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CULTURE

19.04.18

あらゆるモノ・職種はクロスしていく。日本のモノづくり強化に向け進化する『BIT VALLEY 2019』開催前 特別対談

「既存の産業とITが融合しはじめている」 「異なる職種のクロスの関係性が重要」

そんな言葉が飛び出した、渋谷のインターネット企業4社による今回の対談。

事業上ライバルとなりえる彼らは「ITの力を通じ、日本をより盛り上げていきたい」という共通の想いのもと集い、2018年「SHIBUYA BIT VALLEY」プロジェクトを開始しました。

2018年に開催した初カンファレンス『BIT VALLEY 2018』に続き、2019年9月13日(金)、14日(土)、『BIT VALLEY 2019』開催が決定。

今回のテーマは「モノづくりは、新たな領域へ 〜テクノロジーとクリエイティビティが交差する世界〜」。

一見、抽象的なこのテーマには10年、20年後の日本が直面する課題、そして今起きつつある変化に対し「インターネット企業がすべきこと」への想いが込められていました。

 

これからのモノづくりは「クロス」の関係が重要

ーー今年の『BIT VALLEY 2019』のコンセプト「モノづくりは、新たな領域へ」は抽象度が高いテーマに感じます。なぜこのテーマに決定したのでしょうか?

 

稲守 貴久(いなもり たかひさ)氏
▲ GMOインターネット株式会社 次世代システム研究室シニアクリエイター 兼 事業本部 デベロッパーリレーションズチーム 稲守 貴久(いなもり たかひさ)氏
2006年入社。 『ヤプログ!』クリエイティブディレクターを担当。その後、 GMOクリック証券ウェブマスター経験後、2009年FX専業子会社立ち上げに参画。2010年からは次世代システム研究室にてグループ各社のサービスや新規事業の技術支援に加え、同社の技術PRや若手エンジニアの採用、育成にも取り組んでいる。

GMOインターネット 稲守 貴久氏(以下、GMO 稲守):”あらゆるモノがボーダレス”になっていっているからかな、と私は理解しています。

前回の『BIT VALLEY 2018』は主な来場者としてエンジニアを想定していたので、テックカンファレンスの色が濃かった。

ですが結局、我々が今展開しているサービスはエンジニアだけでつくっているわけではないんですよね。

弊社を例に挙げても、もともとインターネットのインフラ事業の会社ですが、今はネット広告、メディア、ネット証券、ネット銀行など多岐にわたる事業を展開しています。

日常のモノが、どんどんインターネットと結びついていっている。

そしてそれらのモノは、エンジニアだけでなくていろんな人間、才能が集まってやっとできあがっている、ということですね。

それから「エンジニアだけどデザインもする」「デザイナーだけどエンジニアリング領域もできる」そういった”職種のボーダレス”も起きています。

なので広い意味での「モノづくり」が「新たな領域へ」という言葉が生まれたのかなぁと僕は理解しています。

 

▲株式会社ディー・エヌ・エー 常務執行役員 CTO システム本部 本部長 小林 篤(@nekokak)
▲株式会社ディー・エヌ・エー 常務執行役員 CTO システム本部 本部長 小林 篤(@nekokak)
法学部法律学科からエンジニアへ転身し、2011年にDeNAに入社。Mobageおよび協業プラットフォームの大規模システム開発、オートモーティブ事業本部の開発責任者を歴任。2018年より執行役員としてDeNAのエンジニアリングの統括を務め、2019年より常務執行役員 CTOとしてより経営レベルでの意思決定に関わることと、技術・モノづくりの強化を担う。

株式会社ディー・エヌ・エー 小林 篤(以下、DeNA 小林):そうですね。様々なものがクロスしてボーダレス化してきてますよね。

今回の『BIT VALLEY 2019』のロゴは線がクロスしているのですが「テックとアートがクロスしている」という意味も含んでいます。

 

『BIT VALLEY 2019』のロゴ
▲『BITVALLEY2019』のロゴ。線の「クロス」で今回のコンセプトを表現している。サイバーエージェント所属デザイナーが制作した。

たしかに、各職種の境界は曖昧になってきているかもしれませんが、1人のトップエンジニアが同時にトップデザイナーになれるわけではない。

異なる職種間の協力、つまり「クロス」の関係が必要です。デザイナーの方とも、いろいろとそういった話をしながらロゴをつくりました。

 

ーー「モノづくり」において、業界と職種のボーダレス化が起きている、と。しかし、そもそもインターネット企業が「モノづくり」をテーマにカンファレンスを開催することにピンと来ない方もいるかもしれません。

▲(左)株式会社ミクシィ執行役員(技術領域)CTO 村瀬 龍馬(むらせ たつま)氏(@tatsuma_mu)
▲(左)株式会社ミクシィ執行役員(技術領域)CTO 村瀬 龍馬(むらせ たつま)氏(@tatsuma_mu)
2005年入社。SNS『mixi』の開発に従事。2009年に1度退職後、ゲーム会社役員、エンジニアなどを経験。2013年再入社後、別部署を経て『モンスターストライク』の開発部署に。現在XFLAG開発本部 本部長としてXFLAGのエンジニア全体を統括。2018年4月、執行役員(技術領域)就任。同年10月にCTO就任。

株式会社ミクシィ 村瀬 龍馬氏(以下、ミクシィ 村瀬):インターネット企業と「モノづくり」という言葉から連想されるリアルなプロダクトが結びつきづらいかもしれませんね。

ですが稲守さんがおっしゃったように、我々もインターネットだけの企業ではなくなってきているんです。

今ミクシィはモノによってはハードウェアをつくったり、イベント運営やウェルネス事業の展開もしたりしています。

展開する事業が多岐に渡るにつれ、より一層エンジニアリング以外の知識が必要になってきているんです。

AI技術だけでは何もつくれないけれど、逆に技術がなくてはモノはつくれない。多種多様な知識、プロフェッショナルやスペシャリストたちが必要になってきています。

 

▲株式会社サイバーエージェント取締役(技術管轄) 長瀬 慶重(ながせ のりしげ)氏
▲ 株式会社サイバーエージェント取締役(技術管轄) 長瀬 慶重(ながせ のりしげ)氏
通信業界での研究開発を経験後、2005年入社。『アメーバブログ』『アメーバピグ』やソーシャルゲーム、コミュニティサービスなどの開発を担当。『AbemaTV』の開発本部長を務めるほか技術政策室室長としてエンジニアの組織戦略や採用、技術力向上のための評価制度など環境づくりにも注力。

サイバーエージェント 長瀬 慶重氏(以下、CA 長瀬)本当にそうですね。

弊社には今、以前だと考えられないような多くのプロフェッショナルがいます。たとえば、TV番組のクリエイター、音声を現場でチューニングする技術者。

「モノづくり」に必要な職種の幅が大きく広がってきていますし、産業自体もどんどん枠を超えてきているように感じます。

 

GMO 稲守:「IT産業が広がった」というよりも「既存の産業とITが融合しはじめている」という感じですよね。

 

DeNA 小林:まさに、ですね。

ITは「既存産業のディスラプター」……、破壊者のように思われていることもあるんですが、そうではなくてITは「イネイブラー」。つまり、既存産業のドライブを「可能にするもの」だと思うんです。

弊社の場合も、というより最近は世の中全般そうだと思いますが、1つのプロダクトを世に出すまでに、実にさまざまな要素が必要になってきています。

そのためには、いろんなスペシャリティを持った人たちが集まって力を発揮し合うことが大前提ですが、まだ日本は遅れている。

「ITの発達が遅れている」ということもあります。そして「既存産業とITの融合でモノづくりをドライブ」していくことも、まだまだ必要ですね。

 

あえて、リアルタイム配信を「しない」理由

ーーイベント内容で前回と変わったところを具体的に教えてください。

 

nekokak氏

DeNA 小林:大きく2点あります。

まず1点は「モノづくり」をテーマに、エンジニアだけでなくミュージシャンやデザイナーなど多種多様な専門家が登壇する点。

そしてもう1点は、前回なかった「双方向のワークショップ」を開催する点です。

よくあるカンファレンスは登壇者が情報を提供する一方通行なものですよね。でも『BIT VALLEY 2019』では、逆に学生含む参加者から発信する双方向のやりとりの場も多く提供したいと考えています。

 

ーー参加者からの発信というと?

 

DeNA 小林:ピッチコンテストのような場を設けようと考えています。

お題に対し、デザイナーやエンジニアなど参加者の方が何かを表現し、各業界のトップ層である登壇者が審査員となって直接インプットするイメージですね。

 

ーーなるほど。貴重な機会となりそうですね。学生の方は今回も参加費は無料、規定の条件を満たせば交通費も支援される、と伺いました。

 

DeNA 小林:検討中です。

そもそも『BIT VALLEY』は長瀬さんが言っていた「学生の地方格差をなくしたい」という想いからスタートしています。

なので学生の方、特に地方の学生の方の参加の敷居を下げたかったんですよね。

 

2018年9月10日『BIT VALLEY 2018』の様子
▲2018年9月10日『BIT VALLEY 2018』の様子。4社の創業者が創業から今までを振り返り、新生『BIT VALLEY』にかける想いを話す象徴的なKeyNote(基調講演)に、多くの学生含む参加者が熱心に聞き入っていた。

ーー地方格差をなくす、という意味ではリアルタイム配信などで地方にいながら会場の様子を見られるようにしたりはするのでしょうか?

 

GMO 稲守:いえ。リアルタイム配信はせずに、前回同様、事後のオンデマンド配信になると思います。

 

DeNA 小林:この4社が集えばもちろん技術的にリアルタイム配信は可能ですが、あえてしない。

ライブと一緒で「その場に行って生の声や臨場感を味わうこと」は、特に学生の方にはとても刺激になると思っているからです。

 

ーーなぜ、特に学生の方なのでしょうか。

 

DeNA 小林:日本人はまだ、モノづくりでグローバルに活躍する人材が圧倒的に少ない。これは登壇予定者からも出てくる話です。

若いうちにグローバルに活躍するトップ層と触れ合える機会があればとても刺激になり、いずれ彼らが活躍するきっかけになるかもしれない。

学生の方に来てほしいのはそんな想いからです。

 

稲守氏

GMO 稲守:何か刺激を受けたとしたら、できれば同じIT業界に入って、日本のさまざまな産業をアップデートしていく仲間になってほしい。

そうでなくても、純粋にこの場に来て「楽しいな」と思ってもらえたら嬉しいし、そんなものを届けられたらと思っています。

 

DeNA 小林:学生だけでなく、社会人1、2年目のような若い方にも多く来てほしいですね。自分の専門性を生かし、クリエイティブなことをする方、したい方には是非参加してもらえれば。

 

エンジニアの未来は明るい。ワクワクするきっかけに

ーー今回のテーマに関して「ITと既存産業の融合」「クロスの関係性」というキーワードが出てきました。そうした変化が進む中、IT業界の未来に対して『BIT VALLEY 2019』ができることをどう考えていますか?

 

長瀬氏

CA 長瀬:私は常日頃「エンジニアの未来は明るい」という話をしております。

これから10年、20年、30年……。ITと既存産業の融合が進んでいき、IT人材の深刻な不足が予測される中、今後の未来を担う若い人材が「テクノロジーに触れて未来を想像できること」は、とても大切になってくる。

インターネット事業に20年ほど軸足を置いてきた我々ができる社会貢献として、若い人材にそのような機会を提供し「この業界は楽しい」と伝えていくことがあります。

1社でできないことでも、想いを共にする4社が力を合わせることでワクワクするような場をつくり出せる。

広義の「モノづくり」に関するプロフェッショナルな方々をお呼びしたり、さまざまな仕掛けをつくったり。そこは前回から変わっていない根底の想いです。

 

セッション終了後
▲2018年9月10日『BIT VALLEY 2018』の様子。セッション終了後に登壇者と参加者の交流が多く見られた。

ミクシィ 村瀬:当日は「集まった人全員と話す」くらいの気持ちで、積極的にインタラクティブな体験をしてほしいと思っています。そうした経験はとても次につながっていくんじゃないかな。

「一緒に何かつくろうよ!」という出会いだって生まれるかもしれません。多くの優秀なおもしろい人たちが集まるので、ぜひ対話をしに来てほしいなと思います。

 

GMO 稲守:弊社は「すべての人にインターネットを」とキャッチコピーを掲げているんですが、世の中のいろんなものやみなさんと、インターネットがつながるきっかけの一翼になれたらいいな、と。

「インターネットを通じて可能になること」を発信し合い、フィードバックを受けて次のアクションにつなげる場。「きっかけのPDCA」を回す場づくりができればと思います。

 

DeNA 小林:今までにないものをつくろうとしているので、当日までいろいろとあると思いますが協力して乗り切り、最高の場をつくりだしたいですね!

 

定期的に4社が集まるミーティング
▲『BIT VALLEY 2019』開催に向け、定期的に4社が集まるミーティングを重ねている。

『BIT VALLEY』は”ブースター”。渋谷から世界へ

ーー『BIT VALLEY 2019』に限らず、今後『BIT VALLEY』は何を目指し、どのようなものになっていくのでしょうか。

 

DeNA 小林:渋谷にとらわれず、ITの力を通じて日本全体をもっと盛り上げ、良くしていきたいと思っています。

世界で利用されるプロダクトを日本から生み出せる環境をつくりだしたり、さまざまなコラボレーションを生みだしたりしていけるといいですね。

そういう想いもあり、今回はスポンサーも渋谷に限定していません。

前回は渋谷だけに限定していたところ、渋谷区以外からも「スポンサーになりたい」というお声が多く、お断りするしかありませんでしたので……。

 

ミクシィ 村瀬:「渋谷を中心にみんなを巻き込んでいこう」という感じですよね。

 

CA 長瀬:今回、登壇予定の顔ぶれやイベントの内容が公開できるタイミングが来たら「ぜひスポンサードしたい」と思ってもらえるものになっていると思いますね。

 

村瀬氏

ミクシィ 村瀬:我々はイベント運営を主にしている会社ではないので『BIT VALLEY』自体もイベントに閉じないさまざまな可能性があると思います。

今後は、地域に根ざして渋谷の街を巻き込んだものをつくっていくのもいい。それが例になって他の都市に広がりを見せていくのもおもしろいですよね。

『BIT VALLEY』自体は何だろう……。ブースターみたいな役割にはなれるのかな。

イベントとして大きくなっていくのはもちろんいいと思いますが、一概に大きなカンファレンスを目指すわけではないですね。

『BIT VALLEY』から何かが始まる、変わる。

関わる方々が、次につながるようなものを得てもらえる場にしていきたいですね。

 

4人で談笑
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BIT VALLEY 2019 公式サイトはコチラ

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

 

執筆:小池 遥 編集:榮田 佳織 撮影:本山 隼人

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