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サラダ専門店「サラド」と共同開発したメニューも!社員のパフォーマンスを高めるDeNA流ランチ作りの現場

2017.12.08

忙しい毎日の中でも、できるだけ栄養価の高いものを食べ、日々のパフォーマンスを高めたい。

これは、多くの社会人ができるだけ叶えたいと思っていること。しかし、取り入れるのがなかなか難しいことでもあります。忙し過ぎて、食べる時間すらなかなかとれない人は、ファーストフードやインスタント食品など、あまりカラダに良くない食事で済ませてしまうことも多いのではないでしょうか。そのような状況を解決するために、社員により健康的な食事をとってもらい、仕事へのパフォーマンスを上げてもらう取り組みを始める会社が増えてきています。

DeNAでは、社員の健康サポートを担当する専門部署・CHO(Chief Health Officer)室が「食事が変わればカラダが変わる」をテーマに、食への意識を高める「ウェルメシプロジェクト」を今年の4月からスタートしました。その施策のひとつとして、ランチタイムに美味しくかつ健康的な「ウェルメシ弁当」の販売を実施しています。

今回は、プロジェクトの推進者である植田くるみが、同プロジェクト発足の経緯や想いを語ります。社員を“食”で健康にし、仕事に“フルスイング”できる環境を生み出す「ウェルメシプロジェクト」は、どんな未来を目指しているのでしょうか?

「栄養のバランスが取れたヘルシーなお弁当を追加してほしい」

――植田さんが、「ウェルメシプロジェクト」に携わるようになるまでの経緯を教えてください。

植田:私は、DeNAで10数年前から働いています。最初は、ショッピングの編集企画だったり、コンサル営業といった営業推進的なバックオフィスを担当したり。その間に、子どもを3人出産して。その後、カスタマーサービス部やヘルスケア事業を行っている子会社・DeSCヘルスケアへ出向しました。

そして、DeSC在籍中に業務を通じて健康の大切さを実感し、ヘルスケアに関する知識や関心の高まりを感じていたタイミングでもあった、2017年4月にCHO室への辞令を受けました。

CHO(Chief Health Officer)室 植田くるみ
商業施設の開発・運営管理会社にて新規商業施設の立ち上げに携わる。施設の販売促進担当や店舗営業コンサルを経て2003年にDeNAに入社。ショッピングサイトの企画編集や店舗コンサル、ゲームのカスタマーサポート部署を経てDeNAの子会社であるDeSCヘルスケアに出向後、2017年4月から現職。私生活では3児の母。

CHO室の活動は、経済産業省の「2016年度健康寿命延伸産業創出推進事業(地域におけるヘルスケアビジネス創出推進等事業)」にも選定されています。そして、この事業展開の中、渋谷の美味しくてヘルシーなお店を見つけることができるアプリ「ウェルメシ」を2017年3月にリリースしました。

――つまり、「ウェルメシ」のリリースと植田さんがCHO室に移ったタイミングがほぼ同時期なのですね。

植田:はい。そして、「ウェルメシ」のリリースを発端として、社員の食への意識を高める活動「ウェルメシプロジェクト」がスタートしました。プロジェクトの第1弾を実施した後、第2弾として、以前より社員から寄せられていた社内販売のお弁当の改善要望を元に、健康に良いお弁当を販売する取り組みを始めたんです。

――DeNA社内では、もともとお弁当の販売がありましたよね?

植田:はい。以前から、社内カフェや各フロアでお弁当を販売していました。でも、人事総務部がお弁当に関するアンケートを実施したところ、メニューと販売方法についての要望が多く挙がったんです。

――具体的には、どのような?

植田:当時は、リーズナブルでボリューム重視の揚げ物が多くて野菜が少ない、若い男性が好むようなお弁当が大半だったんです。だから、「栄養のバランスが取れたヘルシーなお弁当を追加してほしい」という声がけっこうありました。その声に応える形で、人事総務部と一緒に「ウェルメシ弁当」の導入へ向けて企画がスタートしたんです。

お弁当販売のパートナー選びは「健康への想い」を軸に

――健康に良いお弁当を提供してくれる取引先を探すのは大変だったのでは?

植田:そうですね。時間は結構かかりました。私たちは健康的なお弁当を作ることに対する“本気度”の高いパートナーとお取り引きをしたい、という想いがあって、専門家に協力してもらいお弁当に使用する食材のガイドラインを独自で作ったんです。

化学調味料や着色料をはじめトランス脂肪酸やブロイラーの使用禁止など、全33個(必須9・必須推奨および推奨24)に及ぶ基準を設けています。それらの基準を満たしていることが条件だったので、どうしてもパートナー候補は限られました。けれど、地道に開拓を続けていった結果、その基準を満たす店がいくつか見つかったんです。

――その中に、チョップドサラダ専門店「サラド(https://www.salad.co.jp/)」がありますよね。「サラド」を選んだ理由はどういった部分にありますか?

植田:「サラド」が提供しているサラダは約400gもの量があるので「サラダをたっぷり食べられるのが良い」というところにまずは興味を持ちました。それから、社内でUber EATSを利用して週1回「サラド」に注文しているチームがあったので「毎週注文しているということは、すごく美味しいのだろう」とも考えたんです。

▲チョップドサラダ専門店の「サラド」。ボリュームたっぷりのサラダは、健康意識の高い方を中心に大人気だ。

「サラド」の代表である細井優さんは、もともとAppleに勤務されていた方。同僚の病気がきっかけで、健康的な食事の大切さに目覚め「サラド」を立ち上げられたそうです。その想いが「ウェルメシプロジェクト」のビジョンとマッチしていたことや、より良い食事を作るための努力をいとわないスタンスが通じていたこともあり、お取引をさせていただくことになりました。「サラド」に限らず、「健康への想い」を大切にしているお取引先との関わりをこれからも重視していきたいと考えております。

大切なのは、お弁当を「改善し続ける」こと

――「想いを同じくする会社」を選ぶことは、複数企業が関連するプロジェクトを成功させるために重要だと思いますか?

植田:そうですね。特にこういう前例の少ないプロジェクトの場合、成功までには数えきれないほど改善のサイクルを回し、試行錯誤を続ける必要があります。そのときに、持っている志が同じ企業でなければ、途中でどちらかに負担がかかり、無理が生じてしまうと思っています。

――具体的にどのようなサイクルを回しているか教えてもらえますか?

植田:「ウェルメシ弁当」では「予約⇒社内販売⇒アンケート回収⇒オペレーション・メニューの改善」というフローで1つのサイクルが回っています。

例えば、10月に特定店舗のお弁当が販売されるとしたら、9月の終わりにポータルサイトやメールでメニューと予約方法を全社に告知。お弁当の予約は、販売前日の11時までGoogleフォームで受け付けています。そして社内販売当日の夕方には、誰がどのお弁当を買ったかという記録を全て取り、その人たちにアンケートフォームを送付します。そこで集まった意見を毎回2日以内にパートナーにお渡しして、「次はこういうこと、できますか?」といった感じで、改善サイクルが一周するイメージですね。

今は、1か月ごとにパートナーが切り替わっているんですけど、毎週のフィードバックとは別に販売期間が終わったら振り返りをして、売れ筋アンケートを見つつ新メニューを一緒に考え、次回の販売期間に向けて商品開発をしています。

――そのサイクルを回したことで、食材やメニューが改善した事例を教えてください。

植田:例えば、「サラド」でもともと使用していたけれど「ウェルメシ」のガイドラインに沿っていない食材を、より健康に良いものに変更していただきました。ベーコンを大豆ミートに、白砂糖をてんさい糖に、といった感じに。

また、その際に弊社からお願いしていなかったにもかかわらず、期待の更に上をいく改善を実施してくださいました。

――というと、どういったことを?

 

植田:今までは市販の醤油を使っていたそうなのですが、無農薬・無化学肥料栽培の大豆・小麦から作った九州産の醤油に変えていただいたんです。

――そうした取り組みが、自発的に起こるのはすごいですね。想いが同じだからこそのシナジーというか。ちなみに、「ウェルメシ弁当」を食べた社員からは、どのような声が挙がっていますか?

植田:多くの人が、アンケートで「本当においしかった」と書いてくれました。それから、お弁当の企画や素材1つ1つの選定にこだわっているため、今のところ週に1度しか「ウェルメシ弁当」は販売していないのですが、「毎日とか週に2、3回販売してほしい」という声が、たくさん届いています。その他にも「栄養バランスのとれたお弁当を選択することが自分自身の健康意識を高める、きっかけ作りになっている。」という嬉しい声がありました。

▲購入者を交えた「サラド」の新商品の試食会の中で、CHO室メンバーが「サバを使ったサラダは可能ですか?」と発言したことがきっかけとなり、「サバと塩こうじのグリルサラダ」という新商品が誕生したという。こうしたシナジーが生まれるのも、定期的に改善のサイクルを回しているからこそ。

 

改善サイクル成功のコツは「少人数」と「役割分担」

――お話を聞いていると、比較的短いサイクルで上手く改善のサイクルを回せていますよね。その理由はなぜでしょうか?

植田:ミニマムな人数でプロジェクトを回しているから、だと思います。DeNAサイドは、企画は私ひとり、あとは運営を総務の担当者1、2名で賄っています。それに、取引先も決裁権のあるオーナー店長がほとんどなので、スピード感を持って決断することができるんです。もしプロジェクトに携わる人の数が多ければ、意思決定までに時間がかかってしまい、短いスパンでサイクルを回すことは難しかったと思います。

それから、企画担当者と運用担当者の役割を明確に分けたこと。予約者のサポート、発注や請求など運用に長けた総務メンバーの協力があってこそ、自分が企画立案や店舗との関係づくりなどに専念できました。特定の誰かが何でもかんでも担当してしまうと、何かの業務がおろそかになって、上手くいかなくなってしまうと思うんです。

「健康になること」は、みんなの願望

――植田さんは、昔から健康への意識が高かったんですか?

植田:いえいえ、全く! むしろ、「超」が付くくらい不摂生でした。かつてはワーカーホリックで、食べものにも気を遣っていなかったですし、夜中までお酒を飲んで帰宅して、次の日は寝不足、二日酔い、肌荒れ、なんてしょっちゅうでしたよ(笑)。

――「ウェルメシプロジェクト」に“フルスイング”する植田さんからは想像もつかないですね! その生活が変わったのって、どうしてですか?

植田:きっかけは、子どもを授かったことですね。それを機に「健康でいなければ」と強く思うようになったんです。生活が、本当に180度くらい変わりました。働き方も、食事も、睡眠も。

特に食品に関しては、子どもの口に入るものなので、食品裏の表示ラベルを見るようになったり、正しい知識を得てよりカラダに良い食べ物を選択するようになったり、ずいぶん意識が変わりました。

また、仕事面でも時短勤務となったことで、限られた時間でパフォーマンスを発揮するためには、自身の体調をベストに保つことが何より大切だと身をもって実感したことも大きいですね。

――そのときに感じた「健康の大切さ」が、植田さんを動かす原動力になっているのかもしれないですね。

植田:それはあるかもしれないです。「社員の健康をサポートする」という仕事って、絶対に良いことだと思うんですよ。だって、「健康になること」って全ての人にとっての願望じゃないですか。

体に良くて美味しいお弁当を提供することでみんなが笑顔になってくれたり、アンケートで意見をもらって新しいアイデアが生まれたり、PDCAを回して改善していったり。その結果が更にパートナーの笑顔にもつながっているという実感が持てる瞬間だったり。そういった「ウェルメシ」に関する全てのことが、自分にとってのやりがいになっています。

▲第1回の「ウェルメシ通信」。現在、もう1社のパートナーである「good juiceTerreTable(http://www.goodjuice.jp/)」の販売月であり、このチラシをお弁当の購入者へ配布している。

実は今後、お弁当を購入してくれた方に「ウェルメシ通信」というチラシをお渡ししようと思っていて、すでに第1回目の記事を配布しているのですが、食材へのこだわりや料理のレシピなどが詰まった内容になっています。これも、誰かに「幸せ」を届けるようなものになってくれたら、本当に嬉しいですね。

CHO室のHPはコチラ:http://dena.com/jp/csr/cho-office/

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
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