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CULTURE

21.01.14

ITで事業と経営に「デライト」を。IT戦略の本気と本能

「ITで事業・経営に『デライト(Delight)』をもたらす」という重要なミッションを担っているIT戦略部。

会計や人事などのコーポレート基幹システムをはじめ、Slack連携などの社内ユーティリティ、各部署内の運用ツールなど、DeNAの社内システムはGUI(Graphical User Interface)/API(Application Programming Interface)のあるものだけでも100近く。しかも、それらの多くを内製しているという手のこみようです。

DeNAにおけるIT戦略の役割とその面白さとは?

IT統括部を率いる金子 俊一(かねこ しゅんいち)とIT戦略部の開発部隊のマネージャー 長谷川 淳(はせがわ じゅん)の2人に、社内向けのシステム開発だからこそ味わえる醍醐味を語ってもらいました。

社内システムの多くを内製&カスタマイズ

金子 俊一(以下、金子):DeNAのIT戦略部といえば、多くの社内システムを「内製開発」しているのが大きな特徴ですよね。

金子 俊一
▲システム本部IT統括部 統括部長 金子 俊一(かねこ しゅんいち)
2009年にDeNAへ中途入社。EC事業のシステム刷新、Y!Mobageの立ち上げに携わった後、インフラエンジニアに転身。DeNAの全サービス基盤を設計・管理するIT基盤部のマネージャー、部長を経て、現職ではDeNAの全システムを統括。趣味はサウナ(最上段&水風呂15℃以下)

長谷川 淳(以下、長谷川):はい、SIerに外注することはほぼないですね。スクラッチ開発することもありますし、SaaSのカスタマイズなどもしています。

金子:社内システムというと、業務とプロダクトが1対1で密接に紐づいているものが多い。SaaS製品は多彩にあってDeNAでも利用しているけれど、汎用性重視だから足りない部分もけっこうあって。だからSaaSで埋められない部分とか、SaaS間の情報連携とか、隙間を細やかに埋める開発をしてくれていますよね。

長谷川:人事データや会計データの利用は、特に細やかさが必要だと思っています。たとえば、人事データはログイン情報や各種権限などのあらゆる重要な制御に紐づける必要があり、緻密な連携は不可欠。あと管理会計は財務会計とは違って、会社独自の要件が多くなる分野です。切り口が会社や事業によって多種多様なので、ぴったり合うツールはなかなかありません。

多くの企業はツールに合わせようとするところを、私たちは自社の要件に合わせてアドオン開発やスクラッチ開発などを組み合わせ、カスタマイズしています。

長谷川 淳
▲システム本部IT統括部IT戦略部システム開発グループ グループマネージャー 長谷川 淳(はせがわ じゅん)
2009年DeNA入社、IT戦略部で社内システム開発を担当。2017年1月から現職。趣味はドラムを叩くことと年賀状を描くこと。

金子:単純なテックエンジニアとしてSIerの役割を社内で内製化しているわけではなく、一歩踏み込んだ「経営的な視点も持つエンジニアの集まり」であることがIT戦略部の強みだと思います。

長谷川:エンジニアでありながら経営や事業のことも踏まえた上で開発できるのは、とても面白い。なので外注開発しようと思ったことがないんです。

金子:私が社内システムも見始めたのは今年からなので、IT戦略一筋の長谷川さんにぜひ教えて欲しいんですが、「内製する文化」って昔からあったのでしょうか?

長谷川:そうですね、私が入社した時から一貫していました。十数年前は現在のように整ったシステムがあるわけではなく、グループウェアが1つだけあって、あとはエクセル管理。力技でなんとか乗り切っていた時代でした(笑)。でもその頃からずっと自分たちが使うシステム、ツールにはこだわりをもって開発してきましたね。

金子:最近だと、長谷川さんが開発してくれたSlackの「ワークフロー承認機能」はすごく便利ですよね。

長谷川:ありがとうございます。承認者である管理職は忙しく、ワークフロー承認って滞りがちで。そこでPCよりも手軽に、隙間時間でスマートフォンでも確認できるようにSlackを活用しました。

金子:承認リードタイムが5分の1になったんですよね?

長谷川:はい、5時間かかっていたのが58分(※)に短縮されました。自分が承認者になったときにbotが教えてくれ、その場ですぐに承認ができる画面設計になっているので、リアルタイム性が高まった結果だと思います。また、1営業日以上放置してしまった場合は、リマインド通知が来るので滞留しにくくなりました。

※……ワークフロー1件あたりの申請から決裁までの時間平均値

金子:システム構成としてはどのように設計したのですか?

長谷川:財務会計システムであるNetSuiteとSlackの間にGAE(Google App Engine)を挟み、なりすまし防止のためのJWTによるデータ署名や、ユーザーアクションの競合回避の制御なども実装しました。実工数3週間程度で実装した割には、コーポレートガバナンスからユーザー体験の向上まで丁寧につくり込めたと思っています。

金子:「痒いところに手が届く」と、社内でとても好評です。とはいえ、簡単にできることではないと思うんです。仕事の精度が高く、スピードも圧倒的です。なので、今日はIT戦略部の本気度、なぜスゴイのか、を長谷川さんと紐解いていきたいと思っています。

 

エンジニアの矜持を言葉にした、自分たちだけのミッション

金子:IT戦略部の仕事のレベルが高い理由って、技術力が高いエンジニアが揃っているのはもちろんですが、モチベーションを維持し続けられていることも一つの要因だと感じています。長谷川さんは、仕事をしていてどのようなことにやる気や醍醐味を感じますか?

長谷川:私は自分の技術と知識で開発したものを、身近な方に評価してもらえることがとてもうれしいし、自分の成長を感じることもできる。皆さんの役に立っている実感が持てて、モチベーションが高まります。チームを見渡しても、そういうタイプが揃っている気はしますね。

金子:内製しているからこその喜びはありますよね。社内がユーザーでクライアントで、目の前にいる。だから、フィードバックもダイレクトに感じられる。

長谷川:はい。「世界中の人に使ってもらえることがやりがい」というタイプのエンジニアは多いと思いますが、私の場合は、顔の見える近い存在の人に喜ばれることにうれしさを感じます。

金子:スコープは社内に向かうけれど、DeNAに根付く「ことに向かう」カルチャーによって、ただ粛々と目の前の業務をこなすのではなく、本質的な価値の追求に重きを置いている。むしろピュアな感じがします。

長谷川:そうですね。IT戦略部は社内の身近な方をターゲットとして「安心できる環境の提供」「効果的なユーザ支援」「改善提案と変革」に取り組み、ITで社内から事業・経営を支えている。ことに向かう姿勢は他の部署と変わらず、ITの力で新しい価値を生むことを目指してその価値を追求できていると思います。

金子:「ITで事業・経営にデライトをもたらす」ですね。

「IT」をあえて頭に入れたところに、エンジニアとしての矜持を入れ込んだ感がありますよね。特にコーポレート部門は、その分野ではエキスパートでも、相対的にITに弱いということはありがちなもの。だからDXなども多く叫ばれるわけで、いま世の中で最も求められている領域とも言えるわけだし。

長谷川:ITのスペシャリストとしての側面だけでなく、ジェネラリストとの両輪を持つメンバーも多いと思います。経営とITの視点の架け橋になる「視野の広さ」を持ちながら、高いレベルで手を動かせる。そういうメンバーが自然と集まっている気がします。

 

内側から挑戦できる環境が、エンジニアの成長を促す

金子:あと高い技術をメンバー間で磨きあっているのも魅力だと思います。特に長谷川さんのチームは勉強会もよくやっていますよね。

長谷川:はい、私がそういうのが好きで(笑)。新しい技術が出てきたときには、メンバーと情報を共有して、お互いに切磋琢磨しながら着実に成長している感があります。

金子:みんなやっぱり技術が好きなんですよね。

長谷川:やはりエンジニアは、自分の習得した技術でつくったものが動いたりすることに楽しさを感じるので、新しい技術には目がないです。

加えて、「新しい技術をキャッチアップし続けていかないとエンジニアとしての価値が落ちる」という側面もあります。

言語なども流行りがどんどん現れて、衰退するスピードも早い。エンジニアとしての価値を維持するために、相当早いスピードの下りエスカレーターを一生懸命逆走している感じですね(笑)。

金子:単純なミーハーというか、新しい物好きとも違いますよね。

長谷川:違いますね。不思議なもので、自分たちが求めているものを具体的に思い描いていると、そこにフィットする技術ってフッと降りてくるんです。世の中同じような悩みを抱えている人が多くいれば、それを解決してくれる手段も出てくるもので。それを周囲より一歩早く知り、率先して使いこなせるようになることにワクワクします。

金子:Go+GAE や Node.js+GAE という構成のツールも多いですよね?

長谷川:はい、世間一般から見たら少し遅いかもしれないですが、いわゆる社内システムですでに使っているのは早いというか、少数派かもしれませんね。

社内システムってつくりかえることを恐れる分野だと思うんです。でもエンジニアとしては新しい技術に積極的に取り組んでいかないと、既存システムの技術は古くなりメンテナビリティが下がっていく。自分たちが単にジェネラリストとして周りの人の笑顔を支え続けるだけであれば、今あるものを壊さないことに価値を見出すと思いますが、私たちは同時にスペシャリストなので、質の高いものをつくり続けることに価値があると思っています。

勇気をもって古い技術から脱却し、挑戦し続けることが自分たちの使命かなと。

金子:なるほど。巷で「技術負債」と言われているものって、古い技術から脱却するチャンスは何度もあったのにそれを逃し、新しい技術に切り替えるタイミングを失ったものだと思うんですが、それを避けるには技術者の“本能”みたいなものが重要な気がします。

長谷川 淳

長谷川:確かに本能的に感じる部分はありますね。技術の進化って急こう配かつ非連続なこともけっこうあって。タイミングを見誤ると、修正ではなく全壊してつくり直さないと取り返せなくなってしまうという感覚を持っています。この危険を本能的に察知する能力がDeNAのエンジニアは強い。「あ、これを逃したらやばそう」というタイミングから目を逸らさずに取り組んでいくというか。

金子:それは先天的に持っている本能ではなく、今までの業務の積み重ねと日々の情報収集で培われる能力なんでしょうね。

 

安心して目の前の「こと」に向き合えるワケ

長谷川:金子さんが統括部長として、私たちエンジニアに期待していることって何ですか?

金子:やはりエンジニアとしての本能の部分は大事にしてほしいし、部署や担う領域に止まらず、常に新しいことに目を向け、技術的なチャレンジを続けていってほしいと思っています。

長谷川:金子さんは新しい言語やシステムを試したいという声を積極的に拾ってフィードバックをくれたり、試す機会を与えてくれたり。そのやりやすさは大いに実感しています。

金子 俊一

金子:(笑)。あと私自身が意識していることは、コミュニケーションの取り方でしょうか。エンジニアって基本的に口下手な人が多いと思っていて、だから何か取り組みたい業務があっても、その効果を説明するのが面倒だったり苦手だったりして。メンバーの本能を信じているので、「定量的な効果は?」「リスクは何%?」など細かいところは最初はあえて詰めないようにして、段階を踏みながら進めるようにしています。

長谷川:そこの意図を汲んでくれて周りとの交渉や翻訳機能を果たしていただけるのは、とても安心感があります。新しいことへの挑戦に足踏みする必要がない。

金子:コミュニケーションという点では、経営層との対話もとても重視しています。新たなシステムを組む、カスタマイズするときに、責任者としてきちんと説明して、会社の経営方針として合意すること。全社に展開することによって、みんながスムーズに物事を進めることができるかなと。

実はこれは以前、「ITインフラを全面クラウド化」することを決めたときに実感したこと。経営層としっかり詰めることは、みんなの動きやすさに直結するんですよね。

長谷川:環境整備をしてもらえているから、我々エンジニアは安心して業務に集中できているんですよね。あらためてありがとうございます。

金子:いやいや。ただ私はきちんと全体を俯瞰して見た上で、優先度をつけて総合的に最適化していく。その代わり、現場には思いっきり挑戦してもらう。この発散と収束の両面が大事だと思っています。

 

今いる持ち場に物足りなさを感じている、少し尖った視点を持っているあなたに!

金子:ところで「IT戦略部」という部署名ですが、社内システムを扱うIT部門に「戦略」とついているのは珍しいですよね。

長谷川:Mobage(モバゲー)がヒットした頃に付いた名前だったと思います。会社の成長と共にIT利用についての価値も見直しましょう、という意図が含まれています。

だから、これからもDeNAの成長のために、新しいものをどんどん取り入れていきたい。

金子:その為には、長谷川さんはどんな仲間が増えたらいいと思いますか?

長谷川:スペシャリストとジェネラリストの両輪を持った人が理想ではあるものの、もう少しどちらかに寄った方がいるとさらに面白いチームになるのではと思っています。金子さんはどう思いますか?

金子:私は情シス歴15年のベテランみたいな、いわゆる情シスのセオリーが頭に叩き込まれている方に入ってきてもらうのも面白いかなと思います。殻を破りたいけど、チャレンジしにくい組織環境で現状に物足りなさを感じている……、そう思っている方がいたらぜひ来ていただきたい。

我々の組織は正解やセオリーに縛られない、柔軟な思想でどんどんチャレンジできる環境だと思いますし、逆に一般的なセオリーとしての知識を持っている方は、きっと私たちにとっても心強い存在になると思います。

長谷川:あとは、じっくり向き合うことで生み出せる価値ってあると思うので、長い目で取り組んでいただける方がいいですね。実際今いるメンバーは比較的社歴の長い方も多い。社内をしっかりよく見てこそ、ひらめきやアイデアは浮かぶし、目の前の仕事に向き合いたい方が向いているかなと。そのような働き方ができる風土や環境も整っている部署ですよね。

金子:そうですね。

長谷川:と色々言いましたが(笑)、とにかく、私たちと一緒にDeNAの事業と経営を支えたいと思ってくれる仲間が増えたらうれしいです!

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※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

 

聞き手:箱田 高樹 執筆:日下部 沙織 編集:フルスイング編集部 撮影:小堀 将生

 

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