スコープレスな視点でヘルスケア・メディカル事業をサポート。コンサルからDeNAへ、新たな挑戦
2024.06.26
全社の管理会計からスポーツ事業の運営、そして多くのユーザーさんに親しまれるヒットコンテンツの誕生まで。一見すると全く異なるこれらの事業に、一人の経営企画担当者が深く関わっていました。
現在、経営企画本部企画統括部の統括部長として全社の経営企画をリードする石崎 英治(いしざき えいじ)。2013年に入社後、全社管理会計とIRを皮切りに、EC、オートモーティブ、スポーツ、ゲームと多彩な事業を横断してきました。事業会社の最前線と全社最適の視点を往復することで培われた独自の視点とは何か。
DeNAならではの経営企画の魅力と、専門性を武器に成長し続けるキャリアの築き方を、彼の言葉から探ります。
目次
──石崎さんは、入社以来一貫して経営企画の仕事に携わってきたそうですが、当初から目指していたのでしょうか。
DeNAの事業が多彩なように、同じ経営企画の仕事につきながらもさまざまな「越境」を繰り返して、今があります。
2013年に入社した当時はモバゲーの全盛期で、同期の大半はゲーム事業に配属されました。そんな中、私1人だけが経営企画に配属されて。大学時代に簿記の試験に落ちた経験もあったので、まさかコーポレート領域に配属されるとは思わなかったですね(笑)。
──どのようにキャリアをスタートされたのでしょうか?
最初は、DeNA全社の計数管理(※)を担う仕事を担当しました。若手のうちから会社のあらゆる数値データを見ることができたのは、非常に貴重な経験だったと思います。当時、モバゲー事業の売上がピークを迎え、その後徐々に下がっていく様子も数字を通してリアルタイムで見ていました。現場の最前線で「プロダクトをどう磨き上げるか」「ユーザーの要望にどう答えるか」と、サービスやユーザーさんと向き合う同期をうらやましく思うこともありましたが、会社全体を俯瞰し、ビジネスの動きを予測する仕事は独特のおもしろさがありました。
※……事業活動を売上、経費、資産などの数値で分析・管理
──キャリアの初期で、特に印象に残っている仕事はありますか?
当時、私が担当していたのはEC事業でした。若手でありながら、事業本部長に直接実績の報告をするだけでなく、予算の見直しや経費削減を提案するなど、事業戦略の一部を担わせてもらえたのは貴重な経験でした。まさに、DeNAのカルチャーである「球の表面積」(※)を実感した出来事ですね
※……DeNAの行動指針「DeNA Quality(DQ)」の一つ。社員一人ひとりがDeNAを代表するという気概と責任を持って仕事をするという意味
その後異動したIRでの1年半は、自分のキャリアにとって最初の大きな節目でした。投資家の方々からは、優待の使い方といったご質問から、株価に関するご意見まで、多岐にわたるご連絡をいただきました。特にスマホのアプリゲームに世の中の潮流が移行している頃でしたので、寄せられる厳しいお声に会社を代表する立場で説明することに、日々しびれるようなプレッシャーを感じていました。
一方で、新たなサービスやプロダクトの共同開発につながる提携を発表した際には、多くの喜びや期待の声が寄せられ、電話の向こう側から伝わるポジティブな熱量を肌で感じました。これらの経験を通じて、ステークホルダーの期待を背負うことのやりがいと責任を痛感できたのは本当に良かったと思います。
──その後再び経営企画に戻られ、担当事業領域での譲渡案件なども経験されます。事業に愛着を持つ現場とも働く中で、精神的にもハードなご経験だったのではないでしょうか。
そうですね、これは精神的にもハードな仕事でした。会社の経営判断に直接関わったわけではないですが、相手企業に提示する数値やデータを整理する役割を担いました。
IRも含めて全社の計数管理を手がけてきた中で、常に事業全体を俯瞰で見渡し、適切な判断をしていく。今当時の自分を振り返るとスキルはまだまだ十分ではなかったと思いますが、若いうちからこうした緊張感のある仕事に携われたことで、経営企画としての覚悟が芽生えたように思います。
──2018年にはスポーツ事業本部へ異動されますが、どのような経緯で、どんな役割を担われたのでしょうか?
入社5年目になり、自分の中で少し停滞感があった時期でした。マネージャークラスの先輩たちとのスキルの差が縮まらないと感じ、「このままではいけない」と悩んでいたんです。そんな時、上長から「一度事業部門に飛び込んでみてはどうか」と提案されたのが、スポーツ事業本部への異動でした。
役割としては、事業本部の中に入って、そこで本部内の経営管理をする役回りでした。同じ数値を見ていたはずですが、事業部の現場目線で改めて数字を見られたことは、本当に意義がありました。俯瞰的に見ることも不可欠ですが、リアルな現場の息吹が数字には流れている。それは大きな刺激になりました。
具体的には、横浜スタジアムが行った増築改修の費用を把握し、必要に応じて本社の会議体への付議を行うために計数管理の観点から情報を整理・提供したり、さまざまなスポーツコンテンツへの展開を考えていたタイミングで「○○のスポーツでビジネスをする場合、P/L(損益計算書)はどのようなイメージになるか」といったシミュレーション依頼に応えたりしていました。
──特に大変だったと印象に残るお仕事はありますか?
2020年からのコロナ禍への対応ですね。試合開催が不透明になり、実際にシーズンは短縮され無観客試合もありました。ビジネス面でも影響は大きく、スポーツ事業本部全体でかなり大きな赤字が出るといった試算もあり、「コロナがいつ収束するかわからない」という先の見えない恐怖もありました。
その状況下で、日々変わる情勢に応じて利益シミュレーションを細かくアップデートしたり、補助金等の活用ができないかを検討し社内の合意を取り付けてオペレーションに落とし込むまで伴走したりと、今振り返れば、経営管理とは関係ないような業務も多くありましたが、事業部メンバーと知恵を絞っていました。
その一方で、スポーツ事業やそれを支える方々の持つ力を改めて実感できた面もありました。結果的に、最悪の事態を想定していた時に比べて、赤字の規模も小さくなり、またその後もV字回復しています。当時はまさにディフェンスに振り切った仕事でしたが、事業を守るための必死の行動が今の事業の礎の一つとなっていれば、それ以上にうれしいことはないですし、この経験自体が何物にも代えがたい財産になっています。
──そして2022年、今度は現在のゲームサービス事業本部へ。現在業績も好調ですが、具体的にどのような役割を担われたのでしょうか?
ゲーム事業は長らくヒットが出せず苦戦が続いていました。経営企画として全社の数字を見ていても同じ印象は持っていました。2022年4月に同期の井口さんがゲームサービス事業本部の本部長に就任した際に、私も経営管理責任者として同本部に異動しました。厳しい状況にある事業のリカバリーを求められてのことです。
中に入ってみて気づくことも多くあったのですが、たとえば私が真っ先に課題だと感じたのは、計数管理そのものというより「経営層へのコミュニケーション」でした。ゲーム事業はヒットになるか予測が難しい部分があり、ともすると「やってみないとわかりません」という報告になりがちです。しかし、それだけでは経営層から見ると、安心して任せてよいのか、手がかりがない。このミスマッチを解消する必要があると考え、ヒントになったのがスポーツ事業本部での経験でした。
スポーツ事業のマネジメント陣は、経営層への報告や決裁を仰ぐタイミング、その伝え方が的確でした。期待値だけでなく、冷静な予測や潜在的なリスクも併せて多角的に共有することで、経営層との信頼関係を築いているのだと考えていました。そこでそのスタイルを応用するような形で事業本部内が想定しているスケジュールと、そこに内在するリスク、また注意すべきタイミング等を前広に経営層とコミュニケーションするサイクルをつくりました。
経営層にとってネガティブサプライズが少なくなるようにしつつ、一方で着実に業績予測精度の向上などを図る。自身が積み上げてきた経験を活かした取り組みを続ける中で、大きなヒットタイトルにも携われたことはうれしかったです。
──さまざまな事業を「越境」したご経験から、DeNAの経営企画の仕事にはどのような魅力や独自性があると感じますか?
全社最適を考える視点、ステークホルダーからの期待という目線、そして事業現場の当事者意識。さまざまな立場を往復したことで得られた視座が、今の自分を助けていると実感します。本当にいろいろなことをさせていただいており、その濃密さや多彩さは、振り返ってみても得難い経験です。
事業部のメンバーがよく「他社の何倍ものスピードで経験が積める」と言いますが、経営企画も引けを取らないと感じます。少数精鋭なので、年次や年齢など関係なく責任のある仕事が回ってきます。そして、事業部のメンバーもコーポレートのメンバーもロジカルでフェア。本質的な議論に集中できる環境で、すごく仕事がしやすいと思います。
──キャリアを振り返って「縁が財産」ともおっしゃっています。その理由を教えてください。
私のキャリアそのものですね。さまざまな部署を渡り歩き、多くの経験が積み上がってきましたが、自分一人で何かを成し遂げてきたという感覚はないんです。その時々で一緒に働いていた人たちとの「縁」やつながりに支えられて、今の自分があると思っています。
──では最後に、今後の目標と、DeNAの経営企画で働くことに興味を持つ未来の仲間へのメッセージをお願いします。
私個人の思いとして、DeNAをもっと大きな会社にしたいです。新たなヒットプロダクトやサービスが社内からもっと生まれたり、事業がもっと大きくなることに貢献し、DeNAがより多くの人に、より大きな規模で「Delight」を届けられる会社にしていく。それができたら、この会社を選んだ人間として本望ですね。
その目標達成のためには、攻めることだけでなく、「守り」も会社の成長を支える重要な役割だと共感できることが大切だと思います。この仕事は、時に事業にとって耳の痛いことを言わなければならなかったり、厳しい判断をしたり伝えなければならなかったりします。それでも、その一つひとつの仕事を、長い目で見て会社全体を良い方向に導くと信じてやり遂げられるかどうかが、重要だと考えています。
今の仕事に物足りなさを感じ、「もっと事業の根幹に関わりたい」「自分の力で会社を動かしたい」という想いを抱いている方にとって、DeNAは最高の環境ではないでしょうか。「もっとやれる」「もっとやりたい」と感じているなら、それ以上の経験が積めるチャンスがここにはあります。DeNAという会社を、一緒にもっと大きくしていける方のご応募をお待ちしています!
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※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
執筆:箱田 高樹 編集:川越 ゆき 撮影:内田 麻美
撮影場所:WeWork 渋谷スクランブルスクエア 共用エリア/会議室
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