DeNAではゲーム事業の新卒のデザイナー育成のため、3年目まではさまざまなプロジェクトを経験し、視野を広げながらコアスキルを見出してもらうための取り組みを行っています。
その一環として、2019年9月に新卒2年目のデザイナー2名がデザイン部マネージャーたちと一緒にマレーシアを訪れ、現地のデジタルクリエイターを育成する大学や専門学校、CGスタジオを見学。さらに訪問した学校では、ワークショップを開催し、現地の学生クリエイターとの交流を深めました。
マレーシアの現状を目の当たりにした2人は、この視察を通じてどんなことを感じたのでしょうか。現地の制作事情や日本との環境の違い、デザイナーとしての今後の課題や目標など、余すところなく語ってもらいました。
予想以上にハイレベルだったマレーシアのクリエイティブ
坂元 温子(以下、坂元):今回の出張は、学校の訪問とそこでのパネルディスカッションがメインでした。1週間の日程で4校を視察、そのうち3校でパネルディスカッションを実施し、あとはレモンスカイというCGスタジオを見学しました。
實川 早紀(以下、實川):パネルディスカッションでは、学生さんのポートフォリオなどを見つつアドバイスをしたのですが、まずは3Dのレベルの高さに驚きました。日本の学生でここまでできる人は少ないのでは?と思うほどのハイレベル。特に3Dに関しては即戦力になる人材が豊富だなと思いました。
一番印象に残ったのは、人の表情の作り方とシェーディングです。特に陰影のつけ方が違いましたね。日本では、モノの見方が平面的で、そういう絵を好む傾向があるのですが、マレーシアでは影のつけ方にリアリティがありました。わかりやすく言うと、ピクサーに近い感じですね。
坂元:また学生さんのポートフォリオを見ながら作品のこだわりやアピールポイントを聞くワークショップも行ったのですが、話を聞いていくと、一見ポートフォリオを見ただけではわからなかった作品への想いや意図が伝わってきて……。
これは日本の学生にも共通するところなのですが、何を考えて作ったのか、これを見ることでどういったものを感じて欲しいのか、どういう意図のある作品なのか。そういう要素を意識してポートフォリオを制作し、更にきちんと説明できることって、とても重要なんです。
實川:確かにポートフォリオでそれができている学生って、マレーシアも日本も少ないと感じます。
坂元:学校の課題も、どういうことを考えて自分はその課題に取り組んだか、何を表現したかったのかをしっかり落とし込むことが大切です。学生時代は私も含め、課題提出時にこれを指摘されることが多かったので、もっと人に伝わるような見せ方ができるとさらに良くなるのにな、と実感しましたね。
学校と企業の連携で、プロとして活躍できるカリキュラムを展開