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CULTURE

19.07.11

DeNA注力事業リーダーは新卒から挫折続き!失敗を成果に変えるまで

「『会社ベースから『プロジェクトベース』へと仕事のスタイルは変わり、会社に所属すれば充実したキャリアを歩める時代は確実に終わります」と語るのはDeNA代表取締役会長 南場智子。

「この人に任せたい」「この人と一緒に仕事をしたい」とプロジェクトに呼ばれる人材にいち早く成長することが、キャリアの第一歩を考える際にとても重要だとうったえます

そんな彼女が現場で活躍している社員に声をかけ、彼らのキャリアについてインタビュー。

第1回は、入社後すぐ撤退事業のプロデューサーになり挫折、ザッカーバーグに憧れエンジニアを目指すも挫折、しかし今では会社の注力事業となるソーシャルLIVE事業を担うまでにキャリアを積み上げた、ネットサービス事業本部ソーシャルライブ事業部 事業部長 住吉 政一郎(すみよし せいいちろう)。彼の挫折からのキャリアのつくり方について、南場智子が聞きました。

 

ザッカーバーグへ憧れてエンジニアの道に

住吉政一郎
▲株式会社ディー・エヌ・エー ネットサービス事業本部ソーシャルライブ事業部 事業部長 住吉 政一郎(すみよし せいいちろう)

南場:住吉とはどっぷり一緒に仕事をしたことはないけど、何回か家に遊びに来たときにおもしろい話をしたよね。東大で地球科学やってたって本当?大学時代の話から聞かせてほしいな。

住吉:大学院まで地球温暖化の研究をしていたんです。だけど、当たり前のことですが、実験の成果に対して地球からはリアクションがないんですよね。

南場:あったら怖いよね。

住吉:地球を知るのはとても面白かったのですが、人生を通して自分が何をしたいのかを考えたときにレスポンスが得られないのは孤独だなと。ちょうどその頃、Facebookの創始者マーク・ザッカーバーグを描いた映画『ソーシャルネットワーク』を観て、お客様やプレイヤーからのリアクションがくる世界っていいなと思いました。

南場:わりと単純だね。で、入社してからどんな仕事をしてきたか教えてくれますか?

住吉:2012年にエンジニアとして入社し『夢幻戦紀ドラゴノア』というゲームのサーバーサイド開発の担当になりました。エンジニアだったんですけど、キャンペーンの企画から実装まで、責任者として任され、サービスづくりの基礎を学びました。

南場:『夢幻戦紀ドラゴノア』はDeNAがゼロから企画した完全内製のオリジナルタイトルだったよね。それで?

住吉:2年目にプロデューサーを任されました。

南場:プロデューサーって、そのタイトルに関わるすべての責任者だよね。2年目で任されたんだ、すごいね。

住吉:ただ、残念ながらサービスとしては積極的な拡大はしないと決まったタイミングでした。会社としては次のプロジェクトへの投資が必要になるので、最初は50人近くいたメンバーもどんどん減らすしかない。そんな中でもやるべきことはやらねばならないという難しい状況下でした。

南場:撤退戦か。1度投入したサービスが上手くいかないと、中途半端には投資できないという判断をする……。事業の世界ではよくあることだけど、悲しいジャッジだよね。

住吉:当時は、判断早すぎだろう!と思いました。サービスの非注力が決まったとはいえ、1日数万人くらいのファン・プレイヤーがいてくれたんです。だからまず「あのサービス止まっちゃったけどDeNAのゲームを遊んで良かった」と思ってもらえることを自分へのミッションとしました。

南場:幕引きまでの間、お客さまを喜んでもらおうということだね。撤退戦であることは、メンバーにも伝えたんだよね。

 

2年目で知ったサービスクローズとチームマネジメントの難しさ

住吉政一郎

住吉:はい。当時のメンバーとしては色々思うこともあったと思いますが、最後までプレイヤーの方々に納得いただける形を模索できたチームだったと思います。

南場:製品の場合は製造を止めるわけだけど、Webサービスの場合はプレイヤーがいるので時間をかけてクローズしていくんだよね。そのマネジメントは大変な仕事だったと思うよ。

住吉:チームから少しずつ人が抜かれていったり、新しい投資ができなかったりと、かなり寂しい状況でしたが、チームは制約の中でも最大限のデライトを届けようと最後までがんばりました。チームの想いが少しでもプレイヤーの方々に伝わっていたらいいですね。

南場:その後は?

住吉:ザッカーバーグになる夢を捨てきれなくてエンジニアに戻り、大型ブラウザゲームのサーバーサイド開発の担当になりました。

任されたのは月の初めの大きなイベントで、1つエラーがあると数億円規模の損失になるので、先輩たちのインプットも当然厳しく、かなり緊張しながら作業をしていた覚えがあります。

南場:大型タイトルのイベントは肝いりイベントだもんね!今はエンジニアじゃないよね? 何があったの?

住吉:実は、諦めました。当時、エンジニアとして先輩のインプットを受けながら必死に実装していた横で、同期のエンジニアが自分の仕事は当たり前にこなしながら社内外の他のサービスのコードを検証したり、それを参考に自分でもゲームのプロトタイプを作って、「これどう思う?」と余裕たっぷりに聞いてくるんですよ。

そんなことが続いて、自分はこのレベルには行けないと感じたんです。入社3年目でザッカーバーグにはなれないと気づきました(笑)

ただ、企画を考えることは好きだったので社内コンペに参加して、それが通り、自分でゼロから考えたブラウザゲームをプロデューサーとしてつくれることになったんです。

南場:それで新規ゲームの立ち上げを担当したんだね。これはすごい。それで?

住吉:あまり大きな声では言えませんが、迷走しまくりました。チームにはゲームづくりのプロの先輩がたくさんいたので、ゲームをつくったことのない自分は先輩たちの意見を聞きまくりましたが、みんな違うこと言うんですよ。

言うことを全部聞いていたら方針がなかなか定まらず、マネージャーに泣きつきました。そこで「おまえは何をつくりたいんだ」と言われ、ハッとしました。

南場:人の話聞いてるだけじゃリーダーの仕事してないよね。そこでようやく自分の考えを打ち立てたんだ。

住吉:はい。リーダーが決めないとブレてしまうと気づきました。色んな人の意見を参考にしつつ、最後は自分で決めて、これは面白いと思えるゲームをリリースしました。

南場:大事なことに気づいたね。ようやくリリース!それで?

住吉:何も起こらなかった……。

南場:地球と一緒で無反応。

住吉:文句でもいいので言って欲しかったですね。Twitterを見ると数少ないプレイヤーから「私“は”楽しんでいます」なんていう言葉もありました。

南場:プレイヤーから思いやられている(笑)。

 

新規ゲームリリースするも、無反応。思い込みが生んだ挫折と失敗

住吉政一郎

住吉:当時は「自分のアイデアはイケる」と思い込んで独りよがりになっていたんですよね。思いついたアイデアって、大体は既に世の中に出ているし、上手くいっていないものも多いわけです。

「今の時代のお客さまがなぜ使ってくれるのか」が、きちんと突き詰められていないサービスは厳しいと今ならわかりますが、当時はまさに失敗の見本みたいになりました。今は笑って話せるけど、当時は生きた心地がしなかったです。

南場:リーダーシップは学んだけど、事業センスはまだまだだったわけだ。

住吉:3ヵ月くらい続けたものの、クローズに向けて動きだしました。きつかったですね。その後、新規事業として、別のサービスをつくったんですけど、それも無反応。

南場:無反応、何度目よ(笑)。そろそろユーザーととことん向き合ってよ。

住吉:そこなんです。自分も、失敗を重ねてきたのでとことんお客さまと向き合わなければと思い、様々な人達に意見をいただいて「ゲーム×コミュニティ」という仕事にたどり着きました。

 

プレイヤーの反応がすぐわかる!ゲーム✕コミュニティで新しい扉を開いた

住吉政一郎

南場:それで2016年に『逆転オセロニア』のコミュニティマネージャーに就いたんだね。

住吉:はい。ゲームの運営の中で、プレイヤーの方々のコミュニティをサポートする「コミュニティマネージャー」という立場は当時、社内にも国内にもあまりありませんでした。

意気揚々とリアルイベントを企画し、当日会場に行ったら来場者1人。

南場:なるほど!

住吉:4時間その方と一対一で『逆転オセロニア』について語り合うイベントになりました。

南場:とことん向き合えたね。

住吉:普通はそこでそのイベントはやめようという話になると思うんですが、プレイヤーの熱量を信じて続けることにしたんです。

そしたら、そのあと少しずつコミュニティが大きくなり、1,500人以上のお客さまが集まるようになりました。最初の頃の参加者の方々が大会で決勝の舞台に立ってる姿を見て感無量でした。

南場:すごいな。

住吉:笑顔でゲームを楽しんでくださっているプレイヤーの方々とお会いできるのは、本当に嬉しかった。時にお叱りも受け、サービスへの学びも大きかったです。結局、お客さまと直接とことん向き合うことが、サービス運営で一番大事だと痛感しました。当たり前のことだけど本当に実感しました。

南場:えらいな。

 

これからも意識し続けたいのは「とことんお客さまと向き合う」こと

南場智子

南場:今は、我が社の注力事業であるソーシャルLIVEの事業部長ですね。偉い人だ。事業責任者として気をつけていることはどういうことですか?

住吉:ここまで話したこと全部です。あえて言葉にするなら、とことんお客さまと向き合った上で、サービスをどうするか決めていく。それだけですかね。

南場:言葉にすると普通だけど、それが本質なんだろうね。やっぱり面白かった。いろいろ聞かせてくれてありがとう!

 

最後に、度重なる挫折を経験した住吉に、辛いときはどう乗り越えるのか聞いてみたところ「逃げられないから、だめだったときの評価は受け入れます。しばらくの間正気をなくすけど、この経験を活かさなくてはと考えます」と常に前向き。

挫折をし深く悩んでも、それを学びに変えていける切り替え力こそ、住吉の成長の原動力かもしれませんね。

 

※この記事はイベント「キャリアの本質」を再構成したものです。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

編集:菊池 有希子 撮影:石津 大助

 
【「キャリアの本質」シリーズ】
第2回 自称健康オタクが「笑い✕健康」の事業化を計画。“起承転結”の舞台裏
第3回 目標達成かチームビルドか。揺れるプロデューサーが気づいた“何より大事なこと”
第4回 タクシー免許取得もなんのその。肝っ玉セールスウーマンの「コトを成す」術
第5回 「面白い」も定義する“ロジカルモンスター井口”の葛藤。「すべき」と「したい」の狭間で
 

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