【保存版】マネジメントで迷ったらコレ!DeNA社員が選ぶおすすめ書籍10冊&組織づくりのヒント
2025.07.24
「ICTの力で医療の格差・ミスマッチを無くし、 全ての人に公平な医療福祉を実現する」というミッションのもと、国内外で医療DXを推進しているアルム。その最前線で入社1年目から事業開発を担い、2024年度の新卒MVPを獲得したアルム医療DX事業部アカウント営業部の岡田 洋之佑(おかだ ひろのすけ)。
未知の業界へ飛び込み、高いKPI達成と社会変革という使命を両立させながら困難を突破し続けてきた背景には、「知らないこと」を「伸びしろ」に変える強靭なマインドと、挑戦を後押しするDeNAの企業文化がありました。
DeNAに根付く「挑戦」のカルチャーを体現する彼に、そのマインドセットの源泉と、プロフェッショナルとしてのキャリアの歩みを聞きました。
目次
──おそらく多くの人が不安を感じる、知らない領域へのチャレンジ。岡田さんは、なぜそこにあえて飛び込み、自身の「伸びしろ」に変えてこられたのでしょうか。そのユニークなマインドセットが生まれた経緯から聞かせていただけますか?
15年間続けてきたサッカーの経験が大きいです。かつて、周囲の評価を自分の実力と履き違え、安心しきっていた時期がありました。しかし、その高揚感は長くは続かず、努力を怠った大きな代償として、レギュラーの座を失うという厳しい現実に直面しました。この時に味わった強烈な悔しさが、その後の糧となりました。
「出られる保証のない高いレベルのチーム」を選べば、自分よりもはるかに上手な選手ばかりの中で、知らなかったプレースタイルや戦術を目の当たりにし、一番下から努力して這い上がるしかない。この経験から、知らないことをまず認め、その差を言語化し、正しい努力をすること、そして常に未来志向で挑戦することの大切さを学びました。
大学3年でドイツのビジネススクールに留学した時も同じです。留学前は英語が全く話せなかったのですが、あえて一番難しい英語のクラスに飛び込みました。周囲は当たり前に英語を話し、自分は知らないことばかり。悔しいし恥ずかしいけれど、その差が明確だからこそ、それを埋めようと必死に努力しました。その結果、1年間で英語でビジネスを学べるまでに成長でき、ドイツへの留学が実現したんです。
──サッカーを通して岡田さんに根付いた「常に未来志向で挑戦する」という志と、留学で得た経験が、その後のキャリアの選択にも大きく影響しているのですね。
はい。ドイツ留学中に環境ビジネスを学び、帰国後は経営を体得するために複数のスタートアップのインターンに参加したり、社会課題(環境問題)の解決を目指して起業も経験しました。うまくいったこと、いかなかったこと、さまざまでしたが、もっと多様な環境で揉まれたいと考えDeNAに入社、国内外で医療DXを推進するアルムを志望しました。社会課題に挑戦している点に強く惹かれたんです。
──アルムでは現在、どのようなお仕事を担当されていますか?
担当は事業開発であり、営業でもあります。単にプロダクトを売るのではなく、地域の大学病院や地方行政と連携し、その地域が抱える医療課題を一緒に解決する仕組みや事業をつくっていく仕事をしています。
──専門性の高い医療業界で、どのように知識や経験の差を埋めていったのですか?
自分が「知らないこと」を素直に認め、その差を理解して言語化し、質問することで埋めていく。その繰り返しです。社内外の専門家や医師の方々に積極的にヒアリングを重ね、業界の構造や商習慣を学んでいきました。1年目はがむしゃらに走ってきましたが、2年目になり経験を重ねたことで、どのような戦術戦略でアクションしていくかという部分の解像度はかなり上がってきたと感じています。
──取り組んでいるプロジェクトについて、具体的に教えてください。
医療関係者間コミュニケーションアプリ『Join』をはじめ、医療DXに関するソリューションの普及に努めています。アプローチ先は、県庁などの行政機関、大学や地域の三次救急を担う拠点病院です。現場では、学長や病院長、教授といった方々から、実際に『Join』を使用する医師や救急隊員の方々まで、本当に幅広いみなさんと対話を重ねています。
プロジェクトにはさまざまな立場の方が関わるため、各組織内での役割や意思決定の仕組みを理解した上で、それぞれに合わせたアプローチを意識しながら活動しています。日本では少子高齢化が進み、医療の現場では地域によって医師不足や偏在、専門医の不足など、さまざまな課題があります。関係者のみなさんと同じ課題認識を持ち、解決への道筋を可視化して成果につなげていきたいと考えています。
──岡田さんご自身は、DeNAが医療業界に参入する価値をどのように考えていますか?
DeNAが参入するからこそ価値があると思います。イノベーションは、全く毛色の違う知見と、特定の領域に深く根差した専門性が掛け合わされて初めて生まれると思っています。医療業界には専門企業がたくさんありますが、医療を専門としてこなかったDeNAが、事業づくりやAI、DXの強みを活かして深いドメイン知識と交わることで、本当に良いイノベーションが起きるのではないでしょうか。
──仕事において、最も大切にしていることは何ですか?
ビジネスは「定量」と「定性」に大きく分けられると思いますが、KPIなどの数字で表される「定量」は氷山の一角にすぎません。むしろ、その水面下にある人間関係の力学や、課題がどこから生まれているのかといった「定性」要素が9割を占めると考えています。その構造を少しずつ理解できるようになったことで自分のアクションもより的確になり、結果として定量的な成果につながると実感しています。
──岡田さんを突き動かすモチベーションの源泉はどこにあるのでしょう?
「人を勝たせること」がすごく好きなんです。ありがたいことに新卒MVPをいただきましたが、それが最高の幸せかというと、そうではない。私が本当に喜びを感じるのは、誰かが喜んでいる姿を見るときです。そこに自分が参謀として、黒子的に貢献できたときに大きな喜びを感じます。サッカーでゴールを決めた選手に注目が集まるように、僕はあくまでアシストパスを出す役目でいい。自分が目立ちたいわけではなく、純粋にチームの目的を達成し、その価値を享受して喜んでいる人たちを見ることが何よりの喜びなのです。
──より大きな視点での目標はありますか?
ドイツへの留学を経て、世界における日本の影響力が低減していると感じる瞬間があり、日本人であることの自覚がすごく強まりました。そこから「日本の商人として、社会課題を商売で解決し、日本の国力向上に寄与したい」と考えるようになりました。
日本は課題先進国です。特に高齢化と人口減少が進むこの国で新しいイノベーションを生み出し、社会課題を解決しながら日本経済を大きく循環させ、その価値を世界の隅々まで届けられる企業、そして商人でありたいと強く思っています。
──ちょっと話の視点を変えますが、社員個人のWillに沿った挑戦も後押しする、DeNAのキャリア制度についてはどう思いますか。
本人と異動先の本部長の意志が合致すれば、上長や人事の介入なしで部署異動ができる「シェイクハンズ制度(※1)」や他部署の仕事を兼務できる「クロスジョブ制度(※2)」は魅力的ですし、副業もできます。仮に新しいことに挑戦したい場合も背中を押してくれる文化があります。
そして、ファウンダーの南場さんが提唱する「DeNAギャラクシー」という考え方、社員を会社に囲い込むのではなく、個々のやりたいことを実現するためにDeNAを卒業して自身の「星」を築くことを応援する、そしてその卒業した「星」たちと星座のようにつながり、社会に提供するDelight(喜び)の総和を最大化することを目指そうというのもすごく共感できます。
※1……各本部がミッション・ビジョン・パッションを示し共感した人が集まる形で運営される組織を目指すための制度。OpenQuest(社内の求人募集サイト)上で募集されてるポジションに対し、制度の対象の方であれば、誰でも自由に手を挙げて応募することができ、シェイクハンズ先の本部長と合意書を作成することで異動が成立する。
※2……クロスジョブ制度とは本部をまたいで、他部署の役割・業務を担うことができる制度。社内・グループ内での副業に相当するもので、本人の希望を起点に上長の承認の上で業務を開始できる。
──DeNAの行動指針「DeNA Quality(DQ)」についてはいかがでしょう。特に意識している言葉や好きな言葉はありますか?
「球の表面積」という言葉が好きです。自分がこの会社の一員として、社会にどのような価値を提供するのかを主体的に考えることをうまく言語化していると思います。これを意識することで、自分が裁量を持って能動的に動けるマインドセットになります。
──その言葉は、プロとしての責任感にもつながりますか?
はい。入社2年目の今も、まだ周りからは新卒として見られていると感じることもありますが、それに甘んじるつもりはありません。自分は会社の代表であると自覚し、一人のプロフェッショナルとして、誰よりも結果を出していきたい。お金をもらって仕事をする以上、この社会を変えるという気概を持つプロでなければならないと思っています。
──最後に、これからキャリアを歩む学生や後輩たちにアドバイスをお願いします。
僕からのアドバイスは、「本気で挑戦して、本気で失敗してください」ということです。僕自身、これまでの24年間でうまくいったことなんて、ほとんどありません。でも、うまくいった時の喜びは、それまでにどれだけ挑戦し、どれだけ失敗し、それでも諦めずにやりきった数で決まると思っています。
本気で挑戦しないと、失敗した時に何がダメだったのかが分かりません。本気でやったからこそ、失敗した時に「何がダメだったのか」が明確に分かる。それこそが次に「これを改善しよう」と挑戦するための最大の学びになります。そうやって人間としての深みも生まれるはずです。
挑戦を続けていれば、たまにうまくいくこともあります。それは大いに喜んで、でも決して慢心せず、また本気に挑戦し続ける。失敗を恐れることなく、そのサイクルを回し続けてほしいです。僕もまだ未熟者です。皆さんと一緒に社会を変える一人として切磋琢磨していきたいです。
※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
執筆:さとうともこ 編集:川越 ゆき 撮影:内田 麻美
撮影場所:WeWork 渋谷スクランブルスクエア 共用エリア/会議室
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