"出来損ない"の過去が最大の糧。ダメダメ社員が100人超えチームを引っ張るに到るまで | フルスイング - DeNA

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CULTURE

19.08.15

“出来損ない”の過去が最大の糧。ダメダメ社員が100人超えチームを引っ張るに到るまで

「質問ありますか?」面接で、必ずといっていいほど最後に聞かれます。

その時、受けがいい質問や無難な質問をするタイプでしょうか?それとも「これだけは聞いておきたい」と自分が意思決定をするために食い下がれるでしょうか。

「面接には選ばれるメンタリティではなく、選ぶメンタリティで臨んで欲しい。あなたが成長できる場所は、友達とも親が望む場所とも違うはずです。

そして、会社に入ったら自分の成長よりも『コト』に没入すること。それが結果として、大きな成長を呼びます」とDeNA代表取締役会長南場智子は語ります。

「キャリアの本質」最終回は、環境選びには成功したものの、入社してから「コト」に向き合えず、「お荷物」だった過去を持つ、ゲーム・エンターテインメント事業本部ゲーム事業部Publish統括部第1プロデュース部 鶴巻 禎(つるまき てい)。ダメダメだった時代から、100人超えの大部隊を率いるまでに到る、紆余曲折を聞きました。

 


 

「幸せに生きるため」の就職活動。こだわったポイントにマッチしたDeNAへ

▲ゲーム・エンターテインメント事業本部 ゲーム事業部 Publish統括部第1プロデュース部 鶴巻 禎(つるまき てい)

南場:鶴巻は今5年目だね。入社する前はどんなことをしていたんですか?

鶴巻:ずっと野球をやっていて、野球を通じて「チームで何かを成し遂げること」が好きになりました。ちなみに、広島生まれ・広島育ち、この会社にいる今も筋金入りのカープファンです!

南場:絶交だね! なぜDeNAにきたの?

鶴巻:就職を前に「自分が幸せに生きるために、どういう会社に入ったらいいか」をすごく考えるようになって、全部の業界の人から話を聞きまくった結果、就職において自分が大事にしたいことがわかったんです。

南場:それは何かな?

鶴巻:1つは上下関係。野球部出身ながら僕はいわゆる世間一般でいう体育会的、理不尽な上下関係がすごく嫌いなんです。フラットな環境で働きたいと思いました。

もう1つは、周りの優秀さ。単に頭が良いだけではなくて、それぞれの強みを活かしながら泥臭く勝つのが大事だなと。そういう雰囲気の会社が多いから、業界はITがいいなと思ったんです。

それで、何社かサマーインターンに行って、僕の理想に最も当てはまるのがDeNAだった、というわけです。

南場:インターンをやって、結構DeNAの中も覗いてみた感じ?

鶴巻:当時、自分も結構トガっていたので「僕がこの会社に入った方がいい理由ってありますか?」って聞いたんですよね。

普通の会社だと「裁量がある」とか組織の特徴を言うけど、DeNAの面接官は食い気味に「俺と働けるから」と言ったんです。社内でも「宇宙人」って言われている変わった人だったんですけどね。その瞬間、吹きました。

サマーインターンでその「宇宙人」さんのチームにたまたま入れられたら、口だけでなく実力があって泥臭くやっている人だったので、「この会社めちゃめちゃいいな」と思ったんです。

南場:宇宙人が刺さったんだ。

 

ダメダメな1年目に唯一やりきったのは「遊び倒す」こと

南場:入社して最初の業務は何だった?

鶴巻:最初は「FINAL FANTASY Record Keeper(以下、FFRK)」。うちの会社の中で売上もチームも最大級で、メンバーも優秀な人が集まっていたタイトルです。何かに興味が強くあったわけではなかったので、フラットで、泥臭くできるところを希望したらそこになったんですが……。

南場:めっちゃいいゲームだよね。ゲームに興味無かったの?

鶴巻:ゲームそんなにやったことがなかったんですよね。何が面白いか全くわからない状態で、チームに入って最初に任されたのが、ボスの企画と難易度調整。ゲームでボスが何ターン目どんな攻撃をしたら面白いのか設定するものです。

ただ、面白さがあまりわからない状態で取り掛かるので、ほとんど何もできなくて、結局先輩に全部やってもらうというのが2ヶ月くらい続きました。

南場:それはやばいね。

鶴巻:この後の話に比べるとまだそこまでやばくないです。この仕事はたまたま向いていなかったのかな?みたいな感じで、次に、毎月4~5個実施するイベントの企画・仕様作成・プログラマーへの説明、最後のデータ入力まで全部やる、イベントオーナーの仕事を任されたんです。

南場:優しい会社だね。

鶴巻:この時が悲惨。入社して5年も経ちますが、この時の自分以上に悲惨な人を見たことがないです。企画、仕様、データ入力、どれも誰かと組んでやるんですが、周りから「鶴巻とだけは組みたくない」という声が聞こえてきました。

南場:なんで?

鶴巻:そもそもゲームの面白さがわからないので、企画が永遠にOKにならないんです。仕様決めも結構最悪。雑な性格が災いして、プログラマーやデザイナーに毎回「鶴巻が書いた仕様は何言ってるのかわからない」と言われて、他の人に仕事が回っていくと。

その先のデータ入力ももっとやばくて、必殺技の強さ等を設定してスプレッドシートに記入するんですが、結構な頻度で間違えていて、リリース直前に間違いが発覚する。それを、先輩社員3~4人が土日出社して夜通しで直すんです。「お荷物」感がすごかった。

それだけ助けてもらったのにも関わらず、目標に対する考えが甘かったことで、自分が担当した施策で目標から大きく離れてしまうことが何回もあったんです。チームとしては何ヶ月かけてそれを取り戻すのか、という規模のものでした。

南場:悲惨。

鶴巻:当時1年目には、ある程度仕事をまわせるようになったか指導担当の先輩が判断する「1人前認定」というのがありました。何が悲しいって、同期全員の状況や先輩からのインプットが全て見えてしまうことなんですよ。

早い人だと夏あたりで1人前どころかリーダーポジションを任されるのに、僕の場合は1年目が終わった時点で指導担当の先輩から「どう考えても1人前には程遠い」ときっぱり書かれました。

南場:つらい。ひどい。話がここで終わるとやばい。それから?

鶴巻:指導担当の先輩から「お前はまじでやばいから、とりあえずFFRKを誰よりも遊んでみろ。それだけはできるだろ」と言われて、 朝起きてから寝るまで、業務をしつつ遊び、休日はカープを見つつFFRKをプレイし倒しました。

南場:それでFFRKは面白くなった?

鶴巻:正直、最初はあんまり……。でも、「コト」に向き合えていないことを痛感していたし、まわりの社員の意識にも感化されて、いったんやり切ってやろうと。

そして、1,000万人以上DLされている全プレイヤーの中で1番強くなるまでやりこみました。そうしたら、遊んでいる人の気持ちがわかるようになってきたんです。ボスの企画でも「これをやれば」というのが見えてくるようになりました。

南場:初めて少しイイ話が出てきたね。

鶴巻:少しずつ認めてもらえるようになり、2年目に、FFRKの年間で1番大きいイベントのボスを担当させてもらいました。普通は1週間かけて4~5体を担当しますが、ゲームをやって遊んでいる人の面白さが見えてきていたので1週間で30体くらいやったんです。

南場:結果は?

鶴巻:とてもよかったんです。一番難しいボスをつくれという課題があったんですが、調整したうちの1体がTwitterや攻略サイトで「これまでで1番面白い」という評価をいただきました。

当初は、ゲームの何が面白いのかわからなかったのに、やっとそこまでたどり着けました。

南場:遅咲きのプランナー。そこまでやらせた指導担当もすごいね。

鶴巻:先輩方の「コト」に向かう姿勢が徹底していて。結果がダメだったとしても、「どうやったらこの人が成長するか」と考えてくれる周囲の環境にいられたのは本当に感謝しています。

 

「独りよがりなチームは勝てない」周りからのアドバイスでマネジメントに開眼

南場:その後、運営ディレクターになりましたね。

鶴巻:いきなり50名のチームのリーダーを任されました。自分でもチャレンジングなアサインだと思いましたね。

南場:「お荷物」がディレクターに……。泣ける。

鶴巻:でも、自分の判断ひとつで状況が変わるのことの怖さを知りました。そこで良くなかったのは、何でも自分でやろうとしたことだったと思います。

新しいメンバーが同時に何人も入ってきて、その人たちの指導担当を昼間やりながら、夜には他の人の施策のレビューをする、それがダメなら夜通しかけて自分で直す……そういうことを毎日やっていたんです。

通常、ディレクターは施策のレビューがメインなんですが、僕は全部自分でやろうとしてしまいました。結果、自分自身の仕事も回らないし、他の人のモチベーションも上がらない。目標達成も出来ずじまい。

南場:マネジメントのスタイルを変えないと……。

鶴巻:疲弊しきっていた時に、まわりの人からアドバイスがあったんです。「4番ピッチャーの独りよがりなチームは結局勝てない」と。それがしっくりきました。

勝てるチームは4番が打たなくてもみんなが支えるチームだなと気づいて、それから、思い切って仕事を任せるようになりました。

それだけで驚くほどチームの状況が変わり、厳しい状況の中で、FFRK史上ベストの日次売上を達成するまで復活させることができました。

 

「切り捨てる」意識は全く持てない。鶴巻流マネジメントでチームを活性化

南場:その後はずっと順調?

鶴巻:いえいえ。しばらくして、FFRKをリリース当初から支えたメンバーが異動などで抜け、経験の浅いメンバーが多くなり、再度、目標未達成の危機に陥ったんです。

その時は分業化を進めることで乗り越えました。1人ひとりの出来ないところに着目せず、何ができるかを考えて、それぞれの得意分野を活かした体制にしたんです。ボスが得意ならボス、必殺技を考える人が得意な人は必殺技……という風に。

南場:得意な所に目を向けるというのは大事だね。 できない人を切り捨てないマネジメント方法は、鶴巻自身が当初できなかったという経験もあるのかな。

鶴巻:ダメダメでもどこかに必ず芽があるという確信があったし、そうしたいという強い想いもありました。南場さんがおっしゃる通りで、苦労した人の気持ちや活かし方がわかるのは、自分自身の経験があったからだと思います。

 

嫌がられる人材から「呼ばれる人材」へと成長を遂げる

南場:その後はどうなりましたか?

鶴巻:今までにない面白いボスを生み出せるなど、専門チーム制がハマり、しばらくして、FFRKの総合ディレクターに就きました。100名以上いる組織の中の開発体制を考えたり、重要な施策について判断したりする立場です。

南場:その後は順調?

鶴巻:いえいえ。今度は、組織が大きくなって分業化が進んだことで、それぞれがどうタイトルに貢献しているか見えづらくなってしまい、チームがバラバラになってしまいました。

南場:一筋縄ではいかないね。今度はどうやって乗り越えましたか?

鶴巻:ベタですけど、みんなで立ち止まって徹底的に話す時間をとったんです。一人ひとりの仕事が全体の目標の中でどう位置づけられるのか、考える時間を持ちました。

例えば、甲子園出場という目標があった時に、レギュラーメンバーは役割がわかりやすいけど、チームにはマネージャーもいるわけじゃないですか。マネージャーの役割ってわかりにくいんですよね。

そこで「勝つために選手に良い環境を提供する」といったミッションを明確にします。自分がやっている仕事の意義を考えてもらうと、同じことをやるのでも変わるんだなと。

南場:どんどんマネジメントが深くなっていくね。最初はダメダメだったのに。

鶴巻:本当に(笑)。実はその後、1年目にダメ出しされ続けた指導担当の先輩から、プロジェクトに入らないかと声がかかりました。ダメダメ時代を知っている先輩からだったので本当にうれしかったです。

 


 

「コト」に向き合い続け、「お荷物新入社員」から「請われるリーダー」へと成長を遂げた鶴巻。良い所を活かすマネジメントに長けた彼に「合わない仕事を振られたらどうしたらいいか」を聞いてみました。

「毛嫌いせずにまずやってみることは大事」と言う一方で、少し間を置き「でも、合う環境、合わない環境というのはあると思う」とも。

その一瞬の間に、チームや個人の状況を見て、自ら考え、リーダーとしてのスタイルを柔軟に変えていくことができる鶴巻ならではの、懐の深さを見た気がします。

 

※この記事はイベント「キャリアの本質」を再構成したものです。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

編集:菊池 有希子 撮影:杉本 晴

  【「キャリアの本質」シリーズ】
第1回「DeNA注力事業リーダーは新卒から挫折続き!失敗を成果に変えるまで」
第2回「自称健康オタクが『笑い✕健康』の事業化を計画。起承転結の舞台裏」
第3回「目標達成かチームビルドか。揺れるプロデューサーが気づいた“何より大事なこと”」
第4回「タクシー免許取得もなんのその。肝っ玉セールスウーマンの「コトを成す」術」
第5回 「面白い」も定義する“ロジカルモンスター井口”の葛藤。「すべき」と「したい」の狭間で  

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