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CULTURE

19.11.29

ゲームクリエイターとして描く次のステップ。新卒2年目のデザイナーがマレーシア視察で得た学び

DeNAではゲーム事業の新卒のデザイナー育成のため、3年目まではさまざまなプロジェクトを経験し、視野を広げながらコアスキルを見出してもらうための取り組みを行っています。

その一環として、2019年9月に新卒2年目のデザイナー2名がデザイン部マネージャーたちと一緒にマレーシアを訪れ、現地のデジタルクリエイターを育成する大学や専門学校、CGスタジオを見学。さらに訪問した学校では、ワークショップを開催し、現地の学生クリエイターとの交流を深めました。

マレーシアの現状を目の当たりにした2人は、この視察を通じてどんなことを感じたのでしょうか。現地の制作事情や日本との環境の違い、デザイナーとしての今後の課題や目標など、余すところなく語ってもらいました。

予想以上にハイレベルだったマレーシアのクリエイティブ

坂元 温子(さかもと あつこ)
▲株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテインメント事業本部ゲーム事業部Develop統括部デザイン部UI/UX第一グループ 坂元 温子(さかもと あつこ)
2018年新卒入社。学生時代は美大でデザインを専攻。入社後は約半年の研修期間を経て、UI/UXデザイナーとして新規・運用複数のプロジェクトでアセット制作や新機能の設計などを担当。2019年からは新卒採用や育成にも携わっている。

坂元 温子(以下、坂元):今回の出張は、学校の訪問とそこでのパネルディスカッションがメインでした。1週間の日程で4校を視察、そのうち3校でパネルディスカッションを実施し、あとはレモンスカイというCGスタジオを見学しました。

實川 早紀(以下、實川):パネルディスカッションでは、学生さんのポートフォリオなどを見つつアドバイスをしたのですが、まずは3Dのレベルの高さに驚きました。日本の学生でここまでできる人は少ないのでは?と思うほどのハイレベル。特に3Dに関しては即戦力になる人材が豊富だなと思いました。

一番印象に残ったのは、人の表情の作り方とシェーディングです。特に陰影のつけ方が違いましたね。日本では、モノの見方が平面的で、そういう絵を好む傾向があるのですが、マレーシアでは影のつけ方にリアリティがありました。わかりやすく言うと、ピクサーに近い感じですね。

實川 早紀(じつかわ さき)
▲株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテインメント事業本部ゲーム事業部Develop統括部デザイン部3D第一グループ 實川 早紀(じつかわ さき)
2018年新卒入社。学生時代は油画を専攻しつつ、IT企業でのUIデザインや地域住民向けワークショップ、イベントの企画・運営を経験。現在は新規開発のプロジェクトでキャラクターモデリングを担当。

坂元:また学生さんのポートフォリオを見ながら作品のこだわりやアピールポイントを聞くワークショップも行ったのですが、話を聞いていくと、一見ポートフォリオを見ただけではわからなかった作品への想いや意図が伝わってきて……。

これは日本の学生にも共通するところなのですが、何を考えて作ったのか、これを見ることでどういったものを感じて欲しいのか、どういう意図のある作品なのか。そういう要素を意識してポートフォリオを制作し、更にきちんと説明できることって、とても重要なんです。

實川:確かにポートフォリオでそれができている学生って、マレーシアも日本も少ないと感じます。

坂元:学校の課題も、どういうことを考えて自分はその課題に取り組んだか、何を表現したかったのかをしっかり落とし込むことが大切です。学生時代は私も含め、課題提出時にこれを指摘されることが多かったので、もっと人に伝わるような見せ方ができるとさらに良くなるのにな、と実感しましたね。

 

学校と企業の連携で、プロとして活躍できるカリキュラムを展開

school hopping malaysia

坂元:マレーシアの学校は、現在ゲーム業界で必要とされているスキルやテイストをかなり意識している気がしました。学生たちの就職を視野に入れて卒業までのカリキュラムを組んでいるところが印象に残りましたね。

實川:私はなりたいものがはっきりしているタイプで、私のように進みたい方向性が決まっている人にとっては、マレーシアの環境は羨ましいと思いました。

school hopping malaysia

坂元:入学して勉強することがゴールではなく、きっちり勉強した上で就職することが学校運営をする上での大きな目的になっているのかな、と。その部分での日本とのギャップにはかなり衝撃を受けましたね。

實川:私は、中学高校は美大附属に通っていたので、ずっと美術畑で。大学は美大の油絵科で、3年の終わりくらいにパソコンを買いました。今でこそ会社で3Dモデラーをしていますが、それまではずっとアナログで絵を描いていたんです。

坂元:私は高校までは普通科です。高校受験で一旦絵からは離れましたが、やっぱり絵を描きたくて、美大のデザイン科に入学しました。元々ゲームもイラストを描くのも好きで、中学生の頃からパソコンを使っていました。ゲーム業界に進みたいという想いは、高校に入る前からふわっとはありましたね。

實川:日本では、まず大学に入る段階で大枠の進路をふんわりとは決めるものの、入学後にはっきりした道を決めきれずに時間が過ぎてしまって、就活に向けた準備も勉強もできていない、みたいな人が多いと思うんです。その点マレーシアではかなり早めの段階で進路を決めているので、学校に通っている時間はそこに向けてきっちり学んでいるのが大きな違いかと。

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坂元:日本の学校は、学んだことを就職に繋げられるかどうかは、生徒個人にゆだねられていると思います。一方マレーシアでは「現在業界で必要とされているスキルは何か」「今このソフトが使えるとこういった業界で有利になる」「今求められているのはこれ」「作品のテイストもこういうのだったら就職口が豊富にある」といったことをかなり意識していましたね。

特にザ・ワン・アカデミーの、ハリウッドの企業に所属する現役クリエイターが行うオンライン授業はうらやましい限りです。企業側としても優秀な生徒をそこで発掘できるメリットもあるし、こういった取り組みが日本でも増えていくといいなと思います。

實川:その上、学生の学んでいる内容が、一人で1本の映像作品をつくってしまえるほどの濃さなんですよね。モデリングはもちろん、3Dに関して言うと、テクスチャー、リギング、モーション、アニメーション、ライティング、さらにプログラミングでコードまで書いたり。全てを学んでいて、とても刺激を受けました。

school hopping malaysia

 

自分がやりたいことをスキルではなく、マインドで深掘りしてみる

實川:これは、今の学生にっていうより数年前の自分に向けてなんですけど、日本は独学で、特に3Dに関して学ぶのがすごく難しいんです。日本語の書籍も少ない。なので、将来3D制作を視野に入れるのであれば、情報のキャッチアップをすること、早い段階で関連ツールを触り始めることが大切だと思います。

MayaでもBlenderでも何でもいいから、とにかく触ってみる。そしてSNSやメディアなどを通じてアーティストの発言に触れる。そういう地道なひとつひとつが大事だと感じますね。

坂元:ゲームって映像だけじゃなくさまざまな関わり方があって、例えば最初は3Dに絞った絵作りをしてきたけれど、実際にやってみたら別の表現をしてみたくなった、なんてこともあるんじゃないかと。

私はUIデザイナーなので、3Dをやっている實川さんとは感じ方が違うかもしれませんが、マレーシアでは2Dも3Dもデッサンもやる、そして2年目以降に自分の専門分野を決めていく、といったカリキュラムの学校もありました。

やっぱりある程度触れてみないと自分が何をやりたいか分からないと思うので、自分の興味のある分野の中でいろいろ手を出してみるのも大事かなとは思いますね。

實川 早紀

實川:昔の話になりますけど、私は絵を描きたくて、やれることには色々と手を出していました。ですので、この業界を目指す人でもしもやりたいと思うものが決まっているのなら、迷わずやった方がいいよ、と思います。

坂元:それはそうですね。實川さんが学生の時に自分が3Dをやる未来が見えていたら、そこを専門に突き詰めていたってことですよね。

あとは、自分がゲーム業界に関わりたいという意思が少しでもあるなら、どういう関わり方がしたいのか、ゴリゴリにビジュアル表現を詰めていきたいのか、またはチームで何かを作る楽しさの部分に魅力を感じているのかなど、自分がやりたいことをスキル面よりもマインドの部分で深掘りしてみるっていう方法もあるかと思います。

 

自分の専門とするフィールド外にも積極的に

實川:ザ・ワン・アカデミーの学生さんのように、ハリウッドのクリエイターによる授業を受け、レモンスカイさんのような3DCGに特化した会社に入社し、アメリカの3Dアニメーションやゲームの案件に携わる。そうしてスキルが先鋭化していくのを見ると、自分の専門とするフィールド外にも積極的に動いて広く知識や理解を深めていく必要があると感じています。

坂元:ゲームをつくる上で私たちがすべきことって何だろうなって考えた時、人と人とがコミュニケーションを取りながらイメージを形にしていく、ということが大事だと思うんです。

クリエイティブのスキルに特化するだけではなく、さまざまな分野に対する知識をもっていろんな人とコミュニケーションしながらそれをビジュアルとして表現していく、チームでまとめていく、みたいな動き方をするのが大切なのではと。

實川:確かに。あと、日本の3Dデザイナーは役割が細分化されていて、モデリング、リギング、テクスチャー作る人、など作業を分担している会社が多いですが、マレーシアの学生や会社を見ると、一人で全てををやり遂げるだけの知識がある。

そうなるとイメージの一貫性もキープでき、もちろん効率もクオリティもアップする。それぞれのパートでは日本にもすごい人がたくさんいますが、すべてできる人は珍しくて……。2Dにも言えることですが、すべてをまかなえるデザイナーが増えると、日本ももっと競争力がつくんじゃないかなと思います。

坂元 温子

坂元:モデリングがものすごく得意とか、テクスチャー描くのが得意、といった強みをもった上で、他の部分に対する知見やクオリティを上げていくポイントが分かっていれば全然違うでしょうね。自分の専門外のことも、知識があればその部分の担当者とのコミュニケーションを取りやすいし、相手から意見やフィードバックをもらうことはクオリティを上げていくための下地になります。

實川:そういう意味では、いろいろなことに手を出してみるのも悪くないですね。そういえば私たち、入社後の最初の研修で、モーションもエフェクトも、2Dと、あと少しだけどコーディングも、ひと通りやりましたよね。あの研修が今すごく現場で生きています。

 

成長のカギは、自分と反対の意見を持つ相手に対し、素直に向き合うこと

實川:DeNAには、さまざまな分野のプロフェッショナルがいて、切磋琢磨しながら「こと」に向かっています。周囲と積極的にコミュニケーションを取ることで情報をキャッチアップしたり、知識を得たりして、自己の成長に繋げることがとてもし易い会社だと思います。入社するのはそういう欲求の強い人であって欲しいし、そうじゃないともったいないですね。

坂元:私は、自分の意見をちゃんと言える人がいいなと思います。チームで仕事に向かうとき、当然、意見の相違が出ることもあります。自分と反対の意見を持つ相手に対し、自分の考えをきちんと説明する、また相手がなぜそう考えているのかを聞く。そうして相互の理解を深めていく姿勢が大切だと思います。

實川:デザイン部は、対話の中からいいものを生み出そうという雰囲気のセクションです。自分のこだわりはもちろん大切ですが、相手の意見もちゃんと咀嚼して答えを出すことも必要ですね。主張するだけではなく、素直さとか柔軟性、こだわりを捨てる勇気を持っている人、そういう人が向いているのではないでしょうか。

坂元:個々のクオリティをあげていきながら、チームで気持ちよく働くことってとても大切なこと。相手にリスペクトを持って接しながら、よい作品を作っていきたいです。

game designer

 

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

聞き手:野田 竜平 執筆:片岡 靖代 編集:フルスイング編集部  撮影:内田 麻美、野田 竜平

 

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