DeNAの「人」と「働き方」の " 今 "を届ける。

シナジーを最大限に引き出すスペシャリスト。人や会社の広い領域で、深くコトに向かう人事グループ・労政グループ

2023.11.20

M&Aや業務提携などで広がりを見せるDeNAグループ全体の人事機能を支えているのが人事グループ・労政グループ。

その動きが表に出ることは普段ほとんどありませんが、事業展開や状況変化が著しいDeNAにおいて、多岐に渡る人事労務の業務を正確かつスピーディに遂行する彼らの存在は不可欠です。

会社や社員の日々の業務の当たり前を支え、唯一解のない難しいかじ取りに日々挑み続ける

人事グループ・労政グループの業務とは──。

人事・労政グループマネージャーの田仲 祐典(たなか・ゆうすけ)、人事労務スペシャリストの加藤 大国(かとう・ひろくに)に話を聞くと、DeNAカルチャーが垣間見える業務環境や考え方が見えてきました。

フラットでチャレンジングな組織

ーー人事グループ・労政グループの基本業務をお聞かせください。

▲ヒューマンリソース本部 人事総務統括部 人事部人事/労政グループ グループマネージャー 田仲 祐典(たなか・ゆうすけ)メーカー(製造業)にて人事領域の仕事を経験し2022年5月にDeNA入社。入社後は海外関係やPMI案件に携わり、現在は人事G・労政Gのマネージャーを担っている。子供と一緒に笑って遊ぶのが一番の健康法。

田仲 祐典(以下、田仲):入社・退職手続きや、給与・社会保険・福利厚生、また勤務制度・労働時間管理など各種人事制度・人事規程の管理運用や、健康管理まで幅広く人事労務領域に責任を持ち、みなさんの「働く」をサポートしています。人事/労政の両グループでメンバーは約20名おり、専門性を活かしてそれぞれの担当業務に取り組むだけでなく、さまざまなプロジェクトを通じて事業に貢献しています。

ーー人事グループ・労政グループのプロジェクトというと、どんなものがあるのでしょうか?

田仲:M&Aの締結に向けた労務デューデリジェンス(以下、労務DD)や締結後の統合プロセスであるPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)です。M&AやPMIのプロジェクトでは、メンバーがそれぞれの専門性を活かして活躍しています。

▲ヒューマンリソース本部 人事総務統括部 人事部労政グループ 加藤 大国(かとう・ひろくに) 2017年1月にDeNA入社。2018年12月〜2020年10月に人事Gマネージャーを担い、2020年11月より約1年半の育休を経て復職し現職。入社以来、約10件のM&Aやスピンアウト等の労務DD及びPMI案件に携わる。趣味はドライブと海外旅行。

加藤 大国(以下、加藤):私は労務DDやPMIにアサインされることも多いですが、運用関連の担当領域として、直近では労働時間・勤怠管理、社会保険や労務対応も担っています。これらの担当領域はチームとしてアサインされ、誰が担うかは流動的であり、チームメンバーと協力しながら進めています。

田仲:M&Aにおける労務DDやPMIは、人事労務の総合力が必要とされる仕事だと考えています。人事グループ・労政グループの仕事はそれぞれが繋がっているので、業務の範囲を限定するのではなく、それぞれを繋げて見ていくことが重要になってきます。

ーーDeNAは新領域への事業拡大も多いですよね。

加藤:そうですね。DeNAはチャレンジングな社風なので、M&Aに携わるチャンスは多いと思います。私は2017年に入社し、途中で1年半の育児休業を取っていますが、今日までの6年間で、合計約10件のM&Aやスピンアウト等の案件に携わってきました。

そのなかには、昨年10月にM&Aをしたメディカル分野のアルムもあれば、2017年に東芝グループ様より運営を引き継いだスポーツ分野の川崎ブレイブサンダース、DeNAからスピンアウトしたストリーミングサービスのSHOWROOMなど、それぞれに特色のある企業の労務DDやPMI等に携わることができています。

田仲:DeNAはいろいろな事業をしている会社なので、さまざまな事業分野でM&Aの対応が発生しますし、そのときどきで多様な会社とやりとりをするので、かなり柔軟な対応力が必要とされます。

ーーDeNAの人事グループ・労政グループの組織として、特徴的なことはなんでしょうか?

加藤:これはDeNA全体に言えることですが、組織がフラットで、役職はマネジメントをする役割であるという考え方があり、任せられる業務には役職や社歴は関係ないところでしょうか。ある程度の知識・経験と意欲があれば自ら手を挙げて、すぐにチャレンジできる環境がDeNAにはあります。実際に、私も育休を機にライフワークバランスを考えてマネージャーではなくなっています。

田仲:私は昨年DeNAにジョインし、その1カ月後からデータホライゾンとのPMIに携わっています。会社にとっても非常に重要な案件で、入社してすぐにこのような案件に携われるとは思っていませんでした。

私は製造業の人事を渡り歩いてきたので、ヘルスケア・メディカルの業界知識に詳しいわけではなく、M&Aの経験もそれほどありませんでしたが、今まで人事領域で積んできた経験や実績を活かすチャンスがすぐに実現しました。

「やりたい」で伸ばすキャリア

ーーチャレンジングなDeNAらしい特徴ですね。人事労務領域のキャリア面ではどんなメリットがあると感じますか?

田仲:人事/労務の経験を持ち次のステップを考えている方にとっては、私もそうだったようにM&Aに伴う労務DDやPMI、子会社の設立やスピンアウトなど、人事としてのスペシャリティを伸ばせる仕事に携われることですね。

しかも、自分で手を挙げれば早いタイミングでそのチャンスがやってくるのもDeNAならではなので、自分の経験を活かしてチャレンジしたい人にはメリットが大きいと思います。

加藤:経験やキャリアパスをやりたいことで伸ばせるという点もあると思います。労務DDやPMIはもちろんですが、制度導入も手を挙げればできると思います。

私は入社半年後に副業制度のプロジェクトオーナーを務め、3カ月間でヒアリング、制度設計、経営会議、社内説明会、日経新聞へのリリースまでやり切りました。リモートワークのトライアル導入なども推進しました。そんなことが普通にできる会社です。

ーーチャレンジングな土壌が感じられますね。働いていてやりがいを感じることはなんですか?

田仲:やはり自分自身がこれまで培ってきた人事/労務の経験が全部活かせていることですね。さらに、それを活かして新しい経験ができることがモチベーションになっています。

加藤:私はひとえに働き方です。DeNAにいるからこそ柔軟な働き方ができています。私も祐典さんも子育て中ですが、スーパーフレックスタイム制(※1)で、上長やチームメンバーの理解を得られれば、中抜けや土日との振替も柔軟にできます。また、私は副業制度も活用しています。時間的な課題をクリアできるほか、社内外で新たなチャレンジをするなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方が実現できていると思います。

※1……スーパーフレックスタイム制とは、コアタイムがなく、中抜けや平日と休日の時間単位で勤務日の振替が可能であり、社員1人ひとりが自分のライフスタイルにあわせて長く継続的に、また活き活きとDeNAで働き続けられる制度です(チームで成果を出すという前提で、一定のルールがあります)。

オリジナリティと融合で引き出すシナジー

ーー昨年は、医療ICTベンチャー企業の株式会社アルムや、ヘルスビッグデータの利活用事業を行う株式会社データホライゾンのジョインがありましたが、その時のエピソードをお聞かせください。

加藤:アルムの件では、私が労務DDを担当しました。資料の読み解きや、実態のヒアリング、経営判断に必要な材料のレポーティングなど、人事労務の幅広い知識と経験が必要とされました。相互により良い環境になるよう、関係性の構築も意識しながら対応しました。

田仲:私が関わっているデータホライゾンは、DeNAとは異なる社風をもつ会社なので、どうしたらグループ会社として同じ方向を目指し、シナジー効果を生み出せるかをデータホライゾンの人事の方と一緒になって考えています。カルチャーなどは一朝一夕に浸透させることは難しいので、グループ会社となったあとも相互に関係構築を続けながら、より良い働き方を目指した制度や仕組みづくりを共に進めています。

ーー企業と評価制度をすり合わせていく際には、どんなプロセスがあるのでしょうか?

加藤:DeNAの評価制度はすごくシンプルに見えますが、運営するHRの人数も多く、マンパワーをかけて細かくフォローをしています。これはPMIで企業にそのまま入れようとしても、上手くいくものではありません。相互によい効果をもたらすためには、しっかりと議論を重ねて、理解を得たうえで導入していくことが重要です。

また、制度は導入をして終わりではなく、導入以降もフォローをしながら、双方にとってより良い形を探り、シナジーを生み出すことを目指していきます。

どの会社にも多様な独自の制度やルールがあります。それをすべてDeNAに寄せるのは相手への尊重を欠いているうえ、デメリットの方が大きくなります。まず、調査結果をもとにイメージできるストーリーを描き、どうすれば双方にとってより良いのかを慎重に考えて合意を取り、最終的にDeNAに融合させる部分とオリジナリティを残す部分を具体的な形にしていくことが、PMIの業務だと考えています。

ーーM&Aを進めるにあたって、DeNAの人事グループ・労政グループとして念頭に置いていることはなんでしょうか?

田仲:労務DDは法的な部分に準拠してチェックしていくことがメインですが、カルチャーフィットするかどうかという要素も重要になってくるので、PMIについては個別に判断していくことが必要になります。コンプライアンスやガバナンスは強く求めるものですが、最終的に追い求めるのは、DeNAグループに入ることでシナジー効果を出し、事業も働く人もハッピーになる状態を目指していくことだと思っています。

DeNAクオリティが繋ぐ「社員の当たり前」

ーー制度や働き方など、社員が働くための“当たり前”を守ることも人事労務の役割として大きいと思いますが、事業部や社員との関わり方で心がけていることはありますか?

加藤:給与の支払いなどをきちんと運用することは当たり前。そのうえで、HRからメッセージを発信する必要性が出た際は、事業部からの意見も取り入れ、また多方面からアドバイスをいただいて、メッセージのストーリー性等も重要視しています。できるだけわかりやすく伝わるようにQ&Aを展開することもあります。

田仲:制度を提示しただけでは伝わらないことがたくさんあります。なぜこれをやるのかが相手に伝わることを考えることを大事にしており、社員のみなさんの働き方がどう良くなるのかが伝わるようにメッセージの作り込みには力を入れています。

ーー伝えるために、重要視していることや取り組んでいることはありますか?

田仲:発信しなければいけないメッセージが、できるだけ多くの人に伝わるように考えることです。これはDeNAに限らずですが、人はそれぞれ感じ方や捉え方が違うので、自分1人ではなくチームみんなで考え、それぞれの職場にもヒアリングするようにしています。

加藤:我々が「こと」に向かって(※2)進めたいと思っていることに対して、みなさんからも意見を伺ってバランスを取り、お互いに納得する制度を作りたいという説明を必ずします。また前提として、DeNA Qualityにある発言責任・傾聴責任を持っているメンバーが多いと感じます。我々はヒアリングのために頻繁に事業部とコミュニケーションをとっていますが、人事が「こと」に向かって行動しているという理解のうえで、話を進められるのはDeNAの良さだなと思います。

※2……「こと」に向かうとは、本質的な価値の提供に集中し、清々しくチームの一員として取り組むという行動指針であり、DeNAで働くすべての人の日々の行動や判断の拠り所として、DeNAがVALUEに掲げている共有の価値観「DeNA Quality」の指標のひとつです。

会社、社員、世の中をみて目指す人事グループ・労政グループの姿

ーーいま、人事グループ・労政グループで抱えている課題や、今後の展望をお聞かせください。

田仲:DeNAにはいろいろな人が集まっているからこそ、いろいろな意見があります。社員一人ひとりにカスタマイズした対応ができることが理想ではありますが、一律のルールを持って統制を取ることも必要です。そうなるとすべてを個別に対応するわけにはいかないところがあります。これらのバランスをずっと追い求めていくのだろうと思います。

また、世の中が変わると今とは全く違う働き方が求められるかもしれません。会社と社員と世の中にアンテナを張りながら、常にある課題に対応していくことで、会社と社員の日々の当たり前を支え、事業に貢献していきたいと考えています。

加藤:今後やっていきたいことは、ここまでに話してきた労務DDやPMI、制度設計などができる人材をより増やすことです。DeNAでたくさんの経験を積ませてもらったので、今後は人を育てることに注力していきたいです。

今いるメンバーには、やりたいと思う人に経験・知識を伝えたり、できるけれど踏み出せない人にやる気を起こさせる動きが作れたらと思います。それこそ新しい人が入ってきたら、その素養を伸ばす支援を惜しみなくしていきたいです。それが私の方針であり、ミッションだと思っています。

※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

執筆:さとう ともこ 編集:今西 美樹 撮影:小堀 将生

open menu