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スマホが苦手な方にも使いやすく。『kencom×ほけん』のUX/UIデザイナーの挑戦

2021.10.11

「楽しみながら、健康に。」をコンセプトに、現在99の健康保険組合、約480万人にサービスを提供しているヘルスケアエンターテインメントアプリ『kencom』。

このサービスをより多くの方の健康に役立てたいと、DeSCヘルスケアが生命保険会社さまと一緒に取り組んでいるヘルスケアサービスが『kencom×ほけん』です。

利用者の新規獲得や継続率向上を目指し、より使いやすいアプリの実現に日々取り組む『kencom×ほけん』のプロダクトマネージャーとデザイナーに、『kencom×ほけん』のUX/UIデザインについて聞いてみました。

生命保険会社との協業で生まれた『kencom×ほけん』

ーーまず、『kencom×ほけん』のサービス内容について教えていただけますでしょうか?

馬場 敬子(以下、馬場):『kencom×ほけん』は、DeSCヘルスケアが健康保険組合向けに提供しているヘルスケアサービス『kencom』をベースに、生命保険会社さまとより多くの方に健康になっていただく機会を創出したいと新たに生まれたヘルスケアサービスです。

「楽しみながら、健康に。」をコンセプトに、歩数や体重などのライフログ記録や健診結果の閲覧、個々の利用者に合わせた日々の健康情報の配信の他、カラダの管理や健康によい活動を行うとポイントがもらえます。また2020年には育成ゲームも導入し、より楽しんで使っていただけるアプリに進化しています。

▲DeSCヘルスケア事業開発部サービスプロデュースグループ 馬場 敬子(ばば けいこ)
2003年入社。入社後はEC事業を中心に担当。協業案件に多く参画し、UX/UI設計、サービス開発、運用などの業務に携わる。2018年8月よりヘルスケア事業部に異動。健康保険組合向けサービス『kencom』の企画業務を経て、『kencom×ほけん』の初期立ち上げから携わり現在に至る。

ーーこのサービスは、誰でも利用できるものなのでしょうか?

馬場:『kencom×ほけん』は、特定の条件に合致した方が使えるアプリです。現在は、メットライフ生命さまの「あなたと会社の健康計画」(正式名称:新医療保障保険(団体型))と、朝日生命さまのお客さまにご利用いただけるようになっています。(※1)

※1……プレスリリース(https://dena.com/jp/press/4514

ーー馬場さんと『kencom×ほけん』の関わりはいつからですか?

馬場:ほぼ最初からです。取り組みが決まって、仕様・検討が本格的に始まるタイミングから参加しました。業務範囲は、“開発以外全部”です。いわゆるなんでも屋ですね。職種でいうならサービス企画やサービス運用全般になります。PdMというのが今風かもしれませんが、おこがましくて名乗れません(笑)。

各生命保険会社さまとのコミュニケーションを取りながら、使ってくださるお客さまに価値を届け、サービスを拡大させるのがミッションになります。

ーー『kencom×ほけん』のアプリは、白地にオレンジの色づかいで、とても暖かい印象を受けます。こちらのデザインはDeSCヘルスケアの内部の方が担当されているのでしょうか。

馬場:いえ、『kencom×ほけん』のUX/UIは、デザイン本部の菊池さんにお願いしています。

『kencom×ほけん』のUX/UIは、デザイン本部が担当

▲デザイン本部サービスデザイン部第四グループ 菊池 佳奈(きくち かな)
金沢美術工芸大学視覚デザイン学科卒業。広告代理店2社を経て2019年DeNA中途入社。入社後はヘルスケア事業部ので『kencom×ほけん』や、新規事業のアプリ、WebのUX/UIデザイン、マーケティングデザインやディレクターを担当。

ーー菊池さんが『kencom×ほけん』のデザインを担当されているということですが、所属はデザイン本部で、ヘルスケア事業部の業務を担当されているということでしょうか?

菊池 佳奈(以下、菊池):はい、デザイン本部は全社横断の組織になりますので、所属はデザイン本部になります。デザイナーは担当するサービスに応じて、各事業部の開発チームにアサインされる形になっています。

ーーヘルスケア事業部の業務に関わった経緯を教えてください。

菊池:私は2019年にデザイナーとしての採用でDeNAに中途入社しました。入社時に「DeNAの事業でどこに興味があるか」と聞かれ、ヘルスケアを希望していたこともあり、最初からヘルスケアのプロジェクト事業本部にアサインされました。

仕事の依頼はPdMから案件ごとにデザイナーに依頼

ーー馬場さんと菊池さんの関係性を教えてください。

菊池:私はデザイン本部所属ですが、ヘルスケア事業部のプロジェクトにアサインされているという形なので、基本的には馬場さんから案件ごとに仕事の依頼が来て、私がUIに落とし込むという形になります。「UX的にこっちの方がいい」などは柔軟に馬場さんと相談しながら決めていきます。逆にUIをあげたタイミングで馬場さんから「もっとこういうUIが欲しい」などの要望があれば修正したりもします。

ーー一緒に作っている感じですね?

馬場:いやいや、普段はほぼお任せです(笑)。

菊池さんは『kencom×ほけん』についてしっかり理解してくれているので、機能なりキャンペーンなりの概要や、こちらがやりたいことをお伝えすると、見える形で爆速で仕上げてくれるので大変助かっています。

あと、こちらがまだ明確に示せていない概念なども図にしてくれるのがうまいので、関係会社に見せる資料のイラストなどもお願いしてます。

ーー信頼度満点ですね。

馬場:安心感しかありません!(笑)

ーーPdMから信頼度満点の菊池さんですが、どんな経緯で今のお仕事に?

菊池:金沢美術工芸大学でビジュアルデザインを勉強していました。注力していたのは「コミュニケーションデザイン」で、単純なグラフィックデザインの美しさだけではなく、デザインの力でどう人々を動かすか、という勉強をしていました。

新卒で入った会社も2社目も広告代理店で、アートディレクターをしていました。デジタル上でバイラルマーケティングを行い、自分の考えたものが世の中で話題になることへの面白さは感じていましたが、商材そのものを変えられないこと、クライアントの商材に長く深く入り込めないことにジレンマを感じ、プロダクトそのものの領域でモノづくりをしたいと、DeNAを中途採用で受けました。

ーー入社時にヘルスケア事業での業務を志望されたということですが、前職でヘルスケア関連のお仕事に携わっていたのですか?

菊池:動物保護のための寄付を募るキャンペーンを代理店時代に企画したこともあり、元々社会課題の解決に興味を持っていました。なので「人々を健康にし、健康寿命を延伸する」という社会課題を解決できそうなヘルスケアを志望しました。

ーーアプリのUX/UIデザインの経験はあったんですか?

菊池:いえ、広告領域でのWebデザインやプロモーション経験はありましたが、アプリやサービス運用はほぼ未経験で入社しました。サービスの企画に関しては、利用者の立場で考えるという意味で前職と同じだったため、なんとなく親しみはあったのですが、アプリのデザインは見よう見まねで始めました。

当然うまくいかなくて、このままではダメだと感じ、いろんなアプリや国内外のUX/UIトレンドについて書いた記事を見て勉強したり、実装との連携をうまくはかるために個人的にコーディングや簡単なプログラミングを勉強したりしてとにかく試行錯誤していました。

UX/UIのトレンドがこう移り変わっているから、このアプリではこういうユーザー体験にしているから、アプリの各体験パターンはこうだから、実装がこういう仕組みでつくられているから、などを自分の中に蓄積してことでアイデアのストックを増やしていきました。

作業依頼だけに偏らないよう、必ず目的や効果も伝える

ーーデザイナー職とビジネス職、バックグラウンドも違うでしょうし、意志の疎通が難しそうなイメージがありますが、コミュニケーションで何か気をつけていることはありますか?

馬場:難しく話さないことでしょうか。なるべく平易な言葉でわかりやすく説明したいと思っています。あと、作業依頼だけに偏らないよう、必ず目的や効果も伝えるようにしています。

菊池:実際に形にしてみないといいか悪いか判断できない部分も多いので、とりあえず形にし、要件を固めていくというフローを取るようにしています。

各生命保険会社の方にUXを理解してもらうために、モックをつくってイメージしやすいようにすることもあります。ただ最近は忙しくてギリギリの提出になっている気がしますが……(笑)。

ーーおふたりのいい関係がいいデザインを生み出しているような気がします。

菊池:馬場さんは、いつも柔軟に意見を聞いてくださるのがとてもうれしいです。

元々『kencom×ほけん』にはUIガイドラインのようなものがなく、その時々でコンポーネントが変わっており、それによってアプリ全体の統一感に欠ける部分や実装の効率性が損なわれる部分がありました。それで、UIガイドラインの整備をしたいと馬場さんに要望を出したのですが、私の話に傾聴してくださって、ガイドラインの整備もある程度任せていただけるので、とてもやりやすいですね。

エンジニアの工数が逼迫しているときでも相談できますし、UXファーストで考えてくれている感じが頼もしいです。

ーー『kencom×ほけん』ならではの、苦労する点、工夫しているところがありましたら教えてください。

馬場:『kencom×ほけん』は年齢層が高い方が使われることも多いので、「スマホに慣れている自分たち」の目線だけにならないよう常に心がけています。ずっと使っているとその観点を忘れがちなので。

デザインの理由を持っている人と一緒に仕事したい

ーー今後、『kencom×ほけん』をどのように発展させていきたいと考えていますか?

菊池:『kencom×ほけん』は、基本的に保険会社さまと組んで実施しているので、どうしても開発内容が事業に左右されやすいです。ただ、プロダクトそのものの魅力をアップして、ユーザーの皆さまと事業をつないでいくことは必要かと思うので、そこのUX改善をもっと注力してやっていけたらいいなと思っています。

たとえば、現在各タブごとにそれぞれの機能が存在している点を、もっとアプリ体験全体としてつないでいけたらいいなと思います。ゲーミフィケーションを用いて健康タスクをこなしていく機能があるのですが、その機能を中心にすえることでアプリ全体の体験を設計することも考えています。

馬場:2つの取り組みが新たに開始されるので、それを成功させることと、もっともっと多くのお客さまに使っていただけるように拡大していきたいです。特に生命保険はお客さまと寄り添う期間が長期間になるので、それに負けないくらい長く使っていただけるサービスにしていきたいです。

いずれ、「このアプリだけでカラダのことは全部管理できる」くらいに機能も拡充していきたいですね。

ーーDeNAの働き方で特徴的と思うことがありましたら教えてください。

菊池:基本的にデザイナーにおいても自走した動き方ができると活躍できますね。与えられたものをデザインするだけではなく、自分からどんどん提案していくような……。DeNAは仕事への熱意を発揮できる環境が整っていると感じます。入社後もぐんぐん可能性が広がります。

ーー今後一緒に働きたいと思うタイプのデザイナーはどんな方ですか?

菊池:自分のやりたいビジョンがある方です。よいものをつくるときに、「こうしたい!」「こうするべきだ!」というビジョンを持っている人だとデザインに関してもUXに関してもこだわり抜けるという感じがします。尖りすぎているとそれはそれでよくないので、社会人として当たり前の柔軟性は持っていて欲しいですが……(笑)。

馬場:デザイナーのこだわりとしては持ちつつ、届ける先の人のことを常に考えてくれる方だとうれしいですね。ちょっとした違和感を感じたらそこで妥協しないで、「これが最適!なぜならば~」のデザインの理由を持っている人と一緒にお仕事したいです。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

編集:フルスイング編集部

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