありますが、そんな場面でもロジカルに冷静に進んでいける強さを持っている人が社内に多いです。なので、その姿勢に適応できる人が向いているかと思います。
成塚:あとは、デザイナーという枠にとらわれずに、どんなことにも好奇心を持って取り組める人がDeNAのデザイナーに向いていると思います。
失敗よりも経験。挑戦させてくれる環境
大橋:どのサービスも、「自分ごと化して進められる人」がいいですね。UIの一部をただ改修して終わりではなく、「もっとこうすればよくなる」と提案できるような人材はかなり重宝されると思います。
成塚:表層のデザインができるだけではなく、UXやIAなどの視覚情報以外の設計ができるデザイナーが求められていると思います。プロダクトの体験や構造の設計ができるプロダクトマネージャーとして活躍できるデザイナーですね。
横山:デザイナーの知見を使って上位レイヤーまでどんどん考えて事業を推進していける人ですね。デザイナーは基本的に足りていないので、ぜひ来ていただけるとうれしいです(笑)。
ーーどんな分野に興味がある人が、楽しみながら働けそうでしょうか。
大橋:DeNAはごりごりのサービスのデザインから、かっこいいクリエイティブ制作までできる非常に恵まれた環境だと思います。幅広い案件がありますので、1つに特化するのではなく好奇心旺盛でどんなデザインも挑戦してみたいと思える人であれば、より楽しめると思います。
横山:業務ですることはさまざまなので、案件問わずに学習意欲高く取り組める人が楽しみながら働けると思います。また、頭を動かすことに興味のある人、課題や難題にチャレンジしたい人にはとても楽しい職場だと思います。
大橋:サービスの成長過程を見られるのは事業会社ならではですし、自分の業務がどんなKPIに紐づいているのかを意識できる環境は学生にはない体験だなと思いました。
横山:与えられた仕事だけではなく、自分で手を挙げればどんどん仕事がやってくる環境です。また、失敗よりも経験を重視して挑戦させてくれる環境です。そうしたことにやりがいを感じられるのが魅力かなと思います。
成塚:IT業界や課題解決に興味がある人は楽しみながら働けると思います。
横山:ぜひ少しでも会社を知りたいと思ったら、気軽にDeNA社員に話を聞きに行って欲しいです!
DeNA デザイン本部では、DeNAで活躍するクリエイターたちの活動を、さまざまなメディアを通してお届けしています。興味のある方はぜひフォローいただけるとうれしいです。
DeNA Design Magazine(note)
DeNA Design(Portfolio)
Twitter
Instagram
Facebook
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。
編集:フルスイング編集部 撮影:小堀 将生