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『Pococha(ポコチャ)』は、DeNAが運営するソーシャルLIVE配信プラットフォーム。
大きなトレンドが来ているソーシャルLIVE領域の中でも、コミュニケーションに重きを置くことで他社との差別化を図っています。
「今後はよりリッチで濃密な体験を提供できるサービスに発展させたい」
と語るのは、自ら起業した経験を持つプロデューサーの水田 大輔(みずた だいすけ)。
プロダクトがスケールするこのタイミングで、その世界観を一緒に作り上げるエンジニアを求めています。
DeNAがソーシャルLIVE領域に注力する理由とは? 事業のポテンシャルと魅力を語ります!
目次 [隠す]
CEOだった彼がDeNAでの再挑戦を決めた言葉
――なぜ、スタートアップ企業のCEOだった水田さんが、DeNAでソーシャルLIVEプラットフォームを立ち上げることになったのですか?
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コマース&インキュベーション事業本部 ソーシャルライブ事業部企画推進部 水田 大輔(みずた だいすけ)
大学在学中の2011年にスタートアップ企業を設立し、CEOに就任。プライベートSNSサービスの領域で2013年に『Close:』、2016年に『dear』をリリース。同年、株式会社ディー・エヌ・エー入社。プロダクトオーナーとして、ソーシャルLIVE配信プラットフォーム『Pococha』を立ちあげ、ビジネスを推進中。
水田 大輔(以下、水田):CEOを務めていたスタートアップ企業では、プライベートSNS(※1)のサービスをつくっていました。
プライベートSNSが2013年から2014年のタイミングでグローバルなトレンドになった瞬間があって、キャズムを超えるんじゃないかと思いアプリをリリースしたんです。
しかし最終的にサービスを伸ばし切ることが叶わず、結果、資金調達の見通しも悪くなってしまいました。
それで、出資企業の1つだったDeNAの原田(※2)に相談し、DeNAが私が立ち上げたアプリを買収することに。
そして私は、DeNAで新しくサービスを立ち上げることになったんです。
※1……親しい友人・恋人や家族間などの限られた人たちの間でのクローズドなSNS。 ※2……現、DeNA取締役の原田 明典(はらだ あきのり)。
――複雑な心境だったのではないでしょうか。
水田:その時、原田から言われた言葉が心に刺さったんですよね。
「重要なのは最先端でサバイブし続けることだ」と言われたんです。
「すみません、おっしゃる通りです」と返すしかありませんでした。
そこで大切なのは自分が立ち上げた会社でビジネスを続けることに固執するのではなく、トレンドを向き合うことだと気づいたんです。
――なるほど。最先端で生き残り続けるためには何が必要だったのでしょうか。
水田:もちろん生き残るべく毎日必死にやっていましたが、長年プライベートSNSをやるうちに、もはや最先端ではなくなっていた。
数年間やっているうちに『Instagram』をはじめとする写真の時代が来て、さらに『SnapChat』のような動画アップロードが当たり前になってきているトレンドが来ていた。
でもそのトレンドを無視していたから、スタートアップとしてのミッションをサービスが果たせていなかったんですよね。
――それでトレンドの最先端として、DeNAで新たに挑んだのが「ソーシャルLIVEプラットフォーム」というわけですね。
水田:そうです。
当時のグローバルトレンドを見ると、動画だけでなく、ライブっぽいものが来ていることがわかりました。
さらに「利用者が少なくてもマネタイズの検証ができる」「ビジネスモデルが強固である」という点から、この領域に踏み込もうと決めました。
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LIVE配信サービス市場の拡大は、本物
――LIVE配信サービスの市場は拡大しつつあると言われていますが、どう捉えていますか?
水田:LIVE配信系に関しては、中国をはじめ、アジア圏、アメリカではすでにトレンドが来ていて、一定の規模になることはデータで証明されています。
日本にも来るとわかっていますが、どのくらいの規模になるのかはわかりません。
かつて携帯電話でのゲーム市場がどのくらいの規模になるか聞かれて、正確に予想できた人はいなかったはず。
「こんな小さな画面でゲームをする人が多くいるはずない」と思った方もいたことでしょう。
――水田さんの肌感としてはどうですか?
水田:お客さまと頻繁に交流を重ねていく中で、本当にこの1年間ぐらいでいただく言葉が変わってきました。
「『TikTok』『Instagram』をやりながら『Pococha』もやっています」とか。喜ばしい話です。
――他の多くの利用者を抱えるサービスと並列して『Pococha』が語られるようになってきているのですね。その中で『Pococha』の特徴とは?
水田:『Pococha』は、ソーシャルLIVEプラットフォームと自称しています。
ライバー(※3)が情報発信するだけではなく、リスナーとリアルタイムで共に心地よい空間をつくり、それぞれの生活に楽しさや温かさを提供するものです。
※3……配信者。
――『Pococha』のサービスリリースは2年前ですよね。ソーシャルLIVEの中では比較的、先行していたこともあり順調に伸びたのでしょうか。
水田:おかげさまでここまで成長することができました。
しかし、ここまで順調だったわけではありません。
リリース直後数ヶ月は順調に伸びましたが、その後横ばいになったりして、いろいろと検討を重ねました。
思い描く利用者さま像、それに合わせたイメージカラーも変化しましたね。
当初はもっと「昔からのインターネット文化」に慣れ親しんでいるような、ネットギークな方々を利用者さまとして想定していたんですよ。
――今の『Pococha』のイメージや利用者像とかなり違いますね。ネットギークな方というより、実生活を楽しんでいたり、リアルで叶えたい夢があったりする方が多くライブ配信をしているイメージがあります。
水田:『Pococha』のサービスを初めて構想した時は、LIVE配信サービスは日本にありませんでしたので。
そうした新しいサービスに親しむネットギーク層を想定していましたが、今はより「リアルも楽しむ方々」がメインの層となっています。
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――サービスの方向転換をしていくのは勇気が入りませんか?
水田:お客さまの声からトレンドってできていくものですし、それ以外のことに固執するとトレンドからずれていってしまうということを起業した際に学び、とても意識しているんです。
過去から積み上げた予測と、現状、それから未来のありたい展望を重ね、修正を繰り返しながら進んでいっていますね。
DeNAの強みは「原体験」と「多様性」
――なるほど。むしろ、進むべき道を示していくのがプロデューサーの役割だと。
水田:ええ。
私はプロデューサーとして、今後の『Pococha』の成長を描いていく立場にあります。
どこまで成長するか、現実的に描けば小さくまとめてしまうこともできるし「正気か?」と思われるほど大きく描くこともできる。
その見定めはプロデューサーのセンスですが、この2年半ほどは期待を上回る状況が続いています。
そして、こうした「私たちがどこを目指すか」は私1人で決められるものではありません。
市場全体のトレンドで見たら、LIVE配信サービスの今後の拡大は確実ですが「それが今の何倍になるのか」で大きく違ってくる。
それをメンバー間でいつも真剣に話し合っています。
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――今後、よりこの領域は他社も注力してくるのではと思いますが、DeNAがソーシャルLIVE配信プラットフォームを展開する強みは何だと思いますか?
水田:DeNAの強みは「トレンドが発展するナレッジ」を原体験として持っている社員が多いことですね。
LIVE配信サービスは、まさにこれからトレンドが発展していく段階。
インターネット上で自己表現をするフォーマットはこれまで様々進化してきましたが、今、まさにそのフォーマットのトレンドはLIVE。そして、それはよりリッチ化する方向で動いています。
DeNAは、Mobageの発展などを通して「今までなかった市場をつくり、それらをリッチなコンテンツに変えていく過程やスピード感」を知っているんです。
それから、DeNAには本当に多彩なバックグラウンド、スキルを持つ人材が集まっています。
いろいろな原体験を持つ人たちとディスカッションすることで、多角的にものを見ることができ、プロダクトの精度は上がると思いますね。
あえて「アナログ」あえて「泥臭く」
――『Pococha』の開発チームはどんなメンバーですか?
水田:私たちは、0から1を生みだすサービスインキュベーション事業部から、サービスがグロースフェーズに入ったことで独立したチーム。
なので、サービス立ち上げができるフルスタックエンジニアが何人もいます。
彼らの技術の幅の広さも尊敬していますが、大企業的ではなくリーンにものごとを進める行動哲学が染みついているところが強みです。
サービス立ち上げ時って仕事を選んでいられなくて何でもやるので、結果としてフルスタックエンジニアになるし、エンジニアだけれど企画も高いレベルでできちゃう人が多いですね。
全方位に何でもできる人が組織の中に散らばっているのは、すごくいいんじゃないかな。
――良い人材、資源も揃っていながらスタートアップ文化がある環境と言えるかもしれませんね。
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水田:そうですね。
『Pococha』はスケールするタイミングだからといって「大企業らしくやろう」とか「役割を分けていこうよ」といった話は出ません。
私たちだけでなく、世界の最先端のチームは今「スケールしてもリーンであることをやめない」あるいは「リーンなままスケールする」ことを目指しているように思います。
たとえば、AI解析して最適なコンテンツがなければ自分たちでつくるとか。アルゴリズムだけでなく手動でプレイリストをつくるとか。
『Pococha』が目指しているのもまさしくそれで、泥臭くあること、アナログであることから、逃げない。
個々のメンバーが利用者の反応や変化を見て全方位的に何をすべきかを考えるチーム文化があります。
上の立場から言って聞かせるのではなく、文化が骨身に染みている人が組織の各所に散らばって粘り強くチームに広め続ける。これが結構重要かな、と思っています。
成長するサービスでバリューを高めてほしい
――今、ジョインするエンジニアが『Pococha』で得られるものとは何だと思われますか?
水田:スケールする時期を目の当たりにできる、原体験を得られることそのものが価値だと思います。
その上、先程言いましたように『Pococha』はフルスタックのエンジニアがとても多いんですよね。
1人でチームを引っ張っていけるようなエンジニアが多数いる中で、働けるという環境そのものが、非常に贅沢ではあると思います。
それと、エンジニアにとって「どのサービスに自分の技術を提供するか」って非常に重要だと思うんです。
――それはどういうことでしょうか?
水田:全力を注いだサービスがすぐにクローズしてしまうと、ライブラリの開発や技術資産やノウハウを蓄積できたという話はあると思うのですが、エンジニアとしての成果が見えにくくなってしまう側面はあると思うんです。
これはエンジニアに限らず、サービスを企画するビジネス職やプロデューサーと同じですよね。
『Pococha』はこれからもっともっとスケールさせていくつもりだし、一緒に成果をつくってくれるエンジニアを求めていますね。
――新たにジョインするエンジニアに取り組んでほしいことはありますか?
水田:「今後もっとエンターテインメントとしてリッチに、楽しくなるにはどうやっていけばいいか」を一緒に考えて、検証して行ってほしいですね。
現在、ライバーさんやリスナーさんと直接お会いして、話を聞く機会を頻繁に設けているんですが「もっとこうしたら面白いと思う」という案がいくつでも出てきます。
それは僕たちプロフェショナルから見てもまさしくその通り。発展と改善の余地がたくさんあるんですよね。どうすればレバレッジが1番効くかを試していきたい。
――一緒に未来をつくっていってほしい、と。
水田:ええ。LIVE配信サービスは確実に来ているので、成長市場で自分の価値を高めることができる。
『Pococha』はサービスとしてスケールするフェーズ。とても刺激的なチャレンジになると思います!
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執筆:さとう ともこ 編集:榮田 佳織 撮影:杉本 晴