ハマスタから世界へ。COO岡村がめざす「DeNAらしい"まちづくり"」|CEATEC2019講演レポート | フルスイング - DeNA

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CULTURE

19.12.20

ハマスタから世界へ。COO岡村がめざす「DeNAらしい“まちづくり”」|CEATEC2019講演レポート

2019年10月に開催された日本最大級のIT技術の総合展示会『CEATEC 2019』。これまでの家電メーカーによる展示から、IT技術の総合展示会に変化を遂げています。DeNAは、そのCEATEC 2019にオートモーティブ事業を中心に初出展。また、COO岡村信悟(おかむら しんご)による「AIxインターネットが創る未来社会」についての講演も行われました。

第三次産業革命期である今。ポイントになる「3つのインターネット」を軸にDeNAの今と、これから挑戦する未来について語った岡村。岡村の見据える先には、壮大な「まちづくり」構想があると言うのですが、それはどのようなものなのでしょうか。当日の講演をまとめます。

 

挑戦しつづけるDeNAで働いてみる!

これからの世界に革命を起こす「3つのインターネット」

アメリカの経済社会理論家ジェレミー・リフキンは、「輸送」「通信」「動力」が主要な産業領域であり、その3つに同時に技術的革新が起こり融合することで起きた大きな変革が「産業革命」であると言います。

次の産業革命級の変革をもたらすのは、「通信」領域の技術的革新であるインターネット、「輸送」領域の自動運転、「動力」領域の再生可能エネルギー。これら3つを融合させるカギがIoT(Internet of Things)です。

そして、IoTによって生み出されるモビリティインタネット、コミュニケーションインターネット、エネルギーインターネットの3つが、これからの産業を大きく変えていくと言います。

コミュニケーションインターネット
これは今まで私たちが使ってきたインターネットのことです。これがIoT化することで、「人と人」から「人とモノ」を繋ぐインターネットに発展していきます。

モビリティインターネット

「バス、タクシーなど輸送にかかわる最大の課題は、高齢化に伴う人手不足。これを解決していく過程でモビリティインターネットが形づくられていきます。

まず初めに、ビッグデータ、IoT×AIによる生産性の向上を用い、交通を可視化する。つまり、どこでタクシーの乗降が多いかなどを知ることができ、どのコースを通れば運転手が効率よく移動することができるのかが明らかになります。我々もビッグデータ×IoT×AIにより、生産性の向上や交通の可視化を進めています。

さらに、自動運転による交通の無人化が目の前に来ている現状を踏まえ、DeNAではすでに日産と組んで「Easy Ride」の実証実験を横浜で取り組んでいます。

このような輸送のオープン化や共有化、規格化と共にモビリティパケットの一般化により、最適なロジスティックを体現した世界が実現すると考えています」

エネルギーインターネット

「2015年のパリ協定以降、燃やす文明との決別が求められています。これは、次世代に向けて、我々が持つべき義務だと考えていますし、災害時でも地域それぞれが自立的なライフラインを維持し復旧に向かう。生命力がきちんと宿らないといけないとも考えています。

そこで、特に我々が着目しているのが、IoTによるEV(Electric Vehicle)と再生可能エネルギーの統合制御、つまりエネルギーインターネットです。

電気を発生させ溜めておき、必要な時に使うという再生可能エネルギー。電気を溜める蓄電池として役に立つと想定しているのがEV、つまり電気自動車です。

IoTによる必要な電気量の地域ごとの需要と供給の調整、統合と制御をすることで最適な需給調整が可能となる。自律分散型社会の実現ということにつながると思います」

産業革命を支えてきた動力、通信、輸送分野が、これらのインターネットが進化していく中、DeNAはその時流にどう乗るのでしょうか。

そもそもDeNAとはどのような会社なのか。「事業幅の広さに対し『一体なにがDeNAなんだろう』というところが極めてインターネット的である」と岡村。そこには、DeNAの歴史=インターネットの歴史という構図が見て取れました。

 

進化を遂げる。インターネットの歴史=DeNAの歴史

90年代、パソコンのオークションサイト『ビッダーズ』をメイン事業にしたDeNAは、携帯電話の普及に伴いケータイ向けオークションサイト『モバオク』を始め、次にガラケーの進化に合わせてモバイルゲームや『モバゲータウン』で急成長を遂げます。

ゲームの内製化を経て、オープンプラットフォームを開始。スマートフォンの爆発的な普及の中、ソーシャルライブストリーミングサービスを始めるなど動画配信技術などの技術進化を取り込んだサービスを展開しています。

インターネットが進化しつづけるように、DeNAも「永久ベンチャー」を掲げ、新しいサービスの在り方を模索し切り開いています。それが顕著に現れているのが、インターネットの世界から挑戦している以下の3つの新しい事業領域です。

 

3つの事業で見るDeNAの今。そして、これから。

「2014年から始めているヘルスケア事業。病気になってからの治療を目的にした「シックケア」ではなく、楽しみながら健康な生活をつくっていく健康寿命を延伸する「ヘルスケア」ということを考えています。

歩くだけで楽しみが増えていく『歩いておトク』はゲームのエンターテインメント性、スポーツのエンターテインメント性などとつながって、健康づくり自体が楽しみになる取り組みです。

また、今急速に普及している『kencom』。ビックデータ、つまり、検診の結果やライフログなどの健康データを集め、各人に応じた健康づくりへのレコメンデーションを行います。健康保険組合向けには80健保、300万人にご利用いただいている、楽しみながら健康リスク軽減が期待できるサービスです」

「人間を阻害してきた移動がどんどん自由になっていく。これこそがまさに我々人類の進歩になるでしょう。オートモーティブ事業は、高齢者も含めた各人がそれぞれに応じて自由に移動ができるような形を実現するということになると思います。

具体的には、個人に寄り添った移動サービスであるタクシーに注目しています。次世代のタクシー配車アプリ「MOV」では、タクシー自体を、車自体をIoT化することを進めています。神奈川、横浜で非常に多く普及し、また、東京大阪京都にまでシェアを広げています」

移動のIoT化に合わせてポイントになるのがAIだと言えるでしょう。

「AIを自在に活用し、事故削減支援サービスも展開しています。事故につながる前に運転中に潜在的なリスクをAIで徹底的に抽出し、危ない場所やよそ見運転が多いなどの情報をドライバーにフィードバック。最大50%近い事故の削減を目指しています」

オーナーやドライバーと共に、車というモノを共有することで、環境にも負荷を与えず、社会を維持していくコトにつなげるシェアリングサービスやシェアリングエコノミーの台頭も目立つと言います。

「個人間カーシェアリング「Anyca」 も、現在、会員数が25万人以上、登録数も8000台に増え、これから一層普及していくことでしょう」

そして、スポーツ事業。DeNAのスポーツ事業はますます拡大しています。川崎を基盤にした川崎ブレイブサンダース、瀬古利彦さんをフェローに迎えた横浜DeNAランニングクラブも運営しています。

「今年で8シーズン目になる横浜DeNAベイスターズ。おそらく、他の球場にはない独特の空間で、ライブエンターテインメントの醍醐味を十分に味わってもらえると思います。

それは、『野球観戦+α』を軸にしたコミュニティボールパーク化構想。つまり、家族や職場の同僚、野球が好きでない人とみんなでスタジアムに来ても、ハマスタ名物のビールやメンチカツなどのスタジアムグルメを楽しむ。空気感にワクワクする。こうした観戦体験の向上を、イベントを充実させるということです」

「スポーツ事業はまだ萌芽的で、AIを利用しているという段階ではありませんが、ヘルスケアとモビリティでは、データサイエンス・ビックデータ、IoT、AIという3つの特徴が顕著に表れているのではないでしょうか」

そう語る岡村は、今までの取り組みを踏まえ、インターネットと共に進化する新たにアプローチとして、「まちづくり」をあげます。

 

「スマートシティ」だけではない。真の「まちづくり」とは

再生可能エネルギーを中心とした電力インフラの構築。それを動力とする交通インフラ、EVを最大に活用できるオートモーティブ、自動運転の実現。

それらが、最大の効率と生産性を生み出す、災害時にも停止しない便利で快適なスマートシティを構築するといいます。しかし、岡村の目指す「まちづくり」には続きがありました。

「効率と生産性というものは、我々の目指す最終ゴールではありません。DeNAは、インターネットという舞台において、個を、一人ひとりの世界があるということを重視してきました。

つまり、感情と向き合い、行動の変容をうながす、お客様と生産性をマッチさせ、楽しいサービスとして持続的に創出することが我々の真のゴールであり、エンタメに精通し、インターネットと共に育ったDeNAらしいアプローチだと思っています」

そういったまちづくり構想の起点になるのがハマスタだと語ります。なぜハマスタが起点なのでしょうか?

 

ハマスタ起点の「まちづくり」に込めた想い

「人々の感情と向き合い、行動の変容を促す起点はハマスタのボールパーク構想です。

3万5千人ほどの人たちが集まるハマスタこと横浜スタジアム・ボールパークは、インターネットの3つの分野、通信、輸送、エネルギーの先端技術を実現する格好の舞台です。

2019シーズン、スタジアムに100台のドローンを飛ばしたり、プロジェクションマッピングを実施したりしましたが、そうした演出を再生可能エネルギーでまかなえたら素晴らしいと思います。

また、ライブストリーミングやライブビューイングなどの人々をつなげる・通信の世界や大勢の人を効率よく輸送する大量輸送交通。自動運転のラストマイルやEV100のパーキング。まさに、ゼロエミッションスタジアムの実現です。

ベイスターズの試合は、横浜にとって一大ライブエンターテインメントイベントになっていると言えるでしょう。ハマスタのボールパーク構想を出発点として、IT、AI、3つのインターネットによるまちづくりスキームを横浜の街全体に広げていきたいと考えています」

 

横浜から始まる「文化」づくり

人と街がスポーツで元気になることを目指し、地域に密着した球団運営をしたきた岡村。社会システムの変革を長い目で見た時の「文化」つくりについて、こう説明します。

「再生可能エネルギーをつくり、持続可能な社会を実現し、モビリティで人の自由を得る。さらに健康寿命を長くする中で、人間が人間らしく生きて次世代にバトンタッチをすることです。そして、それはエンタメを起点とする産業と文化の創造であるともいえます」

横浜は日本のパラダイムシフトがずっと起こってきた街です。鎌倉幕府の成立、160年前に日本が開国したときには横浜が玄関口となりました。近代日本をけん引してきた開国の街、横浜。

新しいインターネット社会で支えられる、極めてインターネット的世界を、横浜でつくり上げたい。この新しいライフスタイルフォーマットを世界へ発信展開したいと考えています」

 

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

執筆・編集:菊池 有希子  撮影:石津 大助

 

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