課題はカギの受け渡し。「AnycaKEY」開発チームはどうユーザーの不満に向き合ったのか | フルスイング - DeNA

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21.04.21

課題はカギの受け渡し。「AnycaKEY」開発チームはどうユーザーの不満に向き合ったのか

DeNA SOMPO Mobilityが運営するカーシェアサービス「Anyca(エニカ)」。2015年9月にサービスをスタートしたこちらのサービスは、気分やシチュエーションに合わせて幅広いバリエーションのクルマを自由に選べる、共同使用の新しいカーシェアリングサービスです。

2021年3月29日、カーシェアするクルマのカギをスマートフォンで開けることができ、オーナーとドライバーが非対面でクルマの受け渡しができるシステム「AnycaKEY(エニカキー)」が提供開始されました。

この「AnycaKEY」の実現に向け、エンジニアながらプロジェクトリーダーとして事業を牽引した、株式会社DeNA SOMPO Mobility 事業本部事業推進部 部長の納家 寛人(なや ひろと)に話を聞きました。

「カギの受け渡しが面倒」。そんな不満を解消!

AnycaKEY

ーー「AnycaKEY」のサービスが開始しました。今までどんな課題があり、その課題に対してどう向き合ったサービスなのか、教えてください。

これまでのAnycaの個人間カーシェアにおいては、シェアの開始と終了時にドライバーとオーナーは対面してクルマとカギを受け渡す必要がありました。ドライバーからは、「早朝から使いたい」「深夜に返却したい」などの要望があるものの、オーナーからすると眠たい時間帯に対面でクルマとカギを受け渡すのは億劫であったり、そもそも返却時だけ予定が合わないなどで、シェアが成立しないことが多々ありました。ドライバー・オーナー・Anycaにとって機会損失でした。

納家寛人さん
▲株式会社DeNA SOMPO Mobility 事業本部事業推進部 部長 納家寛人(なや ひろと)
2018年にDeNA中途入社。前職では主にバックエンド全般のエンジニアとして開発・運用に従事。2019年に DeNA SOMPO Mobiiltyへ出向。入社以来、Anycaのサーバサイド開発で損保ジャパンの保険連携や法人共同使用の開発に携わる。趣味はランニングとサイクリングと娘。

そこで、ユーザの皆さんにとっての課題である「予定が合わないからクルマやカギを受け渡しできない」ということを真正面から解消しに行きました。カーシェアの開始と終了にはカギを受け渡す必要がありましたが、そのカギでの解錠と施錠をAnycaアプリを通じて行えるようにしました。

ここで「AnycaKEY」の使い方について簡単に説明します。

「AnycaKEY」の使い方

①クルマのオーナーが専用のキーボックスにカギを入れ車内に設置

キーボックス
キーボックス

②設置後はオーナーの「Anyca」アプリ(Bluetooth経由)でキーボックスを操作してクルマを施錠
※車外からのクルマの施錠と解錠はキーボックス内の物理的な装置がカギのボタンを押して作動させる

③クルマを予約したドライバーは「Anyca」アプリでキーボックスを操作してクルマを解錠

解錠
ボタンをタップして解錠します

④車内にあるキーボックスからカギを取り出し、クルマを運転

車内に設置したキーボックス
車内に設置したキーボックス

⑤クルマの返却時はカギをキーボックスに入れ、「Anyca」アプリでキーボックスを操作してクルマを施錠
※カーシェア前後にクルマのキズ確認をアプリで行っていただきます(目視で確認し、アプリに記録を残せる機能です)

「クルマにキズが……」など非対面で起きる問題を丁寧に解決

納家さん2

ーー「AnycaKEY」の開発に関して、特に苦労された点を教えてください。

実証実験なども含めると、私は1年以上本プロジェクトに関わっています。「AnycaKEY」 は内外からの期待があり、正直なところ実際は相当プレッシャーでした。最後まで、「開発が終わってリリースできるのか」「ユーザの皆さんに使ってもらえるのか」「セキュリティ的に問題ないのか」など、さまざまな観点で考えることが多くありました。寝る前に最悪なケースが思い浮かんでなかなか寝れない日もありました。

特にセキュリティには厳しく目を見張っていました。これまでのAnycaのセキュリティを担保しながらも、ユーザの皆さんにそれを感じさせないようにするにはどうしたらいいかなど、何度もチームで議論して、セキュリティ設計をして合意に至りました。

ーー逆に、開発中楽しかったことはありますか?

エンジニアでありながら、今回はプロジェクトリーダーの役割として推進しました。業務範囲は、協業先との技術的内容の契約書の確認からAnycaにフィットするのかなどの事前調査まで、エンジニアの強みを活かしてスピーディーにプロジェクトを進め、開発側にもスムーズに連携できたのはよかったです。

また、ハードウェアを扱うにも関わらず、新型コロナの影響で基本的にフルリモートで開発が進みました。しかしながらリリース前の最終チェックでは、感染予防につとめながら、社内エンジニアや協業企業なども集まって最終動作確認を行いました。目の前でアプリとデバイスが連動して一連の流れを確認できたときには本当に感動しました。

ーー新発想、新機能など、特にこだわった点がありましたら教えてください。

最初に、「AnycaKEY」をたくさんの人に使ってもらうということを念頭に置きました。これまでのAnycaでは、新しい施策などは徐々にサービス全体に広げていくのが定石でした。今回も最初に100台規模での実証実験をしましたが、思ったよりもうまくいきませんでした。というのも新しいモノは最初はユーザの皆さんにとってどうしても「なんだか怖い」「よくわからないもの」として捉えられがちです。そのため、とにかく一台でも多く「AnycaKEY」の対応車を増やすことをKPIとして、まずは使ってもらってそこから継続するかを決めていただく、という発想で進めました。

また、「AnycaKEY」で非対面シェアが可能になる一方で、我々が懸念しているのは、「いつの間にかクルマにキズがついていた」など非対面から起きる問題などへの対応です。我々のモットーでもある安心安全を担保するために、シェアの前後にクルマの写真を撮影して状態を記録できる機能を開発しました。ここは実証実験から何度も試行錯誤を重ねて開発・改修した部分であり、開発チームのプロダクトにこだわる姿勢がもっとも見られた部分の一つでした。他にも、忘れ物防止の機能や忘れ物があった場合に対応できる機能なども開発しました。

ーー現状、この「AnycaKEY」で対応できる車種はどのくらいあるんでしょうか?

約300車種ですが、順次対応数を拡大していく予定です。

対応車種の例
対応車種の例(対応車種一覧
※「AnycaKEY」が対応できる車種は約300車種ですが、実際に「AnycaKEY」を利用できる車種はオーナー様の申込状況で決まるため、現時点で実際に利用可能な車種数ではございません。

Anycaに受け継がれる「挑戦をやめない」DNA

納家さん3

ーー今後、この「AnycaKEY」をどのように発展させていきたいと考えているのか、近い将来と、その先の大きな展望について、納家さんが思い描く未来について教えてください。

「AnycaKEY」については、この先半年くらいは、一人でも多くのドライバー、オーナーに使ってもらいたいと考えています。「AnycaKEY」の便利な側面を感じていただくことで、個人間カーシェアの楽しさも同時に味わっていただけると信じているからです。我々としても、そのためにサービスやアプリの改善を日々行い、ユーザの皆さんに受け入れられるものを作りたいと考えています。

Anycaのサービス全体を通してで言うと、今後、Anycaを通じて個人間カーシェアが日本に浸透して欲しいと思っています。まだまだ他人の所有するクルマに乗ることに抵抗はあると思いますが、近い将来、クルマに乗るときは「Anycaが当たり前」くらいになっているといいなと思っています。 また、Anycaがあるからクルマを持てたという人を一人でも多く増やしたいです。我々の言葉では「利所有」と呼んだりもします。

加えて、その状態にできるのは日本ではAnycaだけだと思っています。「AnycaKEY」はその推進力の一つに必ずなると考えており、数年後には、「クルマはスマホでカギを開けるのが当たり前」という世界をつくりたいと思っています。

ーーこのプロジェクトを通じ、納家さんが得た「一番大きなもの」について教えてください。

最後に「AnycaKEY」の歴史について伝えさせてください。

実は、「AnycaKEY」という非対面のシステムを考えたのはこれが最初ではありません。Anycaの誕生間もない5年前からこの構想があり、何度も試行錯誤をしてきました。私がAnycaに参画するよりももっと前です。

こういった背景もあり、Anycaの中では「AnycaKEY」は「バージョン3」という位置づけです。過去のものはさまざま理由から日の目を見ることはありませんでした。

そのため、「AnycaKEY」は過去の「バージョン1」「バージョン2」という歴代の開発から生まれた集大成です。言わば「AnycaKEY」はAnycaに脈絡と受け継がれたDNAの集大成だと思っています。「ユーザーファーストをとことん追求しながらも、安心安全には一切妥協しない。真正面から社会課題に向き合いながらもユーザの皆さんにDelightを届ける」。過去のメンバーが作り上げてきたものを受け継ぎ、練り上げられたものだと感じています。私はただ単に最後のプロジェクトリーダーに過ぎません。

DeNAでは多様性を大事にして、アイデアは尊重されます。そこにはさまざま様々なサービスがありに多種多様なメンバーが働いています。一方で共通していることもあります。それは、「挑戦をやめないこととサービスへのこだわり」です。

私は「AnycaKEY」のプロジェクトを通じて改めてこれを認識しました。

そして、当時ただのエンジニアの一人だった私がその機会を得られたのもこの会社のよいところです。挑戦する機会は均等にあり、その挑戦を支えるメンバーがいました。このことは非常に恵まれていると思います。

 

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※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
※本インタビュー・撮影は、政府公表のガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿って実施しています。

 

編集:フルスイング編集部

 

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