DeNAの「人」と「働き方」の " 今 "を届ける。

DeNA全員が思いっきりバットを振る姿を目指して――人事プロジェクト「フルスイング」始動

2017.10.02

本質的な意味での「生産性」を向上するためには、仕事への熱意を高め、個人の能力とやりがいを最大限に引き出すことは企業にとっての重要なテーマ。社員が自分らしく働けるようになることで、生産性やモチベーションは向上し、結果的に企業としての力も増します。

DeNAは人事プロジェクト「フルスイング」をスタートします。これは社員が熱意をもって働ける環境づくりを目的としたプロジェクトです。

2017年8月より先行して始まった本人と異動先部署の意志が合致すれば、最適な部署異動が実現する「シェイクハンズ制度」に加えて、10月より他部署の仕事が兼務できることでキャリアを通した自己実現をサポートする「クロスジョブ制度」、そして社外での業務機会を実現する「副業制度」を開始します。

これによって社員が熱意を持って働くために重要な要素である、本人の意思(will)や情熱(passion)を尊重することで、社員と会社組織の双方に有機的に良い影響をもたらすことを目指しています。

フルスイングプロジェクトはなぜ始まり、DeNA社内にどんなシナジーを起こそうとしているのか。その展望を、プロジェクトを主導する執行役員 ヒューマンリソース本部 本部長の對馬誠英が語ります。

4割近いメンバーは、仕事に満足できていなかった

對馬:私はもともと営業部署にいて、HRに転身したのは2012年です。企業としてサイズが大きくなる中で“DeNAらしさ”みたいなものが薄れていかないか、無秩序に会社が変わっていかないかと心配していました。誰かが適切に舵取りをして、「変えるべきところは変え、変えてはいけないところは変えない」という意思を持ち、会社づくりをしていく必要があると思っていました。

執行役員 ヒューマンリソース本部 本部長 對馬誠英
経営コンサルティング会社を経て2005年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。広告営業、アライアンス営業を担うインターネットマーケティング部の部長を経て、2012年にHRへ転身。HRでは採用マネージャー、人材企画部長、HR統括部長を経て2017年より現職。柔軟かつスピーディな同社の事業戦略を下支えする人事戦略全般を担う。

――對馬さんの考える“DeNAのあるべき姿”とはどのようなものですか?

對馬:普遍的な姿の定義は難しいですし、その必要はないと思いますが、各社員のポテンシャルが十分に発揮され、全員が全力で仕事をしている状態を目指したいですね

――それを目指すため、どのような施策を実施していますか?

對馬:3年ほど前から、社員のポテンシャルやパフォーマンスを可視化するために「キャリアマネジメントアンケート」を実施しています。これは何かというと、月に1回全社員に回答してもらっているアンケートで、仕事における「能力発揮」や「やりがい」の度合いを可視化するものです。

直近のデータでも両方に高いスコアを付けているメンバーは全体の6割くらい。逆に言えば、4割近いメンバーはどちらかに満足していません。

考えて人材配置や業務アサインをしているはずなのに、社員のパフォーマンスが最大限に発揮されていない。まだ伸びしろがあるということがわかっただけでも大きいです。「4割が持つ伸びしろを引き出すにはどうすればいいか?」という目標になりますので。

――きっかけという意味ではすごく重要ですね。

よりガチ感のある人事プロジェクト「フルスイング」を始動

――その施策が、フルスイングプロジェクトの原点になったと。

對馬:社員のパフォーマンスを最大限に引き出すには、“力を発揮しやすくなる仕組み”を構築するべきだと考えました。それが今回のフルスイングに結びついています。

――プロジェクトのネーミングからして、“全力”感がにじみ出ていますよね。

對馬:そうですね。「振らずにアウトは言語道断」「思いっきり振ろう」という、DeNAらしい“ガチ感”がある言葉です。

――現時点での、取り組み内容の紹介をお願いします

記名制のフィードバックプログラムで改善スピードを向上

對馬:まずは、「フィードバックプログラム」から。これは、2017年7月より先立って実施しているもので、いわゆる360度評価です。匿名でやる場合が一般的だとは思いますが、DeNAには「DeNA Quality※」という社員に求める5つの行動規範があり、その中に「発言責任※」「透明性※」という項目があって、ストレートにものを言う文化を大切にしていますので記名制で行っています。記名制で行ってもなかなか辛辣な意見も出ます。マネージャーに対しても例外ではありません。むしろ厳しいかも(笑)。

※…DeNA Quality とは

――けれど、嘘が書かれていないからこそ改善もしやすいですね。

對馬:問題をピンポイントで対処できますからね。スピード感はかなり違うと思います。これを匿名制にしてしまうと、改善にも結びつきにくいですし「誰がこんなこと書いたんだ?」と疑心暗鬼になってしまう。実名でズバズバ言うほうが、DeNAらしいです。

シェイクハンズ制度は前制度を改良し誕生

對馬:「シェイクハンズ制度」も、2017年8月からスタートしている制度です。これは、直属の上司の承認がなくても、異動先部署と本人が合意すれば異動できるというものです。

これまでも一般的なキャリア公募制度はありましたが選考を通った者にだけ異動が許されるというものですので「果たしてこれで社員の想いを拾えているのか?」と、ずっと頭を悩ませてきました

――そこで、前制度を改良したと。

對馬:そうですね。8月1日から現在までで、20名以上のメンバーの“握手”が叶い、異動が実現しています。またこの制度は、よりパッションを大切にした組織運営を各組織がしてほしいなという気持ちも込めて開始したのですが、「うちの本部はこういうパッションを持って事業に取り組んでいます」「故にこういう仲間を募集しています」という各部署の情報発信も増えていますね。

――ただ、マネージャー陣は「部署のエースがよそに移ってしまうかも」という心配もあるのでは。

對馬:私も含めてそれはあります。私の本部のマネージャーも、ピリッとした感覚はありますね。マネージャーがメンバーと向き合う機会が徐々に増えているのではと思っています。

「マネージャーがこれだけやってくれているから、もう少しこの部署で頑張ろう」と思い直したメンバーもいると思いますね。この制度をきっかけにより良い会社になっていきたいなと考えています。

クロスジョブ・副業制度でキャリアアップ

對馬:そして2017年10月から始動する、社外での副業が可能となる「副業制度」や、本人の希望でリソースの最大30%まで他部署の仕事を兼務可能になる「クロスジョブ制度」。これは異動とはまた違った形で、社員の能力開発を促す制度です。

これまでと違う業務で得た知識や経験は本業にも良い影響がでてくると思います。それに自分のやりたい仕事をやっていれば、熱中できるからパフォーマンスも高くなる。“フルスイング”な状態につなげたいです。

DeNAのHRが、様々な人事制度を生み出せる理由

――DeNAのヒューマンリソース本部が、こうした人事制度を生み出せるのはどうしてですか?

對馬:我々が、気を付けていることはあります。

人事の65%が事業経験者

對馬:まず大切にしている感覚は、我々の仕事は事業が成功して初めて評価を受けるということです。そのためには「何が事業に貢献できるのか?」の感覚が無ければいけません。DeNAの人事の65%は事業部経験者ですが、それ以外のメンバーも事業感覚を持つように意識しています。

あとは各組織との日常的なコミュニケーションの量ですね。「人事と事業部が乖離していて、意思疎通が図れていない」という状態では人事制度をうまく運用できませんからね。

会社のビジョンと人事戦略が“一筆書き”

――他部署との連携をとる。事業における基本は、人事戦略においても基本なのですね。

對馬:各社員が異なる思想や目的を持って働いては、組織がバラバラになってしまいますからね。連携をとることは大事です。

そもそも、会社にはビジョンがあり、それを実現するために事業戦略や人事戦略がありますから、目的ベースで考えるとこれらを“一筆書き”できるかどうかが非常に重要です。つまり、会社のビジョンと人事戦略に一貫性がなければいけない。

――社内全体の意思疎通ができていないと、一筆書きにはできないですね。

對馬:はい。会社の向かっている方向とちぐはぐな人事制度になってしまうでしょう。そうなると、社内に浸透するまでにも時間がかかりますし、反発だって起こるかもしれない。「なんのために設立した制度なんだっけ?」となってしまいます。

▲どんな施策を実施する場合にも、DeNAでは各メンバー同士が積極的に議論し合う。

人事制度はトライアル&エラーでいい

――なかなか新しい人事制度を立ち上げられない企業も多いですが、その原因はどういったところにあると思いますか?

對馬:練っても練っても想定通りにいかないこともある。事業と同じです。その時に変える勇気が持てるかどうか。1回始動させてしまうと、「やっぱりやめます」とは言いづらく、そう考えると腰が重くなってしまいますからね。

――では、「やめます」もアリということでしょうか?

對馬:普遍的な制度運用をすること自体に何か意味があるなら良いですが、「見直していく」というスタンスは重要だと思いますね。まずは始動させて様子を見て、イマイチな部分が見つかったら変える。そうしてより良い制度に仕上げていく。

もちろん制度を定める上でしっかりと議論の場を作ることは大事です。例えば「シェイクハンズ制度」は、事業本部長や執行役員も巻き込んで時間をかけて議論しました。浸透させていく、見直していくということを全社を巻き込んで行っていくことが大切だと思います。

DeNAらしく、フルスイングしていく

――フルスイングプロジェクト始動後、社員にどう働いてほしいと思いますか?

對馬:月並みですけど、活き活きと働いてもらいたいです。ガチで、ヒリヒリしながら、魂を込めて仕事をする。その空気が、全社員に充満するのを期待しています。

――そうなることで、DeNAはどう変わるでしょうか?

對馬:なりたい姿も刻々と変化していくと思いますので、改善し続けていくことにこそ意義があると思います。都度都度DeNA“らしい”形を模索していきたいです。

変わることを恐れず、柔軟に。フルスイングでチャレンジしたいですね。

DeNAでは、人事プロジェクト「フルスイング」を共に進めるメンバーを募集します。

・働く人の熱意を向上させる戦略的かつ実質的な制度企画の精鋭人事を募集

https://www.wantedly.com/projects/157001

・人事とPRのハイブリッドキャリアを実現する「人と組織」に特化したPR・イベント担当募集

https://www.wantedly.com/projects/157018

・DeNAのオウンドメディア「フルスイング」の編集長候補とエディター募集

https://www.wantedly.com/projects/157024

・「エンジニア専門の戦略人事」募集。エンジニアにとって最高の環境づくりを

https://www.wantedly.com/projects/157043

・オウンドメディア「フルスイング」の専属デザイナーを募集。

https://www.wantedly.com/projects/157046

【DeNA HR】フルスイングmeetup!!を開催します!

詳しくはこちらから https://connpass.com/event/68015/

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
open menu