DeNAの「人」と「働き方」の"今"を届ける。

CULTURE

19.07.16

キーワードは”開放型”のアプローチ。DeNA南場・守安・岡村が考える「これからの会社のありかた」

2019年3月に創業20周年を迎えたDeNA。インターネットの発展とともに、さまざまな事業に挑戦してきました。

そして同年6月、これまでDeNAで横浜DeNAベイスターズを始め、スポーツ事業を率いてきた岡村 信悟(おかむら しんご)が新たに取締役兼COOに就任。代表取締役会長の南場智子(なんば ともこ)、代表取締役社長兼CEOの守安 功(もりやす いさお)に加え、DeNAの経営メンバーに加わりました。

本記事では、DeNAが考える「これからの会社のありかた」をテーマに、「インターネットが切り拓く未来」そして「大きなビジョンの達成に向けた3人の覚悟」をお伝えします。

 

これまで培った力で“地球規模の”喜びを

――DeNAは創業20周年を迎えましたが、振り返っていかがですか。

南場 智子

南場 智子(以下、南場):基本的に我々20年の歴史というのはインターネット産業が隆盛を極めた時代でした。

DeNAを創業した頃、たくさんの会社が生まれました。その中でもDeNAが生き残り、日本を代表するIT企業になったということ自体は、もちろん周囲の支えに感謝しつつ、今いる社員も今まで関わってくれた人も、みんなが誇りに思って良いことだと思っています。

あとは、何よりもDeNAは非常に挑戦心にあふれているし、正直で一所懸命で、困難に対しても真面目に頑張る集団。そうした企業文化ができたことが、1番すばらしいことじゃないかと思うんです。

事業領域はどんどん変化してきているんだけれど、我々が一貫して築いてきたDeNAらしさがそこにはあって。誠実にいろんな工夫をしながら努力し続けるというのは、そんなに簡単につくれる文化ではなく、20年かけて構築してきたと思います。

ですが、まだまだ志半ば。

日本を代表するIT企業にはなったけれど、我々が目指す、地球規模の大きな喜び、"デライト"を届けられたとは、まだ言えないと思うんです。人の生活を根本から私たちが変えたか、とか、「これがなければ生きていけない」というぐらいの素晴らしい楽しさや便利さ、豊かさを届けられたか。まだまだやっていかなきゃいけないことが残っていると思います。

 

――それでは、DeNAは今後どのような分野に挑戦していくのでしょうか。

守安 功

守安 功(以下、守安):今後の10年、20年の成長は「インターネットに加え、AIの活用」が大きな方向だと考えていますが、後で振り返れば思ってもみなかった事業が生まれているだろう、と思います。

その中でも、主力事業であるエンターテインメントで培った力を応用して社会課題を解決していきたい。

今、大きな流れでは、日本は世界に先駆け少子高齢化が進行している課題先進国。その結果、労働力不足などいろいろな社会課題が出てきています。

交通不全に陥っている過疎地に対して、何かできないか。高齢化社会において、健康でいられる時間、健康寿命を延ばすことでより幸せに生きられる社会にできないか。労働力不足をAIのロボティクスで解決できれば、より生産的な活動や余暇に使える時間を増やせるのではないか、など。我々のテクノロジーやサービスをつくる力でなんとか解決していきたいことはたくさんあります。

 

――一見すると「エンタメが主力事業のDeNAがなぜ社会課題の解決に」と不思議に思う方もいるかもしれません。

 

南場:私は「DeNAは特別にユニークなポジションにいる」と思っているんです。

DeNAが今、圧倒的に強いのはゲーム・エンタメですが、先ほど言ったように社風がものすごく真面目なんです。つまり「真面目にエンタメを極めてきた」と。

南場・守安

守安:我々はエンタメサービスをつくるにあたり「どうすればお客さまにまず使ってもらえるのか」、あるいは「使い続けてもらえるのか」ということを真剣に考え、分析しています。

そうして培われた「顧客体験を最適な形でつくっていく」というアプローチは、社会課題を解決するためのサービスやプロダクトづくりにも、もちろん活かせる。

本当に、やるべきこと、やりたいことはどんどん増えているんですね。

今、DeNAはさまざまな業種、職種の方々に入ってきてもらって、いろんな事業を一緒につくっています。なので、これまでの課題感もふまえ「一人ひとりそれぞれの個性をDeNAで思う存分に発揮してもらうこと」がより一層重要になってきているんです。

 

これからの会社のあり方は「個」が輝く組織

――これまでは「それぞれの個性を発揮してもらう」ことに組織課題を感じていたのでしょうか。

 

南場:みんなが個性を発揮できているかでいうと、DeNAはどうしても左脳型的なロジカルな人間がコミュニケーションしやすい感じになってしまっているのかもしれません。

社外からは「DeNAはロジカルモンスターばかりに見える」と言われたりしますが、確かに社内で数字やロジックの話が多いというのは事実。

「可能性の話をして盛り上がらないといけないときに確率の話をしている」というのは、改めていかないといけない。

ただ、我が社全体がロジカルモンスターかと言うと、そんなことなくて。ものすごく感性が鋭い人とか、クリエイティブな人とか、10人いたら10人とも全然キャラクターが違います。確率よりも可能性にワクワクする人も、いっぱいいるんですよ。

だから、そういう人の力を引き出すということだと思います。すばらしい人材がそろっているので。

 

守安:まさに岡村さんはそうした「それぞれの個の力を引き出す」ところに強みがあって、今回取締役兼COOとして入ってきてもらいました。

岡村さんには、取締役就任前からDeNAのスポーツ事業を牽引してもらっている中で「社員のいろんな能力を引き出し、任せ、全体を強くしていった」という本当にすばらしい実績があります。

それをスポーツ事業だけではなくDeNA全体に広げていってもらいたい。そうすることで、今いる社員や、これからDeNAに新しく入ってきてくれる方々のポテンシャルを引き出し、社会に大きなデライトを提供していくことに一緒に取り組んでいきたいなと。

 

――総務省に長くいた岡村さんは、なぜDeNAへの入社を決めたのでしょうか。

岡村 信悟

岡村 信悟(以下、岡村):一言で言うと、DeNAのことが好きだったからですね。

僕は1995年に総務省に入省して、まさに「インターネットが普及しはじめて、自動車電話から携帯電話になって、i-modeが来て、DeNAが出てきて」というインターネットの成長を、ITを振興する側として見てきました。

総務省では、ITという新しい領域においてヒト、モノ、カネ、情報が交流し、そして文化が良くなるよう「公共の磁場」としてみんなが集まる場をコーディネートしていたんです。そこでさまざまなプレイヤーを見ましたが、僕はやはりその頃からDeNAのファンでした。

 

――DeNAのどのあたりに魅力を感じていたのですか?

 

岡村:DeNAというのは非常に新しい会社だ、と感じていたんです。

南場さんが言っていたように、DeNAの人たちは非常に真面目なんですね。ともすると、その頃のIT企業は利益主義だと見られていたけど、DeNAは「全体でインターネットのみんなが活躍できる環境を守ろうよ」と、各社のエゴを超えたところを目指そうという想いを非常に強く感じました。

そして、出会う社員みなさんの個性が際立っていて、その個性を素直に出していたと思います。春田(※1)さんの感じ、とか南場さんの感じ、とか、守安さんも全然違うし、そういう個性が出会う社員みなさん素直に表に出ていた。それは「どこどこの会社の人だな」と会社のカラーを感じる、というのとは全然違います。

DeNAは20世紀の最後に誕生したけど「これからの会社のありかた」とか「これからの会社と社員のあり方」とか、そういうものをとても考えさせられる存在だなと。

もっと突き詰めて言うと、インターネットの時代だからこれからもっと「個」が重要になってくる。会社自体も「個」が大事だということを自覚的にしろ無自覚的にしろ、追求しているのがDeNAだなと思っていました。

昭和の時代、20世紀の時代というのは、同じ社会システムの中にいて、画一化された価値観の時代でしたが、21世紀というかインターネットが生まれてからは、そういうことではなくなったんですよね。

人を肩書きなどで見ず、フラットに人にあたる「個が大切にされる多様化された世界」をインターネットが切り拓いた。

そしてDeNAという会社のあり方は、極めてインターネット的だと感じます。

  ※1……春田真(はるた まこと)。DeNA前取締役会長、横浜DeNAベイスターズ前オーナー  

「どれだけオープンに会社を開くか」開放型のアプローチへ

――DeNAでインターネットの世界を舞台に、これからどのようなことに取り組んでいくのでしょうか。

 

岡村:私は、これからが本番だと思っているんですよ。なぜなら、これからの社会システムはインターネットで再構築されていくからです。

これまでインターネットは、ゲームなど主にエンタメの領域でその良さを発揮してきました。そして今はそのインターネットが、スポーツやオートモーティブなどリアルの領域で既存の社会システム自体をアップデートしていっているんです。

つまり、これから社会システム自体がより個人とか、多様性といったものを許容する形で変わっていくはず。

これまでの社会システムは、たとえば鉄道だったり、自動車だったりといった会社がつくり、支えてきました。もちろん、インターネットがこうした会社で働いている人たちの仕事を奪うわけではありません。むしろ、その人たちが重要だと思います。なぜなら、その社会システムがどう変わっていくかは、その会社の人たちが1番よく知っているから。

インターネット会社にできるのはそれを変えていくきっかけづくりとか、ある方向に一緒になって考えていくとか、そういったことです。社会システムを支えてくれている会社とともに、もしくは人とともに、僕たちDeNAがそこを支えていく。新しいアイデアの触媒とか、新しい会社のあり方をDeNAが体現しているとか、そんなふうになれたらな、と思っているんです。

南場 智子

南場:私は令和の時代の会社のあり方として「開放型のアプローチ」が必要になってくると思うんです。

「1つの会社が独占的な経済圏をつくる」というアプローチに対して、世界は今、懐疑的です。このモデルじゃないよね、と思い始めている。「どれだけオープンに会社を開くか」「ザクロをひっくり返す」というのがキーワードになってきます。

 

――「ザクロをひっくり返す」とは……?

 

岡村:南場さんは「ザクロをひっくり返すと、中身のつぶつぶが出る」ということを言いたいんですよね。

 

南場:そうそう。中身をオープンに見せて、社員みんなの個性を出す。最近の人はジュースでしか飲んだことないからザクロの中身、わからないんじゃないかと思うけれども、つぶつぶがいっぱいつまっているんですよ、ザクロ。

 

一同:(笑)

 

南場:ザクロをひっくり返すイメージで、それぞれの才能を表に出して表面積を拡大し、本気で共存共栄していくという考え方でコラボレーションしていく。

それぞれの才能を開花させるためには、2つ必要です。「こんなことやってみたい」「こんなことができるんじゃないか」という社員の意欲をいかに開放できるかと、大きなビジョンの両方が必要。

その両方を、岡村さんは持ち合わせていると感じます。

岡村さんがスポーツ事業に来て、組織がどんどん変わっていったのを私は目の当たりにしました。みんなが自分ごととして考えられるようになって一人ひとりの目の色が変わった。

そして、岡村さんは「共存共栄」の大きなビジョンがある人で。

以前、横浜スタジアムの売上をどう上げていくかという議論で、私がある案を出したときに、「それではうちの収益は上がっても横浜の商店街やコンビニにはマイナスになるリスクがある」ときっぱり否定したことがありました。「横浜の街の共存共栄」という岡村さんの姿勢に、私は感銘を受けました。

 

我々は1つの個性も無駄にしない覚悟がある

――それでは、岡村さんがCOOとして加わった新体制で、DeNAをどのような組織にしていきたいですか。

 

南場:今までお話してきたように、我が社はすばらしい人たちが集まっているんだけれども、全員の個性を活かしきれていたのか、という課題を3人とも共通して認識しています。

そして、認識しているからには覚悟があって「1つの個性も無駄にしない」ということです。

私たちはすごく大きなビジョンに向けてこれまで以上に頑張っていきたいと思ってますが、課題を踏まえた覚悟として「どんな人の個性も絶対にセレブレイトして、その力を引き出せる組織にする」と。

これからDeNAに挑戦しようとする人は、自分の強みを思う存分発揮して大暴れする場所としてDeNAを選んでほしい。

岡村信悟

岡村:太陽が1つだけ輝いているんじゃなくて、みんなが星になって、さまざまな個性的な星座をみんなで描いていくような、社員一人ひとりが輝ける場所にしていきます。

 

南場:詩的ですね、同じことでも岡村さんが言うと。

 

――一人ひとりが大暴れする組織をまとめ上げていくのは、とても大変なのではないでしょうか。

 

岡村:大丈夫です。

「自分がまとめ上げよう」とかものすごく力めば力むほどうまくいかないので。「大国を治むるは小鮮を烹(に)るが如し」(※2)。箸でかきまわさずじっくり煮るしかないんです。

もちろん苦労も心配もしているし毎日その連続ですが、お医者さんのように「風邪ひかないか」「どこか痛くないか」という姿勢で組織の様子をしっかりみているようにしています。

 

守安:今までのDeNAに比べると長いスパンですが、今、2025年、その前後に花開くように、コシの強い事業に取り組んでいます。そういうことを一緒に成し遂げたいと言う方にはどんどん加わってほしいなと思っています。

 

南場:DeNAはこれまでもずっと変化してきています。

今のDeNAを前提に固定のものとして捉えるのではなくて「自分の個性と他の人の個性で、次のDeNAをかたちづくってやる!」と。そういう気持ちでぜひ来てほしいです。

  ※2……寛容を旨としてこまごまと細部に渡って干渉しないこと。 細部に渡って干渉すると有為に過ぎて治まるものも治まらぬようになってしまう、との考え方。出典は老子の「道徳経」第60章。  

※新・取締役兼COO岡村信悟 単独インタビュー所信表明記事はこちら

 

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

聞き手・執筆:榮田 佳織 撮影:石津 大助

 

採用情報について詳しく読む
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Tag

タグをすべて表示する