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CULTURE

18/03/02

メンバーと意思疎通してる“つもり”になってませんか? データ分析HRなら、「人や組織」も見える化できる|しもじーが行く

みなさん、こんにちは。フルスイング編集部の「しもじー」です。最近異動し、メディアの運営に携わるようになった私。取材でインタビュアーも経験して、編集業務にも少しずつ慣れてきました。良いメディアに育てられるように、日々“フルスイング”しています。

今日はカフェで一息。 2018年明けたと思ったら、もう3月かぁ……。時が経つのは早いですね。 3月といえば、卒業の季節。人や組織が移り変わる時期です。卒業ソングも街で流れ始め、なんだかセンチメンタルな気分

になりますよね……。

……ん? 人や組織……?

そういえば、ちょっと前に社内で組織状況アンケートっていうのを取っていたな〜。 あれって、いったい誰が何のためにやっているのかな。うーん、気になる……。

ピコーン。(iPhoneから効果音)

あれっ。なんだろう!?

なになに?

「こんにちは。しもじーさん。私は組織状況アンケートの実施やデータ分析を担当している者です。よかったら概要をご説明するので、ミーティングルームにいらっしゃいませんか?」

えっ、今まさにそのことを考えてましたー!! なんでわかったんだろう? テレパシー……??

……。

…………。

まあいっか!!!  とりあえず行ってみよう!!!!

ガチャッ!(扉を開ける音)

こんにちはー!! 組織状況アンケートについて説明してもらえるって本当ですか!?

大橋大橋

しもじーさん。よくぞいらっしゃいました。私はヒューマンリソース本部 企画分析部 ピープルアナリティクスグループの大橋司(おおはし つかさ)。職業・データサイエンティスト。
DeNAの人事情報をデータ分析して、組織の改善に繋げる施策を考えている者です。

大橋大橋

今回は、ピープルアナリティクスグループが主導する、組織状況アンケートについてご説明します。

しもじーしもじー

(うわぁ、めっちゃ真顔だ……)

大橋大橋

今回はデータ分析の真髄を、とくとご覧に入れましょうっ!!!!

しもじーしもじー

は、はい……。(き、気を取り直して…………)

しもじーしもじー

どうもありがとうございます! それでは、組織状況アンケートについて教えてください!!!

大橋大橋

もちろんです!!!! よろしくお願いします!!!!!!

しもじーしもじー

(予想以上にノリが良い……)

 

データ分析の技術を、人事領域に適応する

しもじーしもじー

組織状況アンケートについて伺う前に、そもそもピープルアナリティクスグループってどんなことをしているんですか?

大橋大橋

データ分析技術を活用して社内のあらゆるデータを収集分析して、社員がフルスイングできる環境を作ることをミッションとするグループです。

DeNAがさまざまな事業で培ったデータ分析技術を人事データにも適応して、組織を改善します。2017年の10月に発足しました。

ヒューマンリソース本部 企画分析部 ピープルアナリティクスグループ 大橋司
大学時代から機械学習やデータ分析に興味を持ち、NTTコミュニケーション科学基礎研究所での共同研究やIEEE ICASSPなどの国際学会での発表を行う。その後、2013年に新卒でDeNAに入社。国内外、事業領域を問わず、サービスの分析環境構築からPDCA改善、AI開発や全社のマーケティング分析に至るまで"データ" に関する様々な業務を行ってきた。現在は新たなデータと発見を求め、人事領域でピープルアナリティクスを推進している。
しもじーしもじー

フルスイングプロジェクトが始動したのとほぼ同じタイミングですね!

大橋大橋

そうなんです。
グループの発足を主導したのは、グループマネジャーである友部博教さんです。
もともとデータ分析を専門としていた友部さんが、「企業が持つ人事データを分析・活用すれば、組織を改善できるのではないか」と考えてヒューマンリソース本部にジョインし、このグループが設立されました。
発足から半年ほどが経った今は、さまざまなデータを整理して可視化したうえで、人事施策に活かせるようにPDCAを回せる状態を作り上げています。

しもじーしもじー

具体的には、どんなデータを収集・分析しているんですか?

大橋大橋

大きく3つあります。まずは社員の持つプロフィールや職種、経歴といった人事管理情報。次に人や組織がどういう考えを持ち、どんな状態にあるのかというアンケートなどの意思情報。

加えて最近は、センサなどから得た実際の行動情報も取りあつかっています。

 

組織のステータスを可視化する、組織状況アンケート

しもじーしもじー

今回実施した組織状況アンケートは、いったいどんなものですか?

大橋大橋

名前の通りですが、組織全体の状況について調べるアンケートで、会社の良い点・改善すべき点について回答してもらうものです。半年に1度全社的に実施しています。

しもじーしもじー

直近、2017年12月に実施していました。こんなアンケートでしたよね。

しもじーしもじー

どんな分析結果が出たのか、教えてもらってもいいですか?

 

やや弱かったマネジメントは、分析と360°フィードバックで自主改善へ

大橋大橋

まずポジティブな点として、マネージャー項目(組織のマネジメントの状態を表す項目)がすべて上昇しています。

これは、2017年7月に実施した360°フィードバック(※)の影響も大きいと思います。DeNAはもともと、個人プレーヤーとして活躍している人の割合が高かったです。

そのため、マネジメントをより良くすれば組織として強くなるという期待感のもと、昨年からマネジメント強化に取り組んできました。その成果が現れ始めています。

 

※…チームメンバーや一緒に仕事をしている他部署のメンバーからフィードバックをもらう取り組みのこと。一般的な企業で実施されているものとは違い、DeNAは“記名式”なのが大きな特徴。

大橋大橋

360°フィードバックと組織状況アンケートは設問内容が密接に絡み合っているので、前者の結果をもとにアクションを起こすことで、マネジメント改善に繋げやすいんです。

しもじーしもじー

確かに! 2つの設問内容は類似するものが多いと思っていました。そういう仕組みになっていたんですね。

360°フィードバックでは、メンバーからマネージャーにも遠慮なくコメントが入りますしね。

だから、改善すべき部分が明確になるんですね。

大橋大橋

そうですね。360°フィードバックをきっかけにメンバーと「マネジメント改善プロジェクト」を立ち上げる人や、メンバー育成シートを作って計画的な育成に取り組む人もいたようです。

ヒューマンリソース本部が提供した情報・ツールを活用してマネージャー個々人が自主的に行動を起こしたことで、ほぼすべてのマネージャー項目を高い水準へ押し上げることができました。

 

コミュニケーションを取っているつもりだったけれど……

しもじーしもじー

ネガティブな結果としては、どんなものがありましたか?

大橋大橋

大きく3つありました。まず1つが、コミュニケーションに関する問題です。

具体的に言うと、マネージャーとメンバーとのコミュニケーション機会が少ないとか、認識齟齬が発生している、というものです。

これは、DeNAが企業として大きくなり、人が増えていく過程で起きたものだと思っています。

しもじーしもじー

グループやチームの人数が増えると、どうしてもその問題って起きますよね。今後、どうやって改善していくんですか?

大橋大橋

仮にコミュニケーションに課題があるとしても、マネージャー本人は「メンバーとのコミュニケーションはできている」と認識していることの方が多いんです。

だからこそ、そのコミュニケーションが本当にうまくいっているのかそうでないかは、現実の行動データから"可視化"してあげる必要があると考えています。

しもじーしもじー

可視化、ってどうやって?

大橋大橋

「誰がどこで誰とコミュニケーションを取っているのか」のデータを取得するため、従業員の皆さんに1週間小型デバイスを着けてもらって実験しました(※)。

 

※…リクルートワークス研究所様と共同で「コミュニケーション可視化プロジェクト」を立ち上げ、大阪オフィスで実施しました。

しもじーしもじー

デバイスでどんなことが計測できるんですか?

大橋大橋

例えば、声のピッチ(音程)や速さ、話している相手、向き、場所などの情報を取得できます。

その情報の一部を使って、「とても議論が盛り上がっている」とか「熱く語っている」といった内容を読みとれるんですよ。

その結果、「コミュニケーションできている」と思っていたマネージャーでも実はそうではない。一部のメンバーとのコミュニケーション量が多いだけだったりと、全メンバーまで目が行き届いていないことがわかったんです。

しもじーしもじー

すごい。そこまで可視化できちゃうんですね! 課題がクリアになることで、対策も立てやすそうです。

 

「作業の属人化はどんな場合に起きるのか?」を分析

しもじーしもじー

他にネガティブな要素としては、どんなものがありましたか?

大橋大橋

業務が属人化してしまう問題です。

以前から、社外のアンケートも利用しを実施し「DeNAはプレイヤー気質・個人プレイヤーの人が多い」ということはわかっていたので、今回の組織状況アンケートの結果はすごく納得感がありました。

しもじーしもじー

確かに、DeNAって現場の最前線で働きたいと考える人が多いイメージがあります。今後はそれをどう変えていくんですか?

大橋大橋

「どんなメンバーの場合、作業が属人化してしまう傾向にあるのか」を可視化するため、ピープルアナリティクスグループでは360°フィードバックの結果を分析しました。

その結果、特に若手マネージャーはメンバーへ適切に任せることがあまりできていなくて、役割や権限を抱え込みがちになっていることがわかったんです。

しもじーしもじー

そうだったんですね…!

大橋大橋

そこで、特に新任のマネージャーに対し、360°フィードバックの結果をきちんと吸収するためのセッションを実施しました。

具体的には、マネージャー合宿を開催してマネージャー同士で問題を共有し、どう改善するか議論する場を設けたんです。

このように、どんなタイプの方にどういった課題があるのか明確になったので、そのうえで改善アクションが取れるよう、フォローアップの取り組みも進めています。

 

組織の硬直化を防ぐカギは「マネージャーからメンバーへのコミュニケーション」

しもじーしもじー

もう1つのネガティブ要素は何ですか?

大橋大橋

「組織の硬直化」です。DeNAはさまざまな事業に柔軟に対応しているため、その特性上「ビジョンが見えづらい」という側面があります。

その結果として、組織が硬直化してしまった部分があるのかもしれません。

しもじーしもじー

たしかに……!

大橋大橋

そのためピープルアナリティクスグループでは、組織状況アンケートを通して「どのような状態になると硬直化しやすいのか?」という分析も進めてきました。

その結果、個人の仕事の進捗やコンディションが少し悪くなってくると、仕事に対してやりがいを感じにくくなることがわかってきました。

そうなってしまうと、会社や業務に対する不信感につながり、徐々に組織全体が硬直化してしまいます。

しもじーしもじー

それを解消するために、今後はどのような取り組みをしていく予定ですか?

大橋大橋

マネージャーからメンバーへのコミュニケーションという部分が一番重要だと思っています。

そのコミュニケーションを効果的に実践するために、HRビジネスパートナー(HRBP:人事のプロフェッショナルとして、特に人と組織の面から事業リーダーをサポートする役割)に協力していただきながら、各人に対するフォローアップの方法を考えています。

しもじーしもじー

具体的に言うと?

大橋大橋

「この人がこういう問題で困っているならば、こういうケアをしてあげたほうが良い」といったアドバイスをHRBPからマネージャーに対して実施し、その結果をピープルアナリティクスグループがデータ分析によって定点観測していくような形を目指しています。

 

「人や組織」という答えのないものに、答えを創り出す楽しさ

大橋大橋

今回話を聞いてみて、どんなことを感じましたか?

しもじーしもじー

きちんとデータを取って分析することで、人や組織の状態を可視化できることに驚きました!

ピープルアナリティクスが実施しているような施策って、汎用的にどんな会社に導入しても役立つものだと思いますか?

大橋大橋

はい。そう思います。

しもじーしもじー

特にどういう規模・形態の会社に向いている、という傾向ってあるのでしょうか?

大橋大橋

例えば、人数がどんどん増えていて、ポテンシャルの高い人はたくさんいる。

けれど、その人たちを本当に活かせているかわからない、どういう方向性で人材を伸ばしていったらいいかわからない、という会社には特にマッチしていると思います。

しもじーしもじー

じゃあ、今のDeNAのような企業規模や成長度合いの場合、特にピープルアナリティクスの取り組みはマッチしているんですね。

大橋大橋

そうですね。だから、データ分析を通じて、会社を改善するお手伝いができていることが、僕はすごく面白いと思います。

しもじーしもじー

最後に聞きたいんですけど、データ分析をして人や組織を改善するやりがいって、どういった部分にありますか?

大橋大橋

僕はDeNAに入社してから、国内/海外のゲームタイトルやメディアなど、データ分析を通じてさまざまなサービスの改善をしてきました。

そういった業務の場合、取得すべき情報も、改善すべき指標も明確です。でも、人や組織が相手だと、それとは違った難しさがあります。

しもじーしもじー

というと?

大橋大橋

どんな情報を誰から取得すればいいのか、その結果をどう改善に結びつければいいのか、答えのない部分がたくさんあるからです。でも、だからこそこの仕事は面白いと考えています。

DeNAは人がどんどん増えていますし、かつ事業領域も広い。その中で各メンバーのパフォーマンスを最大化していくことは難しいですが、データ解析を通じてそれが実現できたら、大きな意味があると思っています。

しもじーしもじー

今後のピープルアナリティクスグループの活躍、楽しみです。今回はどうもありがとうございました!

 

まとめ

組織状況アンケートの結果をもとに、取り組んでいる改善策

①コミュニケーションの状況をデバイスにより可視化 ②「作業の属人化はどんな場合に起きるのか?」を分析し、若手マネージャーをフォローアップ ③組織の硬直化を防ぐため、マネージャーからメンバーへのコミュニケーションを推進

 

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執筆:中薗昴 編集:しもじー 撮影:鈴木香那枝

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